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シリーズ第一弾が面白かったので、書店に並んでいた第三弾をゲット〜(OvO)第二弾は在庫がなかったんだぜ!
第一弾はコージー・ミステリーに分類したくなるようなライトな事件ばかり扱っていたんですが、第三弾は一転してゴリゴリの殺人事件がテーマの中編二編を収録しています。
…だいぶ前に読み終わってたのに、ログ残してなかったから感想書きづらいな…(^^)
とりあえず、リビングのソファに置いてあるこの本の帯を見た母親が、「すべての婚活女子に捧げる小説ねえ…」と、思わせぶりに読み上げたのはずっと覚えてるだろうな、うん(笑)。
◉見合い相手は水も滴る◯×△?
…大学院から水族館に出向している将来有望な研究員との縁談が決まった冴子。ところが、縁談の時間に現れたのは、縁談相手ではなく◯◯◯◯だった!
時同じくして、水族館で行われていたショーの最中に某国の秘宝が盗まれ、捜査が進む中、「二体」の死体が発見される。
秘宝の行方は?そして、殺害犯の正体は?
今回も縁談どころではなくなった冴子の推理が冴え渡る!
◉神は寝ている猿
…姉(冴子)の結婚出来ないジンクスに業を煮やした妹・空美が、遂に姉の幸せの為(?)重い腰を上げた!彼女が姉に見繕ったのは、アメリカ人の探偵で、しかも日本文化に造詣が深いという中々の好感触。ところが、ひょんなことから彼の仕事に同行することになった冴子を待っていたのは、相も変わらず殺人事件だった。被害者が残した奇妙なダイイング・メッセージの謎を追ううちに、やがて第二の犠牲者が現れる。
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〇 概要
垂里家の長女,垂里冴子は才色兼備の大和撫子。小説家志望で小説を書いている彼女は,これまで,何度もお見合いをしているが,なぜか,事件に巻き込まれてしまい,謎を解くはめになる。
お見合いとミステリという異色の組合せのエンターテイメント・ミステリ
〇 総合評価 ★★★☆☆
お見合いとミステリという組合せこそ異端だが,内容はいたってフェアでまっとうなミステリ。
中編が2つ収録されており,どちらもよくできたミステリなのだが,まさによくできたミステリ止まり。第1部の方は,首飾りを解剖して何もないことを確認したペンギンの死体に,改めて隠すという古典的な隠し方を生かしたミステリ。見せ方がうまいので読める作品になっているが,アイデアは使い古されたもの。
第2部に至っては,死体の入れ替え(お手伝いの死体を麻衣子の死体に見せかけている)と,ダイイングメッセージ。ダイイングメッセージもそれほどひねったものではない。犯人が刑事という点にややサプライズがあるが,ミスディレクションになる人物がいないので,そこまでの驚きもない。
トリック・プロットは陳腐だが,設定の上手さと書き方の上手さでそれなりに読める作品に仕上げているのは,さすが山口雅也というところか。★3で。
〇 サプライズ ★★★☆☆
よくできたエンターテイメントではあるが,サプライズ要素はあまりない。第1部では,見合い相手の鯨井がミスディレクションになっているが,真犯人が海野と分かっても,それほど驚けなかった。第2部は,犯人が清野刑事であることはそれなりに驚ける。お手伝いの矢沢理香が,麻衣子に見せかけられて殺害されていたという点もそれなりに驚けるのだが…フェアなミステリだけにそこそこの驚きでしかない。★3。
〇 熱中度 ★★★☆☆
中編二つ。どちらも楽しく読めるが,先が気になってやめられないというほどでもない。
〇 インパクト ★★☆☆☆
お見合いとミステリという組合せのインパクトはあるが,シリーズ三作目ともなると,そのインパクトも薄れがち。内容は,お見合い要素以外はいたってシンプルなミステリ。
