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主人公と赤土は勿論、大学寮の魅力的な登場人物たちにあっという間に引き込まれた。こんなに夢中になって寝食も惜しんで読みたいと思った本は久しぶり。
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(Yodobashi.com電子書籍版)
基本的な歴史を知っているので若干つらいものはあるが、途中からはぐいぐい引き込まれた。さて、下巻は?
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傍目には国粋主義だ宗教狂いだ利己主義だと見えるが、儒教・仏教・国家・情、何を大事に思うかだけの差であり誰も悪者ではないという立場がとても心地よい。
ただ、孝謙天皇の悪女色強すぎるのが気になった。この点、坂口安吾の道鏡は誰も悪者にしない視点が好きだな。
758年淳仁天皇即位から恵美押勝の乱を経て称徳天皇重祚した後ぐらいまでの、学生が下級官僚になってからの人生あれこれ。
階層社会厳しい奈良時代設定というだけで内容は現代そのもの、政治等世の中に翻弄され、己の正義に縛られる。熱血漢と知識派との友情も歯がゆく、温かい。
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奈良時代が意外と戦乱の時代だったことを知った作品です。澤田瞳子さんの作品は、10冊以上読んでますが、これがデビュー作(だったと思う?)とは思えない傑作で、まさに「栴檀は双葉より芳し」だと思います。