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ぱないの。
2015/03/21 05:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
うむ、ぱないの。この最強のツーマンセルぱないの。例によって真宵ちゃんはあまり出てこず、暦と忍の会話が周りがどーなってもずーっと繰り広げられる。でも、忍の変化が一番感じられるのはこの傾物語。
危険を示す赤信号で世界が満たされたときこそ、いつもより安全な時間であり、逆に安全を示す青信号で世界が満たされたときは、世界のどこよりも危険な場所が出来上がってしまうっていう言葉に妙に感心してしまいました・・・
2011/11/19 20:28
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻末の出版予定表通りにきちんと出ている西尾維新の「化物語」シリーズの最新刊(実際には、私の読書が追いついていないだけで、既に書店の棚は『囮物語 第乱話 なでこメドゥーサ』で埋まっています)。副題に〈第閑話 まよいキョンシー〉とあることで分かるように、今回解き明かされるのは迷子の小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)の人生です。
データ的なことを最初に書いておけば、書き下ろしで、全30章+あとがきという構成になっています。装幀関係者の名前を書いておけば、
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BOOK & BOX DESIGN VEIA
FONT DIRECTION SHINICHI KONNNO[TOPPAN PRINTING CO.LTD]
ILLUSTRATION VOFAN
本文使用書体:FOT・筑紫明朝ProL
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といつものメンバー、いつもの字体。出版社の HP には
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100パーセント修羅で書かれた小説です……。――西尾維新
“変わらないものなどないというのなら――運命にも変わってもらうとしよう”
迷子の小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)。阿良々木暦(あららぎこよみ)が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは――!?
<物語>史上最強の2人組(ツーマンセル)が“運命”という名の戦場に挑む!
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
君の影、探してまよう帰り道。
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とあります。頁数はそこそこありますが、中身は決して重過ぎることはないのでさらりと読み終えることができます。ですから、ストーリではなく人物紹介をしておきます。
まず、この巻の主役、八九寺真宵です。すぐ迷子になる少女は、毎日無事に家に帰っているんだろうか、服が汚いとか臭う、という文章はないので家には帰ることができているんだ、とは思います。10年前の母の日に、離婚したために離れて暮す母のところに行く途中、交通事故に巻き込まれたことが今の彼女を生んだといっても過言ではありません。
忍野扇は高校一年生で、暦の後輩となる15歳の女の子です。小説の中で、彼女は交差点における3秒間の赤信号同時点滅のことを阿良々木に教えたりしますが、ほかに大きな働きをするかといえば、そうではないのが肩透かしです。ストーリーに全く関係ない、こともありませんが、でも話と切り離せるという不思議な少女。忍野メメの姪のようでうが、あまりはっきりしません。もしかして、単なる頁稼ぎ? そんなことを思わせる存在です。
忍野忍は、元キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという、見た目は八歳の可愛らしい少女ですが、実際は五百九十八歳と十一ヵ月、老練にして老獪な吸血鬼です。阿良々木暦を不死身にしたキーマンであり、暦がいるところに彼女の影あり(極めて論理的に説明できます)といわれる、『化物語』以来、登場し続ける、今のAKB48のオリジナルメンバーみたいな存在です。このあとで触れる斧乃木ちゃんと犬猿の仲という間柄。
斧乃木余儀こと斧乃木ちゃんは、陰陽師・影縫余弦に使役される式神です。無表情な、それでいて可愛らしい童女です。初めて登場した時は、台詞の最後に必ず「僕はキメ顔でそう言った」とつけていたので、てっきり可愛らしい男の童子だと思っていたのですが、あれ~、女の子だったの? 驚きではあります。ちなみに、ブラック羽川、こと羽川翼は、六歳のときはロリ羽川と呼ばれていました。え~?
維新の小説には、楽しい明言(迷言)出てきますが、この巻では
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危険を示す赤信号で世界が満たされたときこそ、いつもより安全な時間であり、逆に安全を示す青信号で世界が満たされたときは、世界のどこよりも危険な場所が出来上がってしまうという矛盾――危険信号というのは度を越してしまえば安全地帯を作り、その反面、安全信号が度を越してしまえばただの無法地帯を作り、三秒どころか一秒だって生存することは難しくなるのです
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という言葉に、思わず頷いてしまいました。私の次の維新評は、2011年3月発売予定、と巻末に掲げられ、予定通りに出版された『花物語 第変話 するがデビル』になります。
後半の展開は衝撃的
2011/01/30 23:26
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
西尾維新作「化物語」シリーズの第2期シリーズの3作目。
この2期シリーズという表現が正確かどうかはともかくとして、主要登場人物に焦点を絞った○○物語において、本作は浮遊霊の八九寺真宵をヒロインにしている、八九寺作品第2幕。
概要としては、ふとしたきっかけから、タイムスリップすることとなった主人公・阿良々木暦と忍野忍が、10数年前の世界で、現実世界においては交通事故死している八九寺の「死を回避するため」に奔走するというもの(車にはねられる八九時を助けるという目的)。
物語においては、当然に八九寺は登場しているものの、実際には殆ど描写されておらず、実質的なヒロインは忍野忍という、本題と内容が一致していない奇妙な作品になっている。
本作の読みどころは、後半部であり、本作の表紙や煽り文句から後半の展開を読めた読者はいないのではないかと思うくらいに、後半は驚きの展開をみせている。
化物語シリーズファンにはたまらない展開であるし、西尾維新ファンにとっても、「これこそ西尾維新の真骨頂」と確信させるストーリーだと思う。
個人的には、忍野忍ファンなので、本作はとても楽しんで読めたし、アニメ化作品を見たことのあるファンにとっても、ビジュアル面での脳内補完(笑)が可能であろうから、より作品を楽しく読めると思う(私自身アニメ版を見ているので、余計に楽しめました)。
敢えて難点を述べるとするならば、毎度のことながら話の引用として、現実の漫画作品やアニメ作品からの引用を多用する著者だが、本作では、タイムスリップの定義などの下りで、それがやや鼻に付いた感じがする。いつものことだろう、と言われればその通りではあるけれど、流石にくど過ぎた感が否めない。
それ以外では特に気になることはなかったかな。
評するに、化物語シリーズは「100%趣味で書いた」という著者の戯言を真に受けている人であればあるほど、プロの本気が垣間見られる一冊であると言える。
繰り返しになるけれども、物語の本番は、後半から。
正直、後半の物語を掘り下げるだけでも、もう一冊本が出来上がるくらいに密度の濃い話だと思う。