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宣伝を中心に、ジブリ作品をもう一度振り返ることが出来る一冊。初期作品が好きだけど、それぞれに込められた思いを知った上でもう一度鑑賞したい。
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・映画宣伝の6つの手段
①配給宣伝 ②製作委員会の自社媒体を使った宣伝 ③タイアップ ④試写会 ⑤パブリシティ ⑥イベント、キャンペーン
・宣伝というと、東京中心、大きなメディア中心でものを考えがちだが、地方を回りながら、一つ一つ丹念に種まきをしていくことも大切
・作る、伝える、売るの3つの要素が一体にならないとヒット作は生まれない
・宣伝費+広告効果=配給収入の法則
・制作する人、宣伝する人、興行する人が、その作品の本質を理解し、一致団結して一つの方向に向かうための旗印が「キャッチコピー」
・宣伝とは仲間を増やすこと
・宣伝しない宣伝という手法もある
・タイトル、コピー、ビジュアルの3点セットのバランスを必ず考える
・チーム鈴木には、文化祭の実行委員会みたいなノリがある
・新しい人と出会いながら、集団でものを考えていくのが好きなんです。いろんな意見が飛び交う中で、思ってもみないアイデアが出てきて、それを実際の現場で試していく。そういうふうに仕事をしていると、みんなが自分の新しい面を発見して、人間的にもどんどん変わっていく。
・映画、音楽、出版において、人々の興味が細分化し、小ぶりな作品が多くなっている。あらゆる大衆娯楽から大作や国民的ヒットが出なくなった。
※世渡り上手でおいしいところはもっていく博報堂の藤巻さんが憎めないキャラとして存在感があった。
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ジブリ映画をヒットさせた鈴木氏の著書。関係者側から見た鈴木氏の印象も書かれている。関係者によると、鈴木氏は言葉数少なく、また暴言をよく吐きすぐに手が出るという内容が多々あり、驚いた。鈴木氏側の話だけを見ると、彼は温厚で真面目な人だという印象を受ける。「映画は金をかけて宣伝すれば必ずヒットする。金をかけるほどヒットする。」という黄金の方程式を作った鈴木氏。世の中に流行らせるには、皆に周知してもらうというきっかけを金でつくらねばならないのだ。本書の中で、ホームページで制作日誌を毎日更新するという内容がある。そこで鈴木氏は「ファンの人に、制作スタッフの一員であるかのように感じてほしかった。」と話している。これは私の仕事でも参考になりそうだ。
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映画の裏側を赤裸々に綴る.しかし,提示された方法論が決して一般論ではないだろうことも,そして一般論になり得ない社会情勢になってしまった点も問題提起される.かつて三島由紀夫が言及した大衆の幼児化の表層化が芸術域でも起こっている現実にゲンナリする.
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ジブリが好き、もしくは広告の世界が好きなら楽しめるであろう作品でした。そして、熱い!!男くさい!!
無駄な情報や作品自体のメッセージはほぼ届けず、「どうやって私はジブリ映画を売ってきたか」をある意味淡々と、でもとても感情的に伝えてきてくれた本でした。
私はジブリの作品と育ってきた世代だけど、作品そのものだけじゃなくて広告や広報手段もあらゆる変化があったことを知った。キャッチコピーがどうやって決まっていったかが、個人的にはすごく面白かったなぁ。
ジブリ作品と共に成長できたことを、とても幸運に感じます。
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ジブリ映画の宣伝なんて「新しい映画、作りました」と言えばそれで済むじゃないか、と思ってた。
でも、『もののけ姫』の時も『千と千尋の神隠し』の時も鈴木敏夫プロデューサーは闘っていた。いつだって闘っていた。面白くない訳がない。そんな1冊でした。
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今年ベストな一冊決定の本。ジブリの鈴木プロデューサーが、初めて映画の宣伝を手がけたナウシカから、現在に至るまでの名だたる傑作を、いかにしてヒット作に導いてきたか。その苦心と努力と奇跡と友情と泥臭さが圧倒的な熱量で伝わってくる名著だと思う。
ナウシカから30年もの間、日本の映画史どころか社会史に刻まれる傑作を放ち続けてきたスタジオジブリ。高畑さんの高尚で深い芸術性、宮崎さんのエンターテイメント性、そしてそれら2人を抱えるスタジオジブリが『映画を作り続けるためには、映画をヒットさせねばならない』という目的をもとにひたすら奔走し続けた、鈴木プロデューサーの商売魂。
