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投稿者:一冊一会 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっといい加減にしてよ、ってため息がでる少女趣味的なお涙ちょうだいのあざといお話しの連続。どうしてこうも高得点を得るのか理解に苦しむ。表題作「海の見える理髪店」のオヤジはやはり「おしゃべり」がしすぎ。「成人式」にいたってはもう漫画。すべての作品がデジャブで、「心の機微」がどうのとかいう以前の問題。次作は読みません。
理髪店での接客がリアル
2017/01/29 15:24
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投稿者:どや - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編海の見える理髪店では、鋏の使い方や髭の剃り方、店主の話し方などまるで自分が床屋にいるかのような錯覚を覚える 美容院にしか行かない人には知りえない世界だ その他の短編は作り話っぽさと人の後ろ暗い部分が目立って個人的な嗜好に合わなかった
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投稿者:Chocolat - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベテランの作者に今頃直木賞?の、表題作が、やはり一番印象に残ったけど、う~ん…
正直、折角のキレのある文章を、くさい結末が台無しにしていると思う
五感に訴えかけてくる鮮やかさも、引き込まれる展開も、見事なだけに惜しい
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表題作、理髪店の店主と客の関係にびっくり。
そして、安易なお涙ちょうだいになっていないラストも好き。
ま、母と娘の確執の話は、なぜ娘が最後にそういう気持ちになったのかは理解できなかったけど。
「成人式」の夫婦がすごく好き。
家出?少女のお話は、唐突な終わりにあっけにとられた感じ。
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短編の中でも後半の作品が特に良かった。
訥々とした語りが動きのない物語をじわじわと染み込ませていく。家族の大切さ。人とのつながりを実感。
2016.12.28
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荻原浩さんの新刊は、今回も短編集である。テーマを一言で述べるなら、家族だろうか。いずれも、複雑な家族事情が絡む。
表題作「海の見える理髪店」。わざわざ地方の理髪店を訪れた客。店主との関係は、最後に示唆される。この後、どんな言葉を交わしたのだろう。「いつか来た道」。自分の夢を子に託すのが、必ずしも悪いわけではないが、このようにこじれる例の方が多いだろう。16年ぶりの再会で、娘が見たものは。
「遠くから来た手紙」。育児に追われる妻と、帰りが遅い夫。よく聞く話に、ファンタジーの要素を取り入れた、本作中数少ないほっこりする1編。「空は今日もスカイ」。転がり込んだ母の実家で厄介扱いされる少女と、神社で出会った少年。2人に救いの手を差し伸べたのは…。彼らの切なる声が、大人に届くのか。
「時のない時計」。父の形見の時計の修理に訪れた時計店。店主は先の理髪店の店主のように饒舌だ。最後の意外な一言で、色々と救われた気がする。「成人式」。自分が親になってみると、このような話には胸が詰まる。癒えることはない傷。しかし、これを機に少しでも前を向けただろうか。
全6編はやや少ないが、いずれも訴えかける内容だ。血が繋がった家族だからこその、接し方の難しさ。時には疎ましく思う。失って初めて、ありがたみを知る例も、多いに違いない。本作には、やり直せる例とやり直せない例の両方があるが、家族に感謝するのに、遅すぎるということはないはずだ。
一方、「空は今日もスカイ」のような救いが示されずに終わるケースは、どうなのか。少年の事情を詳しく触れていないからこそ、暗澹たる気分になる。彼の人生に、展望は開けるのか。この1編の余韻が、苦い読後感を残す。
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荻原浩さんの新作「海の見える理髪店」、2016.3発行、海の見える理髪店、いつか来た道、遠くからきた手紙、空は今日もスカイ、時のない時計、成人式の短編6話、家族がテーマの物語です。せつなさ、ほろ苦さが残ります。私としては「いつか来た道」が良かったです。全般的には、荻原さんにしては物足りなかったです。「金魚姫」の感動が懐かしいです(^-^)
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+++
主の腕に惚れた大物俳優や政財界の名士が通いつめた伝説の床屋。ある事情からその店に最初で最後の予約を入れた僕と店主との特別な時間が始まる「海の見える理髪店」。
意識を押しつける画家の母から必死に逃れて十六年。理由あって懐かしい町に帰った私と母との思いもよらない再会を描く「いつか来た道」。
仕事ばかりの夫と口うるさい義母に反発。子連れで実家に帰った祥子のもとに、その晩から不思議なメールが届き始める「遠くから来た手紙」。
親の離婚で母の実家に連れられてきた茜は、家出をして海を目指す「空は今日もスカイ」。
父の形見を修理するために足を運んだ時計屋で、忘れていた父との思い出の断片が次々によみがえる「時のない時計」。
数年前に中学生の娘が急逝。悲嘆に暮れる日々を過ごしてきた夫婦が娘に代わり、成人式に替え玉出席しようと奮闘する「成人式」。
人生の可笑しさと切なさが沁みる、大人のための“泣ける"短編集。
+++
胸の奥深くにしまい込まれたまま、忘れそうになっていたものたちが、ある日、あるきっかけで光の当たる場所に出てきたような物語である。言わなかったこと、言えずにいたこと、言われなかったから知らなかったこと。そんなあれこれが、懐かしい場所、懐かしい時間から立ち上ってくるようである。著者が企むちょっとした仕掛けがやさしくじんと胸に沁みる一冊である。
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表題作を含む6編の短編集。
それぞれが、家族を思う気持ちを感じる物語です。
最後の成人式は、切ないけれど、寄り添える物語でした。
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ずいぶん前に本棚に登録してたけどやっと読みました。6編の家族の物語。どれも良かったけど、海の見える理髪店が一番かな?時のない時計が次かな?