〇 読後感 ★★★☆☆
軽いエンターテイメントであり,悪くもないがよくもない。
〇 キャラクター ★★★☆☆
垂里一家のキャラクターは面白いし,服部家やトーキョーサムなど,それなりに魅力的なキャラクターが出ているのだが…。垂里冴子シリーズと日本殺人事件シリーズのキャラの共演といっても,どちらもマイナーすぎてあまり盛り上がらない。そこそこ
〇 希少価値 ★★★☆☆
かつて,テレビドラマになったこともある垂里冴子シリーズだけど,さすがにマイナーだろう。これは,将来的に手に入らなくなる可能性がありそう。取っておきたい。
〇 メモ
〇 登場人物
〇 垂里一路
垂里冴子の父
〇 垂里好江
垂里冴子の母
〇 垂里空美
垂里冴子の妹。デザイナーや女優を目指し奔放な生活を送る。
〇 垂里京一
垂里冴子���弟。浪人生
〇 その他
〇 琉球嫁取重宝録
古文書。九州の垂里家の本件に代々伝わってきたもので,平安時代にお見合い相手の財産目当ての奸計を見抜いた娘が,そのために相手の恨みを買い,末代まで縁談が調わないという呪いを受けたと記されている。
〇 第一部 見合い相手は水も滴る〇×△
鯨井満寿夫という環境生物学者で,現在は観音水族館で飼育員をしている男性と冴子が見合いをすることになった。水族館でお見合いをすることになったが,縁談の日は,南海の楽園インファント王国=日本友好親善30周年記念…インファント女王の首飾りを付けた愛度折る歌川エリカが来館というイベントを行っており,大混雑。ゆっくりした縁談ができず,お見合いの場には,喰い助というペンギンが出てくる始末。その上,インファント女王の首飾りが消失する事件が起こる。
容疑者は元水族館職員だった鯖江孝造。鯖江は水族館のバックヤードに逃亡するが,水族館のバックヤードでは喰い助というペンギンと鯖江の死体が見つかる。しかし,インファント女王の首飾りは見つからない。
犯人は,獣医の海野だった。海野は,たまたま喰い助が首飾りを飲み込む姿を見て,喰い助から首飾りを取り出そうとしたが鯖江に見つかり,鯖江を殺害してしまう。海野は一度解剖し,何もないことを確認した喰い助の死体に,再び首飾りを隠していた。冴子の推理もあって,海野が喰い助の死体を水族館外に持ち出そうとしているところをを逮捕しようとしたが,同じように海野に疑いの目を向けていた鯨井が,海野を殺害してしまった。
〇 第2部 神は寝ている猿
垂里家は,これまでと異なり,空美のツテを利用してお見合いをしようとする。そこで紹介されたのは,空美の友人,服部笑窪の知人である私立探偵トーキョー・サム。
冴子は,執筆している小説の取材も兼ねてサムと見合いするが,またしても事件に巻き込まれる。サムに浮気調査を依頼していたクライアントであるウェアリン大佐が死体で発見される。ダイイングメッセージが存在した。殺害現場は放火されてしまう。
続いてウェアリン大佐の義理の息子である真司の死体が発見される。
真相は,ウェアリン大佐の妻麻衣子と清野刑事の共犯。お手伝いの矢沢理香が,麻衣子に見せかけられて殺害されていたのだ。ダイイングメッセージは「刑事」を意味していた。
事件に巻き込まれたことも関係するが,冴子はサムと笑窪の間の微妙な関係に気付いていた。冴子のお見合いはまたしても失敗に終わってしまった。
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やーおもしろかった。 読み進めると、結構グロいシーンもあったけど、どうやら、クロスオーバー作品らしく、そちらの作品(トーキョーサム)も購入してしまいました(。・m・)クス 解説を読んでさらに、ふむふむほーほー。 なんとドラマ化されていたそうで、冴子さんは若村麻由美!ん〜いいんだけど、わたしはやっぱり檀蜜だなぁ。 この作者、もっと追いかけていくつもりです☆