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孤鷹の天
著者 澤田瞳子
時は天平宝宇年間。藤原清河の家に仕える高向斐麻呂は14歳で大学寮に入寮した。ひそかに恋心を抱いていた清河の娘・広子のために、唐に渡った清河を迎えに行きたいという思いからだった。大学寮で学ぶのは儒学の基本理念である五常五倫。若者たちは互いに切磋琢磨しながら、将来は己が国を支えてゆくという希望を胸に抱いていた。だがそんな純粋な気持ちを裏切るかのように、政治の流れはうねりを増してゆく。第17回中山義秀文学賞受賞作品。
孤鷹(こよう)の天 下
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2025/03/02 16:47
続 信義の道
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻は熱い。読む側も熱きものを感じてページを進めるが、作品自体が熱い。仏教に傾きすぎ政務を偏った方向に進める女性上皇。良吏育成機関の大学寮を謀反人の巣窟とみなし廃止するが、そこに学び国を良くしようとする先輩・同朋・後輩・教師・奴婢から良戸となり位官まで得た者まで個々の道は違えども己の信義を考え思い、それを行動に移す主人公達。望まぬ政争に巻き込まれながら何を思っていたか。今の世に通じることを含んだ時代小説。読み応え十分。
2025/02/28 16:52
信義の道
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
遣唐使として唐に渡ったが帰国できない主人を迎えに行きたいと考え、官吏になるため大学寮に入学した主人公斐麻呂。彼を取り巻く同輩、先輩、教官、友と思っていた奴婢。彼らの心情や信条を細やかに描いている。そこに立ちはだかるのは権力に囚われた抗争や裏切り。本当に国や民を思っているのは誰か?彼らの信じることは達成できるのか?下巻が楽しみ。