紙の本
好奇心について好奇心を持って読んでほしい本
2022/12/31 11:14
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投稿者:ミント - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの好奇心はどう生まれるのか、大人の好奇心はどう継続させるのか、好奇心のメカニズムをわかりやすく解説してくれている。好奇心という何かを知りたいという気持ちは、自然発生ではなく自分自身で作り出すものというところから、好奇心について好奇心を持って読了した。
紙の本
『子どもは40000回質問する』
2016/08/14 20:10
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「未来は好奇心旺盛な人にだけ微笑んでくれるだろう。」p.156
教育、ビジネス、人生における「好奇心」の力を論じる好著
知識の習得を重視する根拠と実例は興味深い
原著は2014年刊の“CURIOUS”(=好奇心の強い)
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今最も必要とされているイノベーションを起こす能力やセレンディピティを得る機会は旺盛な好奇心により齎される。そして好奇心は(知識の詰め込みは自由な好奇心を阻害するという説とは反対に)たくさんの知識により育まれるものである。現代ではいくつかの深い専門性とともに、それ以外の広い分野の(決して浅くない)知識が必要で、それが創造性を齎す。インターネットが普及した現代でこそ、数クリックで得られる浅い回答ではなく、より「なぜ」を追求しましょう。ということでした。
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日本語タイトルに惹かれて(=好奇心)読んだ本。
子どもの話かと思ったら、人生の指南書ですね。
この本を読めば、「学校で何のために勉強するの?」と聞かれたら答えられるようになります。
人生を切り開くのは好奇心だなと思います。
人が楽に追い求めるものはパズルで、好奇心が続くのはミステリーという話も良かったです。
学生から大人に至るまで全ての人にお薦めできる本です。
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好奇心の効用についての本。
好奇心のベースに知識がある。知識を得れば、知りたい欲求が湧いて更に深く広く知りたくなる。それが好奇心。知識の習得に励むと好奇心を高まり、自分の世界が広がることに繋がる。
でもそもそも好奇心の無い人は、こういう本は読まないでしょうね。
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一見役に立ちそうにない事柄も含め、学ぶことの本当の美しさとは、自分だけの世界から抜け出し、自分が壮大な営みのなかで生きているのだとあらためて思い起こすことにある。私たちは学ぶことで、少なくとも人間が言葉を交わすようになってから受け継がれてきた、とてつもなく壮大な営みのなかで生きていると実感できるのだ。(p.31)
私たちはミステリーよりもパズルを重視する文化のなかで生きている。学校はもちろん、大学でさえ科学とは明快な答えのある疑問の集合であると考えている。(中略)グーグルは、すべての疑問には明快な答えがあるという大きな錯覚を後押ししている。(pp.102-103)
あらゆる疑問に対して徹底して効率的に答えを提示するインターネットは、その答えよりももっt貴重なもの、すなわち生産的なフラストレーションをもたらす機会を断ち切ってしまう。私の理解が正しければ、情報の扱いに慣れた子どもを育成することが教育の唯一の目的でもなければ、最大の目的でもないはずだ。教育とは、時間を費やすことで純粋な興味へと発展するような疑問で子どもたちを満たすことでもある。(pp.105-106)
16世紀、グーテンベルクの印刷機が原動力となり、人類の知的創造は新たな局面を迎え、庶民を主体とした革命が起きた。この類いまれな新技術は、まさに好奇心のための装置だった。印刷機は知識を素早く広め、交換することを可能にした。そして、旧来の常識を徐々に打ち崩し、新しい発想を呼び覚ました。印刷機の重要性は17世紀の初めにはすでにはっきりと理解されていたーフランシス・ベーコンは、印刷機を火薬と羅針盤と並ぶ三大発明の一つに位置付け、それは「世界のありようを根本的に変化させた」と評している。(p.122)
