紙の本
田辺聖子抄訳
2023/11/30 11:19
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
光源氏の物語より登場人物が少ないせいか、それぞれの心情により集中して読めます。相変わらずの男心に呆れるが、現代のドラマでも通用するストーリーで、当時の人達が夢中になって読んだのがわかる気がします。
紙の本
流麗な文体、典雅な挿絵
2020/11/23 20:15
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投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、過去の作品の改版、新装版などが次々と出ていてうれしい限りだが、この『新源氏物語』に関しては、挿絵がとても本文に合っているので、新装でなくてかえってよかったと思う。
古今、源氏物語の現代語訳は数多いのだが、一番自分の感覚に合っているのがこの田辺版だった。とばりの影で、恋に悩む貴婦人のため息が漏れ聞こえてきそうな、なだらかで優しい調べが、一気に私たちを千年前に運んでくれる。
宇治十帖が描き出す世界は、光源氏の活躍したそれまでの帖とは異なり、舞台も都から遠く離れた宇治川のほとりの山荘に移し、すれ違う男女の思いと、決して分かり合えない男女の種々相が、連綿と綴られて、読者も次第にその霧にまかれるような世界に引き込まれてゆく。
主だった登場人物5人のうち、男性側の薫と匂宮は、おそらく光源氏の性格を二つに分けて設定されたのではないかと思う。あまり好きではなくとも、関わった女性には経済的な面倒を最後まで見続けるという実直で、男の責任を果たすといういわば現実世界に重きを置いた「薫」と、一見移り気で好色なだけのようにみえるが、愛した女性には、自分を偽らず率直に、言葉を尽くして愛を語る「匂宮」。
女にとって、自分を幸せにしてくれるのは、堅実な生活か、長続きせずともストレートに注がれる真摯な愛情か、という永遠の命題を問いかけてくるようだ。
そのため、現実の世界と折り合いをつけなければならない薫の思いや行動は、時に女を物足りなく思わせるのは、仕方のないところだろう。
そして匂宮の愛情は、一瞬で女を夢見心地の幸せに包んでくれるが、はっと現実に帰った瞬間、女を悔恨と懊悩に突き落とす。
よく千年前に、これだけの人間描写ができたものだと感心させられる。宇治十帖は紫式部ではない、他人の作だという説もあるようだが、やはりあの光輝く前半の光源氏を作り上げた作者の、自身の環境の変化、そこから生まれる苦しみを通り抜けた挙句の成果だと改めて感じさせる。
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はじめは中々読めなくって、、、
2〜3ページ読んでは数ヶ月放置と言うのを繰り返していました、けれど、実際読み始めてみたら一気によんでしまいました。。。
ちゃんと読み始めるまでに半年くらい掛かっているのですが、学校の合間と家で読み二日間で上下読み終わりましたです。
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宇治十帖編です。
源氏の子どもってことになってるけど、実は女三の宮と柏木の子である薫が主人公。
なんだか、源氏物語を読んでると、時の流れのはかなさに涙したくなることがある。
こんな長編恋愛小説書いて、紫式部って本当すごい。
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一時古典にハマり、読み漁った。今はちょっと興味が薄れている状態なので、地元の図書館へ寄贈。2006.9.18
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主人公の薫の君のひたすらな純愛が生んだ悲喜交々なエピソードが書かれていて、愛することの難しさを思い知らされました。
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(2007.05.17読了)(2003.04.26購入)
源氏物語の第二部です。源氏物語54帖のうちの最後の13帖のうちの「匂宮」「紅梅」〜「宿り木」の8帖が掲載されています。4つ目の「橋姫」からが、宇治十帖と呼ばれるのだそうです。
光源氏は既に亡くなり、夕霧の柏木の話も、主役の座を降り、薫と匂宮が主役となります。
薫は、表向きは、光源氏と女三宮の子供ですが、実際は、柏木と女三宮の子供です。
光源氏の場合は、ブレンドした香を着物に焚き染めていい香りをさせていたのですが、薫の場合は、体からいい匂いを放つという特異体質なのだそうです。
匂宮は、光源氏と明石の君の間に生まれた明石の中宮と今上帝の間の子供です。
表向きは、薫と明石の中宮は、異母姉弟ですから、薫と匂宮は、叔父と甥の関係になります。年が近いので、遊び友達でライバルということになります。
薫は、若いのに、恋よりは、仏教のほうに興味があるようで、宇治のほうで修業している八の宮と親しくなりたびたび訪れます。
八の宮には、娘が二人いるので、八の宮は、薫に姉娘を嫁がせたいような、薫も結婚してもいいような、お互いに意志をはっきりさせないうちに、八の宮は死んでしまいます。
八の宮の使用人の中に、柏木の乳母だったひとがおり、薫に出生の秘密を教えます。
薫は、八の宮の葬儀をとりしきり、その後も、残された娘達の面倒を見ます。
そのうち、姉娘に言い寄るようになるのですが、姉娘は、妹と一緒にずっといたいと思っているので、薫を受け入れる気はありません。
薫は、寝室にしのんで行ったりしますが、同意が得られない状態で強引にことに及んだりしないので、思いを遂げる事はできません。
姉娘は、妹のほうを進めたりするのですが、薫は、姉にこだわります。
薫は、妹のほうを匂宮に嫁がせ、姉のほうにどこまでもこだわります。
そのうち姉は、死んでしまいます。
匂宮に夕霧の娘との結婚話が持ち上がり、妹のほうと過ごす時間が少なくなると、薫は、妹のほうに言い寄るようになります。
困った妹娘は、八の宮に実はもう一人認知していない娘がいることを明かします。
薫は、今度は、そちらの娘へと関心を向けてゆきます。
薫は、セックス経験がないわけではありません。普段は、使用人の中の気に入った娘と仲良くしているようです。身分の高い方々は、なんともうらやましい限りです。
八の宮の二人の娘達の、刻々と変化する事態の中で、変わってゆく心理描写が実に見事です。1000年も読み続けられてきた物語だけの事はあります。
☆田辺聖子の本(既読)
「甘い関係」田辺聖子著、文芸春秋、1975..
