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久々に本読んだ。普通の人間になれなかった主人公が、コンビニ店員として社会に居場所を見いだすおはなし。「ムラ」に溶け込めなくて苦しんでるひとって結構いるんだろうなぁ。ムラビトでいられるってとってもらくちんだなとおもう。
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久々に読みたい!と強く興味を持って買い、一気に読んでしまった作品。
普通とは何なのかがわからない人の苦悩ってこういうものなんだ、と思った。自分自身が正常な人間だとは思わないけど、普通に人に共感する心は持っている。もし、主人公のように普通の心をたまたま持たずして生まれていたらと思うと恐い。
主人公の思考や行動すべてが奇想天外で、読んでいてとても面白かった。
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社会不適合な主人公が見つけた居場所はコンビニだった。以来18年間バイトとして勤務し続け、コンビニの為だけに働いてきた。しかし、周りの人は、様々な事を言ってきたらする。普通って何?みんなと同じように生きなきゃダメなの?結婚しなきゃダメなの?確かに社会に居ると、人は色んな事を聞いてくる。そして無用なアドバイスをしたがる人も居るだろう。そんな主人公の心の叫びを書いた本である。
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読書記録です。まだの人は読まないでね。
主人公ほどじゃないけど、私も歯車として働いていたほうが精神的にラクだと思っていた時期があったなぁ。
フラれて、ほかのこともうまくいかなくて、肉体的には疲れてるけど「必要とされている」だけ仕事のほうが少しマシかな~と。毎日をルーティンで過ごす方が気がラクだった。ほかのことを考えずに済むから。
ここまではこっち側の人間にもあることだけど、いつか抜け出したいと心のどこかで考えるのがフツーなんだろうな。
「必要とされている」場所がコンビニ店員であるというひとつしかないあっち側の主人公。
今は理解できないけど、私も「必要とされている」ことがなくなっていったら、あっち側に限りなく近いこっち側で生きていかなくてはならないかも…そう考えるとこわい。
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第155回芥川賞受賞作。主人公は、、18の頃からずっとコンビニバイトで生きている、36歳独身の女性、古倉。死んだスズメを悲しむ周囲の気持ちが理解できない幼少期の体験などが描かれており、自分が世間とズレてしまっている、修正しなければならないという気持ちを抱いている。家族に迷惑をかけないよう、周りと話さないように努めることを合理的な処世術として、18歳まで生きてきた。
ここまで読んだとき、「あぁ、なんとなく世間とのズレを感じて溶け込めない主人公にどこか共感するような小説なのかな」と思っていた。ズレを感じつつ、自分を維持しつつ、だんだんと社会性を回復していく・・・といった感じの。
しかしながら、どうも様子がおかしい。相手の言動をコピーすることで、自分が異物にならないように努めるのだが、ベストなコンビニ店員になることにすべてを費やし、社会の正常な部品になることを志向する。そうして、「人間ができている」と安堵している。彼女という人間が誰なのか分からず「コンビニ人間」のタイトルそのまま。読んでいて、面白いような、不気味なような、それでいてどこか共感できるような気分になる。
バイトの人間とも、主人公の視点からは一見うまくいっているように見えるのだが、ある男の登場により、自分がどう思われていたのかがぽろぽろと明らかになってゆく。マニュアルをきっちりこなしてきて素晴らしいコンビニ店員になっても、それでは世間でどうにもならないことが降ってくる。
やがてコンビニを辞めてしまった彼女は、マニュアルを失ってしまうことで廃人同然の生活を送るようになってしまう。彼女はどうやって生きていけばいいの?と思ったところに、胸を打つ結末を迎える。そんな小説。
人によっては気が付くのかも知れないが、私は、古倉が自分の思いと裏腹に変人扱いされていることに、全く気が付かなかった。完全に共感をしてしまっており、うまくやっているなぁ、むしろ上手くやっていて羨ましいなぁくらいの気持ちで読んでいた。
ラストにしても、最終的に自己の人間性を否定して私はコンビニ人間だと言い張る古倉が、羨ましく見えてしまった。私だって、全うな人間になりたいという漠然とした思いはある。それなのに、人間性を捨ててコンビニ人間という動物になる古倉を見て、ハッピーエンドのように感じてしまった。自分の手を胸元で抱きしめる彼女(p.150)に、理由の分からない涙が出(そうになっ)た。