ウィキペディアに批判的な人々は信頼性の低さを指摘する。だが、膨大な情報を得られることを考えれば、それは仕方のない代償だろう。利用するにあたってはウェールズが提案する姿勢が理想だーあくまでも調査の第一歩として利用し、それで終わりにしないこと。秩序に欠け、反論が多く、絶えず修正しているウィキペディアの姿は、科学が進歩しる過程と重なる。それは、揺るぎない確実さを威厳たっぷりに約束する『ブリタニカ百科事典』にはみられなかったものだ。ウィキペディアは私たちに、知識が本質的に不安定なものであることを思い起こさせてくれる。(p.135)
インターネットが人間を愚かにしていると批判するのは簡単だ。しかし結局のところ、自分を愚か者にするのも、無関心にするのも、それは自分をおいてほかにない。知的努力を避ける手段としてインターネットを使うなら、好奇心を保つ方法をすっかり忘れてしまうかもしれない。反対に、インターネットを継続的な知的探索のきっかけとして活用すれば、より良い学業成績を収め、仕事でも大きな成果を手にするにちがいない。未来は好奇心旺盛な人にだけ微笑んでくれるだろう。(p.156)
確かに、好奇心とやり抜く力は学業成績を左右する重要な要因ではあるが、その効果が現れるには基礎知識が欠かせないのだ。すでに触れられたように、チェスは高度なレベルになると記憶力とパターン認識が鍵となる。ジェイムズのようなマスターは、有効な戦略とそうでない戦略を一瞬で判断できる。(p.214)
知識を積み重ねることは充実した長期記憶を構築するために必要であって、時代遅れでもなんでもない。知識こそが、私たちの洞察と創造性、好奇心の源泉なのだ。「好奇心駆動型」の教育スタイルの致命的な欠陥は、好奇心が知識の獲得の原動力になるのと同じくらい、知識が好奇心を育む原動力になることを見落としている点である。(中略)子供の好奇心は解き放ってやるだけでよいという先入観にも問題がある。学校が知識のデータベースの構築を放棄するなら、多くの子どもたちは自分がまだ何を知らずにいるのか知らないまま成長する危険がある。そうなると自分自身の無知に関心を持つこともなく、自分より豊かな知識を持つーしたがって好奇心の旺盛なー同級生と比べて一生不利な立場に置かれることになる。(pp.215-216)
知識はたとえ浅いものでもー多くのことについて少しずつしか知らなくてもー人地上の帯域幅を広げてくれる。劇場や美術館を訪れても、小説や詩、歴史の本を読んでも、より多くを得られるということだ。(中略)どんな立場にあろうと、人生における目標がどんなものであろうと、知識があれば、世の中をより多くの可能性で満たし、微かな光が暗闇を照らす機会を増やすことになる。知識があれば、世界はあともうすこしだけ広がるのだ。(p.216)
ジョナサン・パウエル「私には驚きなのですが、たいていの人は相手の考え方を本気で理解しようという気持ちがないままに交渉に臨んでいます。交渉力に優れた人々は聞き手としても優秀ですーこれは単に相手側の主張をよく聞いてから、自分の主張を述べるということではありません。注意深く耳を傾け、相手がどういった立場に置かれているのかを徹底的に理解するのです」(p.254)
駐車場の屋根、ハンドドライヤー、牛乳ーどんなものでも集中して観察すれば、隠れていた面白さや意味や美しさが明らかになる。(p.276)
あなたがどこか退屈な場所で生きているときーそもそも私たちは誰もが退屈な場所で生きているーその場所をどう見るか、二つの選択肢がある。一つは普通の人たちと同じような意識で日々を過ごすことだ。同じものを何度目にしても、それがどんなふうにそうなったのか、どうしてそんな状態に留まっているのか、どうしたらもっと良くなるのか一度も考えずにいる。もう一つは学ぶという選択肢だ。学ぼうと決めて周囲の者に好奇心を抱いたら、あなたはもう二度と退屈しないことを選択したのである。(p.287)
「世界はとてつもなく面白いってことに急に気づいた。興味をもって眺めれば、この世のあらゆるものがー地球の重力、鳩の頭の形、雑草の葉さえもーじつに驚くべきものに見えてくる」(p.316など)
好奇心を持ち続ける7つの方法(pp.310-313)
1 成功にあぐらをかかない
2 自分のなかに知識のデータベースを構築する
3 キツネハリネズミのように探し回る
4 なぜかと深く問う
5 手を動かして考える
6 ティースプーンに問いかける
7 パズルをミステリーに変える
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タイトルは原題Curiousが正しい。子どもだけではなく、人類全般にとって、好奇心を持つこととそれをサポートできる環境(豊かな社会、法制度の整備、教育の充実)が発見や発展には重要だとする。