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家族、主に親子関係を軸にした短編を、6つ揃えた作品集。
短編集というと、さほど構えることもなく読み始めることが多い。裏を返せばそれは、長編に取りかかるときのような大きな期待に欠けるということ。
でも、この作品はいい意味で裏切られた。
生き別れや死別、虐待など、何かが大きく欠落した親子関係が、主として描かれている。ストーリーに派手さはないけれど、その分じわじわと静かに浸透してきて、心の奥底に大きな波紋を広げていく。気がつけば、何度も涙がこぼれていた。
とくに最後の「成人式」は、途中まではちょっと無理があるんじゃないと思っていたけれど、式の当日の出来事が胸を打つ。
作者のおふざけモード全開の作品も好きだが、本作のように心の傷に目を向けて、それを癒していくような大人の穏やかな作品もいい。
作者とともに自分も年を重ねていることを、改めて感じた。
追記 直木賞受賞、おめでとうございます! デビュー作から全作品を追いかけている身にとっては、あれまだ取っていなかったんだっけ、という感じ。よかった!
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どれも切ない短編6編。
それぞれに味があるけれど、多くを語らない『海の見える理髪店』や、なんだかやっぱりなの『時のない時計』が好み。
時計屋のおじさんはいらないことまでしゃべるのだけれど、それがかえって父のことをわからせてくれるんだよなぁ。
語るも語らないもアリかぁ。
こうやってみると、あたしは父との関係を描いた作品が好みということらしい。父親好きだしね〜。
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#読了。短編集、6編。
親子間、夫婦など、家族の繋がりをを切なさを盛り込みながら描く。表題作「海の見える理髪店」。高齢な床屋の主人が、ずっと話をしながらお客の紙を切る。多くを語るのだが、多くは語らないところに切なさが・・・
胸がスカッとするようなハッピーエンドではなく、どちらかというと荻原さん得意の最後にほろりの話。最終話の「成人式」。いくらなんでもそこまでは・・・と思いつつ読み進めると、最後の最後が泣けてくる。
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主の腕に惚れた大物俳優や政財界の名士が通いつめた伝説の床屋。ある事情からその店に最初で最後の予約を入れた僕と店主との特別な時間が始まる「海の見える理髪店」。
意識を押しつける画家の母から必死に逃れて十六年。理由あって懐かしい町に帰った私と母との思いもよらない再会を描く「いつか来た道」。
仕事ばかりの夫と口うるさい義母に反発。子連れで実家に帰った祥子のもとに、その晩から不思議なメールが届き始める「遠くから来た手紙」。
親の離婚で母の実家に連れられてきた茜は、家出をして海を目指す「空は今日もスカイ」。
父の形見を修理するために足を運んだ時計屋で、忘れていた父との思い出の断片が次々によみがえる「時のない時計」。
数年前に中学生の娘が急逝。悲嘆に暮れる日々を過ごしてきた夫婦が娘に代わり、成人式に替え玉出席しようと奮闘する「成人式」。
人生の可笑しさと切なさが沁みる、大人のための“泣ける"短編集。
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表題作「海の見える理髪店」の
床屋さんの描写が秀逸で
子供のころに行っていた床屋さんを
思いだし、その匂いまでしてくるような
錯覚を覚えるほどのものでした。
内容もコンパクトに床屋のじいさんの
人生をちりばめラストには切ない余韻を残しました。
他の5編もそれぞれ面白く
個人的には「空は今日もスカイ」と
「成人式」がよかったかな。