もちろん、あまりにも悲しいラストではあると思う。古倉の親や妹は、一生異物として生きる彼女をどう思うか。彼女のような人生を志向するのは、全うな人間になることから逃げているのではないか。一種の自殺のようなものではないか。そう思うように努めたいとは思っている。
それなのに、自分がマニュアルを遵守して、やりがいを感じて、充実感をもって仕事をしていた頃のことが鮮やかに思い出されてしまう。この小説に悲しさを感じつつもラストの古倉が非常に明るく見えるのは、私にとって体の良い逃げ道として魅力的に映っているからか。それとも、それが一つの正解だからなのか。・・・私は一体どうすればいいのか。
きっと、古倉に共感する人に���っては安堵や戸惑いや痛みが次々に降ってくる、あまりにも残酷な物語なのだと思う。自分の身近な人や大切な人が、この物語に共感していないことを、祈っている。
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インパクトのある内容だった。暫く主人公の名前も明かされず、彼女にまつわるものが記号に思えて来る。
恐らくちゃんとした病院に行けば、病名がつきそうな気がするが、、
世にもこれだけ受け入れられたということは、少なからず周囲になじもうと悩みを抱えた人が沢山いるのでは。
誰かと同じ話し方、振る舞い、外見をしていれば「異物」扱いされず、社会の一部品として機能できるという安心感。それを主人公に伝えたい気持ちになった。
思えば人もコンビニと一緒かもしれない。人や商品が入れ替わりながらもコンビニが「変わらず」在り続けるように、一日に身体中の細胞の1%、数十兆個が入れ替わっても変わらずその人で在り続ける。
組織を正常に機能させる為の異物を排除する仕組みも考えさせられる。そして身体の場合は、異物が排除されなくなったら病んだり死に向かったりするのだろう。
最後は主人公が自分なりに居場所を見つけて再出発する物語、と思いたいが、読後に切なさと闇を感じさせる話だった。
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世の中で言われている「普通」、「ちゃんと」ってなんなんだろう。周りに合わせることがそのこたえ?
30歳をこえたコンビニ人間が1人の男と一緒に住み始めたことを契機に、周囲の人間たちが世にいう普通の世界の仲間入りを果たしたことに喜びをあらわしてくる。
今まではバイト先の関係だった人たちが、バイト先以外の昔からの知り合いだった人たちが、ただのオス、メスと化していく。
自分の居場所、あり方とはなになのか。
自分って普通なのかとふと考えたくなった。
タイミングに合わせた道を歩んでいかないと、周りの人は自分とは違う世界の人だと排除していく。
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おもしろかった!
差別している人間の表情〜優越感の混ざった恍惚とした快楽でできた液体に目玉が浸り〜…とか、自分が傷付けられる事には酷く敏感なのに、人を傷付けるのには驚くぐらいに鈍感な人間〜被害者意識は強いのに、自分が加害者かもしれないとは考えないと思考回路〜…とか、
それに友達の旦那やバイト仲間の気持ち悪さ。
いちいち描写がリアルで秀逸でゾクゾクした。
これはハッピーエンドだと思う。
細胞レベルでその仕事を求めるなんて、だって、もう天職でしょう。
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2016年後期の芥川賞受賞作 「コンビニ人間」 村田沙耶香
(ネタバレありです、お気をつけ下さい)
昨今の純文学小説は、社会に適応出来ない自我・自己の苦しみを書くものが本当に多い
そこに日本社会の典型の、横並び、気遣い、空気を読む、の要素を入れながら。
しかし今回の小説の新しいところは、いままでの小説のような結論にしなかったところである。
最後主人公の彼女は、コンビニに戻っていく。ある意味毅然として、あるいは夢中になって。
社会の規範を理解出来ずに、コンビニの規範だけを理解できた彼女。そこに適応することで、自分の居場所を見つけることが出来た。
だから、そこを出た瞬間に、拠り所を失ってしまい、無になってしまい、コンビニに戻る。
身体に染み付いてしまった「コンビニ」は、
それは、もう「自己」なのか?
コンビニ最適化を図ることはもう「自己実現」なのではないか。
あるいはそれは、社会不適合者が喰らう「麻薬」であり、溺れるものが掴む一本の藁であり、いずれ彼女は沈んでしまうのか。
どちらなのかは、読者に委ねられているのだと思う。
ただ安易に、
不適合者が不適合を貫いて、それでも認められて成功したり、
あるいは不遇の死のような結末にして、ある意味突き放したりしている作品と比べると、
より深く人間性を見つめていると思うのである。
そこにそう言った逸脱者に対する、作者の
肯定的な暖かい目を感じるのだ。
それが、芥川賞の受賞理由なのではないか?