そもそも好奇心には、発散的好奇心と知的好奇心がある。前者は子どもの持つ短期的な手当たり次第のなぜ何であり後者は知識に基づいたさらに知りたい、どうなっているのか?という深掘りしたい欲求である。自然状態では、好奇心に持続性はなく、発散的なものを知的好奇心に持っていくには知識の積み重ねも必要であり、インターネットでの検索や自由放任ではそこには到達することは難しい。
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〈本から〉
人が無知な理由はただ一つ、あまり気にかけないからだ。無知とはつまり無関心だ。無関心は何よりも奇妙で愚かな悪習である。 スティーブン・フライ
多くの研究が示唆する人間のもっとも普遍的な好みが「神秘性」であるということだ。つまり、何かしら見えないものが暗示されている風景が好まれる傾向があるのだ。
将来何が役に立つのか誰にもわからない。したがって、大切なのは幅広い分野に先行投資をしておくことだ。
人間が技術を発展させてきたのはほかでもない、物事を簡単にするためだ。しかし、その発展には代償が伴うー不便さには隠れた価値があったのだ。これは学習についても当てはまる。理解や暗記が難しければ難しいほど、脳は新しいことに挑戦する力を発達させることができるらしい。
突きつめて言えば、学ぶのに苦労したときのほうが習熟度は高い、ということだ。
私たちは困難なことについてはよく考え、考えれば考えるほど記憶に残る。努力して向上することなら何であれ、同じ法則が当てはまる。技能とは苦しみによって磨かれるのだ。
試験の結果を左右する要因として、性格的な特質が知能より四倍も大きな影響を及ぼしていることが明らかになったのである。
私たちが直面している事態は知的レベルの低下ではなく、認知能力の二極化だー好奇心を発揮する人と、そうでない人の格差が生まれている。(略)
作家のケヴィン・ドラムは容赦なく言う。「インターネットは賢い人間をさらに賢くし、間抜けをさらに間抜けにする」
知識は知識に引き寄せられるーマタイ効果
優れたアイディアというものは、頭をひねったところで生まれない。それは数ヶ月、数年、数十年にわたる人生の積み重ねから湧き出すものだからだ。
古代ギリシャの詩人アルキロコス
「キツネは多くのことを知っているが、ハリネズミは大事なことを一つだけ知っている」
キツネハリネズミは、IBM社で「T字型」と呼ばれている知識体系を持っている。二十一世紀にもっとも評価されるのは専門分野に関する深い知識(T字の縦軸)と、他分野に関する幅広い理解(T字の横軸)の両方をそなえた知識労働者だ。前者は専門性が求められるプロジェクトを実行に移すことを可能にし、後者は他分野との文脈的なつながりを理解することを可能にする。
「あるものが二分たっても退屈だったら四分試してみなさい。それでもまだ退屈なら八分。それでもだめなら十六分。三十二分。やがて少しも退屈ではないと気づくはずだ」
つらいことを最小限にとどめ、幸せを最大にする素晴らしい力が欲しいなら、小さな物事をよく観察すべきである。
ーサミュエル・ジョンソン
教育を受けるということは、考えかたを学び、それによってもともとそなわっている自己中心的な発想から逃れることでもある。
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好奇心についての本。
好奇心の分類からから始まり、好奇心のはたらき、好奇心の差による格差、最後に好奇心を持ち続けることの重要性と方法などを述べている。
説明は実例を取り上げており、説得力があるものの、訳本だからなのか、言い回しが分かりにくかったり、話が次々に流れて行ったり、戻ってきたりするので読み難い。
意識に残ったのは以下
・好奇心は加齢による認知機能の低下を和らげる
・喃語に対してキチンと説明するのは好奇心を伸ばす
・パズルよりもミステリー
・インターネットはパズル解きに陥りやすい
・好奇心は知識の空白に生まれる
・子どもに広い知識を学習させるのは意味がある
・知的好奇心を追求すると、セレンディピティが起きる
・スペシャリストでありジェネラリスト
・なぜかと深く問う
・ありふれた共同作業の中に面白さを見出す
成長に興味がある人にオススメです。
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好奇心について幅広く論じていて、育児本ぽいタイトルがちょっともったいない感じだった。ビジネス書とか自己啓発というと、一気に安っぽくなるけども(そういう部分もあったけど)。拡散的好奇心を知的好奇心にどう導くか。(←自分子どもともに課題)