この3人と、それぞれを支えた制作スタッフ、宣伝スタッフの総力の結集あってこそ、この30年もの間、日本人が世界に誇る『スタジオジブリ作品』を享受し続けてこれたわけで。とりわけ84年生まれの自分にとって、トトロから劇場で観てきたし、もののけ姫あたりからはほぼリアルタイムで劇場公開時のプロモーションに触れてきたわけで、その裏側にはこんな事があったのかと知る事が出来て面白く、またその全てがスタッフの努力の結晶によって実現されたものだと知る事ができ、感涙ものであった。
広告、宣伝、映画、好きならもちろん、チームでの仕事に携わる人はとても楽しめるはずの一冊。
※また本書は本編は、鈴木さんの語りを共に別のライターが書かれてあり、あとがきのみが鈴木さんの文章。
実はもともとの鈴木さんの印象が個人的にはあまり好きではなかったが(なんというか、冷徹な商人の塊、的な勝手な印象。。)、本編を読むととても熱くてパワフル、仲間想いな人だなぁと好印象を持った。
が、あとがきは急に文体がドライになってて、そういうことかぁと思った。笑
やはりそうでないと、高畑さん、宮崎さんに囲まれたなかで、30年もヒットを飛ばし続けるなんてやってこれないよね。
勝手な印象だけど。。
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いやー。鈴木さんやり手だわ…さすがです。
数字を読む力。時代の気分を読む力。
映画作りって博打だな。
この人がいたから、宮崎駿ものびのび作品を作ることに専念できたんじゃないだろうか。
この本出したタイミングとかも、いろんな宣伝効果をしっかり図ってのことなんだろうなぁ。展示とかレッドタートルとか。
ジブリ好きにはたまらない、熱いジブリの軌跡。
もののけ姫の件は、実感を伴ったなるほど!だった。
宣伝って奥が深い。
まだ観ていなかったジブリ作品を観たり、漫画版のナウシカを読み返したりしたくなった。(これも宣伝効果だなとはたと思い至り、鈴木さんのニヤリと笑う顔が頭に浮かんだのでした。)
レッドタートルも観たい。
こうしてみると改めて、糸井さんのコピーはすごい。
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二人の天才に囲まれたプロデューサーの記録。溢れる才能と、天才ゆえの欲望に翻弄されながら、一方で巧みにコントロールしていく手腕と情熱、智謀。
タレントマネジメント、という言葉があるが、才能をマネジメントするという意味では、これこそがタレントマネジメントだと。
合間に挟まれる関係者へのインタビューからは、才能と智謀に翻弄される「普通」の人の戸惑いと喜びが伝わって来て、なかなか興味深い。
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2016/10/11:読了
鈴木さんは、徳間のアニメージュの編集長をやりながら、ジブリ映画の企画・広告を取り仕切っていた。
高畑さん、宮崎さんの映画に対する信念と、映画の興業をどう折り合いをつけるか、そのうえで、どう観客を動員したかが、よーく分かる本。
読みやすく、理解しやすい。
映画広告という面でも、画期的だったことがよく分かる。
最初から最後まで新鮮さが途切れない、すごい本だった。
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ジブリファンにとっては最高に面白い内容だった。
ジブリは作品自体が素晴らしいのは勿論だけれど、鈴木さんという一流のプロデューサーをはじめ色々な人がいたからここまでの映画になっだということを知ることができた。
鈴木さんも宮崎監督も信念を曲げないで 映画を作り続けているところに感動。
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宣伝の本質は、歩いて回って仲間を一人ひとり増やしていく作業なんです。
マスコミに広告を出すことは手段の一つに過ぎない。
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鈴木敏夫がどのように映画を宣伝したかという仕事の記録。筆者の考えとして、あくまで作品を尊重する(宣伝のために作品を曲げない)が、ヒットには、作品、宣伝、流通が必要とのこと。宣伝と流通がうまく行かなかったから失敗した、という経験談も語られている。事業のためには作品だけではダメだ、というのはよく言われることだが、それの実例として参考になる。
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ジブリの宣伝にまつわる話。
かぐや姫と、風立ちぬに至るまで。
宣伝ってやっぱり恥ずかしがってやるもんじゃねーな。って思う本。ドンドンやってけ。
やっぱり仕事ができる人やから、監督の作り出す映画に魅力があることがわかってて。ほんでもって作品に惚れとったんかなあと、勝手に思う。
けど、商売は商売。馴れ合わん。みたいな感じで芯が通ってるのが良い。
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六本木ヒルズで催された「スタジオジブリの大博覧会」を意識していることは間違いなく、
同展示会の解説書のようなものに事実上、なっていると思われる。
映画の宣伝論として、たいへん面白い内容であるし、
合間に挟まっている東宝の歴代宣伝担当のコメントも興味深い。