念のため。
小生、まだ、芥川賞選考委員の言葉は読んでいない。
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村田さんの作品って、
パラレルワールドにおけるブラックユーモアが、
現実世界でブラックジョークとして突き刺さり、
異質の中に現実を、現実の中に違和感を感じて、
それが、読者に、何かしらを訴求してきますが、
本作品は、そぅいう点では、小粒だったかな~?
内容的には、
ボクは、多少の「わかる感」もありましたが…、
そこを突き抜けた先(作品の終盤)までくると、
キモイ感↑、でも、結末はスッキリ感も…?
ただ…、そこから訴求するモノはなかったので、
やっぱり、既作品と比べると、小粒かな~?
もろもろ、既作品と比べると、
クレイジー沙耶香の本領発揮とは言えませんが、
芥川賞的には…、この位がいぃんでそぅかね~?
でも、
純文学にしては、読みやすぃ作品だと思います。
(芥川賞受賞作品は、結構、読了できなぃので)
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今や誰もがコンビニを使うのが当たり前で日常生活の一部になっている所が舞台になっているのでとてもリアル感があります。
主人公も何処にでもいる女性でありますが
本当は自分は何処か欠けている人間で普通ではないと思い、
それをコンビニの例えとして表現しているのがとてもユニークだと思いました。
その一方でも婚活目的の新入り男性が現代の人達を
縄文時代の人と例えているのが随分極端でもありますが
意外と的を得ているので思わず納得してしまいました。
人は何を基準にして普通か普通ではないかと判断するのか。
それは見かけだけではなく、
性別、学歴、職業、経歴などだけではなく、
もしかしたら生活の中や会話の中などの日常生活の中で
知らず知らずのうちに無言で判断して
仕分けをしているのだと思ってしまい怖さを感じました。
何が人として普通なのか普通でないのかは
誰が決めるでも無く、
何が本当に正しいとかも無く、
みんなが各々に合ったものであれば
それが一番生き生きしている生き方ではないかと改めて思えました。
それにしても身体のあらゆる細胞までにコンビニに満たされて、
これだけコンビニを愛しいるとなると
コンビニ業界の方冥利に尽きると思います。
コンビニを通して現代の社会の縮図が見えるようで
とても読みやすく分かりやすい作品でした。
これをきっかけに村田さんの他の作品も読んでみたくなりました。
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「普通」とは何なのだろう?
社会には、ルールや一定の基準がありそれに適合しない人を排除しようとする。
主人公(古倉)は36歳で未婚のコンビニアルバイト店員。妹・親・友達は、結婚していることや就職していることが当たり前と考えていて、彼女に彼らの普通を押し付けてくる。そのような彼らの普通にうまく適合して、コンビニ人間として古倉は生きていたが、白鳥という人物によって状況が一変する。詳細は是非本文を読んで欲しいのだが、白鳥との利害関係の一致により、古倉は「普通」になろうとする。けれどなれなかった。
古倉が最後に発した「私は人間である以上にコンビニ店員なんです。」これは、心に響いた。自分の人生は自分の人生であって、他人の人生ではない。一人一人の価値観は違うから、それを受け入れる心も必要なのではと考えさせられた。
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面白いけど怖い、気持ち悪くもある。身近でリアルで現代的。軽くて読みやすくて二度読んだ。
幼少の頃から周囲に溶け込めず、端から見ると異常な行動ばかりしている主人公。コンビニでアルバイトをするようになってからはマニュアル通りに行動する、周りの人を真似る、共感したような言動をすることで周囲に溶け込んで安定と安心を得る。
みんな多かれ少なかれ同じようなところがありますよね。自分で考えるよりマニュアル通りにする方が楽です。適当に周囲に合わせておくのが楽です。異常/異質と描かれている主人公と大差ないです。
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希望を言うなら、社会不適合者を描くのであれば、就職とか結婚とか社会的属性はどうでもよくて、もっと根っこのところをつきつめてほしかった。
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クセ!
人のクセが、目に浮かぶように描かれていて、
夢中ですらすらと読めた
こんな場面ある!という場面がたくさん出てきた
主人公の捉え方、答え方がおもしろい
意味のある生き物になれるんだったら
コンビニだってバイトだって、
素晴らしい職業だ!
実際私には色々気がつかないのできっとできない。
今の私は、今の仕事と周りの人によってできてる。
白羽さん、腹立つなぁ