「絵草紙源氏物語」田辺聖子著・岡田嘉夫絵、角川文庫、1984.01.10
「新源氏物語」(上)、田辺聖子著、新潮文庫1984.05.25
「新源氏物語」(中)、田辺聖子著、新潮文庫1984.05.25
「新源氏物語」(下)、田辺聖子著、新潮文庫1984.05.25
「むかし・あけぼの」(上)、田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
「むかし・あけぼの」(下)、田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
「おちくぼ姫」田辺��子著、角川文庫、1990.05.25
(2007年5月22日・記)
(「BOOK」データベースより)
平安王朝の宮廷ドラマの華麗な覇者、光源氏の、因果応報ともいうべき秘められた業を背負って生れた、もの静かな貴公子・薫。彼を敬愛するがゆえに、その切実な求愛に応えることを拒みとおして逝った大君。運命の恋人たちの愛は、さらに変転しながら、川をくだる…。流麗な文章と巧みな構成を以て、世界の古典を現代に蘇らせた田辺版・新源氏物語、待望の完結編「宇治十帖」上巻。
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内容紹介:平安王朝の宮廷ドラマの華麗な覇者、光源氏の、因果応報ともいうべき秘められた業を背負って生れた、もの静かな貴公子・薫。彼を敬愛するがゆえに、その切実な求愛に応えることを拒みとおして逝った大君。運命の恋人たちの愛は、さらに変転しながら、川をくだる…。流麗な文章と巧みな構成を以て、世界の古典を現代に蘇らせた田辺版・新源氏物語、待望の完結編「宇治十帖」上巻。(「BOOK」データベースより)
資料番号:010656254
請求記号:F/ タナベ/ 1
資料区分:文庫・新書
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宇治十帖はよく面白くないと言われているようですが、こちらの訳だとドラマチックでとても面白いです。薫にはどこまでもムカムカイライラさせられますが、匂の宮のストレートでからりとした女好きは笑って許してしまいそうになるし、翻弄される浮舟が最後にみせた意地も「よくやった」とほめてあげたくなります。
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<源氏物語>の後半<宇治十帖>に的を絞った作品をほとんど知りません。
あまり採り上げられることのない<宇治十帖>ですが、個人的に好きな十帖ですので、大変面白く読むことができました。
※〈上〉以降省略※
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匂宮三帖から始まり、個人的にも好きな宇治十帖の幕開けです。大君は薫を拒み切って亡くなった印象が強かったので(そこが好きです)、亡くなる間際に想いが通じた…みたいな展開に「エエーッ!」と思いました。大君は「愛してます」なんて言わないと思います。ちょっと違う気がしました。著者のラブストーリー補正がかかってる気がするのですが…。源氏物語ってそんな甘い話じゃないと思うのですが。浮舟も好きなのですが、まだチラッとしか出てきてません。下巻が楽しみなようなドキドキするような。窯変好きすぎるせいか、私はどうやら田辺源氏にはモヤッとするみたいでした。本当すみません。
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源氏物語の最後の章「宇治十帖」。
青年・薫が「・・自分はどこから来たのだろう・・いったい、自分は誰の子なのだろう・・」
この言葉から物語は始まる。
「宇治十帖」の主人公薫は光源氏の実の子供ではない。
こんな悩みを持った薫の物語。
大君、中の君、浮舟をめぐり、薫と匂宮との関係、それぞれに思いが交錯し
微に入り細に入りの描写が興味深い。
時にはくどくなったり、時にはまったりしたり、また退屈したり・・と
読んでいておもしろい。
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新源氏物語の続編/宇治十帖
浮舟は下巻メイン、上巻での扱いが少しひどすぎた
源氏にも思うところは多々あったが、何故か薫のほうがいけすかない
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紫式部の『源氏物語』のストーリーを、現代の言葉で語りなおしたシリーズ「新源氏物語」の続編です。「宇治十帖」と呼ばれる巻が上下2巻に収められています。
本編以上に、平安時代の恋愛譚が現代的なロマンとしてよみがえったという印象が強く感じます。とくに、恋にややおくての薫と情熱的な匂宮が対比されていて、つい「キャラが立っている」と言ってみたくなります。
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薫が歯がゆい…。
大君はもっと堅物、中の君は派手な感じのイメージだった。
下巻からは浮舟がクローズアップされるはず。