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好奇心や創造性に関すること。子育てにも役立つだろうし、自分も興味があるので読んだ。
どこがで聞いたことのあることを、繋げられた感じ。
勉強する意味がわかるし、説明しやすくなるだろう。
“娘からの問いかけを受け流すたびに、娘の知りたいという内なる欲求を台無しにしてきたのではないかと深く反省せずにはいられない”と著者は書いている。
この気持ちを普段から持ち、台無しにしないようにできるだけ子供に向き合い、問いに答えることが大事。
子供にわかるように答えることが難しいこともある。子供が現時点でわかる単語で説明しなければならないから。
大人もわかりやすい言葉を選んで説明できる能力や想像力が必要になる。
大人が関わり、子供と対話し、基礎を作っていく。その上で子供の粘り強く追求していく好奇心をもてば、知的成長は大きくなる。創造性もついてくる。
創造性は無からではなく、持っている知識から生まれる。
まずは親の意識と知識が前提。
とにかく、問われたら何らかの答えを出すようにしている。
子どもは質問ばかりするけど、答えたら子どもはどんどん吸収するから羨ましいわ。
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好奇心を伸ばすことが人生において重要、という点はよく聞く話だが、好奇心を伸ばすためには従来否定されてきた知識をたくさん詰め込むことが必要であるという点に、新しさを感じた。
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好奇心そのものについての本。
好奇心は、知りすぎてはなく、ちょっと知ってることに対して生まれる。知識の空白に生まれると本書では好奇心の本質を突いていて納得した。
展開が気になる小説や映画、そしてもっと知りたいと思う好きな異性に対しても、その本質は当てはまるなと感じた。
また、好奇心は知りすぎて満たされると、興味の対象が移り変わりやすい特徴もある。好奇心とは、飽きっぽさでもあり、その象徴が子どもだ。
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<目次>
はじめに 「知りたい」という欲求が人生と社会を変える
第1部 好奇心のはたらき
第1章 ヒトは好奇心のおかげで人間になった
第2章 子どもの好奇心はいかに育まれるか
第3章 パズルとミステリー
第2部 好奇心格差の危険
第4章 好奇心の三つの時代
第5章 好奇心格差が社会格差を生む
第6章 問いかける力
第7章 知識なくして創造性も思考力も生まれない
第3部 好奇心を持ち続けるには
第8章 好奇心を持ち続ける七つの方法
おわりに さあ、知識の世界を探求しよう
<内容>
邦訳のタイトルはちょっと違うかも…。好奇心の重要性を説いた本だが、確かに第1部で子供時代に好奇心をしっかりと育まないと社会格差が生まれることを言っているが、全体と読むと、好奇心を育むベースには「知識」が必要であり、しかも専門性とはかけ離れた分野でも、好奇心を持って深めておくことが肝要という(それが、最初に出てくる「格差的好奇心」と「知的好奇心」という言葉に集約されるかな?)。
学校の授業などにおいて、今の高校生があまりに「好奇心」が不足していることを危惧している身としては、それを科学的に指摘された気がして怖い。今日日の高校生(私の観ている子たちに限定かもしれないが)は、「興味関心」がとても狭くて、そういったところが「いじめ」などにもつながっている(本書でも、相手の気持ちになれるかが書かれているが)のだな、と思う。そこには小説などの読書がやっぱり必要な気がする。
逗子市立図書館で借りたが、これは買うべきだった…
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2016年、子供が生まれて少ししてから教育のために買って、2017年に入って読んだ本。少し寝かしすぎたね、もっと早くに読むべきだった。
「好奇心」なぜこれが必要でどうすればこれを持つことができて、どうすれば維持することができるのか、追及している。
Googleの功罪に言及している部分には納得。
タイトルはある一節のタイトルから付けられているが、もっと良いタイトルであれば、より多くの人の手に渡ったのではないかと少し残念。