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救国のイージス
2010/10/22 19:19
12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
つい最近まで「諸悪の根源はアメリカであり、アメリカの基地を日本から無くすことが平和への第一歩」みたいな、完全に間違った主張が大手を振ってまかり通っていた。丸山真男なんか死ぬ直前まで「北朝鮮は悪くない」と言い張っていたし、「中国は一衣帯水の友人であり仲間。アメリカを日本から追い出して東シナ海を友愛の海にしよう」などという現実をまるで無視した妄想を語る人が首相の座にあった。しかし、こうした中共のスパイとしか言いようのない連中の跋扈を木端微塵に打ち砕いてくれたのが、先ごろ尖閣諸島で、その獰猛で悪辣なる本性を現した中国政府である。中国がナチスドイツ顔負けの獰猛な侵略性をあらわにし、尖閣諸島はもちろん「沖縄諸島全部が元々は中国領だ」と言いだすに及び、多くの沖縄県民は目が覚めたことだろう。「このままサヨクに騙されていたら危ない」と思ったことだろう。
本書は日本の海上戦力の中核に位置するイージス艦のすべてを解説した本である。イージス艦とは米国が開発したイージスシステムと言うSPYレーダーを中核とするレーダー探知システムを搭載した駆逐艦のことだという当たり前のことを、実はほとんどの人が知らない。戦艦、空母、駆逐艦という船型とは別にイージス艦という別カテゴリーの軍艦があると思い込んでいる人が多い。こういう人たちにこそ、是非本書を読んでほしい。
日本はすごい国だと思う。「周辺諸国の脅威になるな」「防衛費はGDPの1%以内」などという他国ではまず考えられない奇妙キテレツな自己規制を強いつつも、世界有数の巨大海軍を整備し維持しているのだから。イージス艦を世界で最も大量に保有しているのが米国(米国が保有するすべての駆逐艦はイージス艦で77隻)だが、その次が6隻を保有する日本で、以下、スペイン(4隻に更に2隻追加予定)、韓国(1隻に2隻を追加予定)、ノルウェー(5隻)、オーストラリア(3隻を予定)と続く。ただしスペインとノルウェーは米国や日本のものに比べレーダー機能を大幅に落としたものだし、韓国は異様な武器搭載量を誇るものの、その分外洋航海能力を犠牲にし、レーダーの能力も落としている。要するに本物のイージス艦を現在保有しているのは米国と日本だけとうことになるのだ。
どうして世界で限られた国しかイージス艦を持てないでいるのか。それはまずアメリカが輸出を許すかどうかが大きな関門となっていることと(アメリカの覚え目出たい国でないと、そもそもアメリカからイージス艦を買えない)、巨額の軍事予算を出せる金持ち国でないといけないということだ。イージス艦は1万トンくらすの「あたご」で1500億円、9500トンくらすの「こんごう」で1300億円もする。こんな高価な船をそもそも買える国が少ないのだ。
それにしてもイージス艦の能力はすごい。何よりすごいのはイージスシステムが持つ防空能力である。SPY-1は強力な電磁波を出して最大半径500キロ内にいる敵を探知し、探知した敵を攻撃する優先順位を自動計算して順次攻撃できるというのだから。そのあまりに強力な電磁波故に、イージス艦のレーダー波を浴びたカモメが黒焦げの焼き鳥になって海に墜落したという風説があったが、これは嘘なんだそうだ。
イージス艦の肝は、その索敵能力にある。そして一旦敵を探知すると、その豊富な攻撃手段により100発100中といわれる攻撃を行って敵を撃退できるという。その攻撃対象は的戦闘機、敵爆撃機はいうにおよばず、敵ミサイルや敵潜水艦にも及ぶ。その偉大なる能力を持った軍艦を我が国は6隻も持っているのだ。これではシナ人もちょっとやそっとでは尖閣には手は出せまい。本書を読めば読むほど、日本の海上自衛隊ってすごいなあと、あなたもきっと思うことだろう。
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