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宮本常一さんの「忘れられた日本人」を
思いました
身も心もたっぷりとさせられる労作です。
人が生きているということ
人が生きてこなければならなかったこと
語り尽くせぬ重いを
見事に聞き出されておられる気がします
確かに
それぞれのお人にお会いして聴き取られたのでしょうが
聴き手である橋口さんがすっかり消えて
そこにいらっしゃる
日本には戻らないけれど
身体の芯から日本人である
お一人お一人に
逢わせていただいた気がしています
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時間をかけて書かれた、丁寧な内容のレポート。インタビューを基にしているが、行間に著者の思いが溢れている。
文体は重たくないのに、重厚さを感じた。
深いところに届いてしまったので、読後感が爽快ではない。
大変な人生でしたね、とか、それなりに良かったのでは、で終えることができず、やや苦しい読書となった。
祖父母や親から断片的には聞いており、映像や本で追体験しており、一般レベルよりは戦争、その影響について知識があると思う。
が、実体験として第二次大戦前中後の空気を知らない年代の私には、なかなか理解しがたい部分もあった。
覚悟して読むべき作品。
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戦後、日本へ帰国しなかった人。帰国できなかった人。一時帰国をしたけれど、結局出国した人。さまざまな理由で戦前から海外に住み続けてる人たちのインタビューがまとめられている。シベリア抑留、慰安婦などの話も。
インタビューとして掲載されているのは10人分だが、巻末にはほかの数人の写真も載っている。キャプションには名前、年齢、出身地が書かれているが、2名「不詳」の人がいる。うち1人は韓国に住みつつも、日本語も韓国語も話せないらしい。どうやって生きてきたのかが知りたいが、それを聞き出す方法もないのだろう。
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戦争を生き抜いたひとによる「聞けわだつみの声」。楽天家であれば大変でも生き抜ける。南へ向かえばもっと生きていける。2021年のマイベスト書籍になるか?