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明治から大正にかけて活躍した田山花袋氏による関東大震災の記録です!
2020/05/25 09:20
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、明治から大正にかけて活躍した作家、田山花袋氏によって著された関東大震災の記録です。田山花袋氏と言えば、尾崎紅葉氏のもとで修行し、のちに国木田独歩氏や柳田國男氏らと交わり、『蒲団』や『田舎教師』などの自然主義派の作品を発表したことで知られますが、同書もなかなかの名著です。1923年9月1日に起こった関東大震災について、田山花袋氏は、徒歩で都心を目指す人々の混乱や失われた街の過去と現在を鮮やかに描き出しています。焼け落ちた橋、残った橋、被服廠、夜警する自警団の誰何する声などは、直接体験した著者だからこそ書くことができたのだと思います。歴史に残る我が国の大震災の記録をぜひ、私たちの記憶から忘れ去られることがないように、一度、お読みください。
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貴重な証言の集大成
2018/10/30 22:21
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投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
関東大震災で被災した人々の貴重な証言を集めたもの。生の証言を記録し、証言に対する著者の主観を最小限に抑えているところがいい。読者の思考の幅が広がるからだ。
避難の際に大量の家財道具を持ち出したことが被害を拡大させた。家財道具を惜しんで避難が遅れ、火に巻かれた犠牲者も多かった。火災の熱に耐えかね川に飛び込んだ惨状の描写も生々しい。
大正の時代に、少数ながら既に地震学の権威が存在したことは注目に値する。しかし、学問研究の成果や被災体験が後世にあまり活かされていない。年月の経過とともに災害への警鐘は忘れられてしまったからだ。
自然からの警鐘に目をそらしがちな人間の性について考えさせられる。
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代々木付近に住んでいた田山花袋が、関東大震災後、山の手から下町までを歩き回って記録したルポである。花袋は、過去の教訓が生かされていないことに嘆く。新しい東京に生まれ変わることへの期待を示す。
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関東大震災の未曾有の被害状況を一人の作家として
その肝の座ったルポジュター魂に田山花袋の知らない面を見た気がいたしました。
江戸の風情がどこかしらに残っていた東京がすっかりなくなってしまった瞬間。新しい東京を予感したい思いも感じられ
今私たちが直面しているさまざまな自然被害(場合によっては人災)とどう向き合っていたらよいのか。
それは、まず現場にたったかどうか。
そして、どう感じたか。
先人の思いを、経験を、無にしてはいけませんね。
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昨日購入。震災の現実は写真や動画だけでは理解することが難しいという結論に至っているため、とにかく読み漁るしかない。物書きのプロの視点での文章が読みたいという欲求がたまりまくっている。現在の新聞記者にはたぶん気骨な人材はかなり少ないと思う。
読み終わってから別途感想を寄稿予定。
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田山花袋は『蒲団』で有名だが、読んだこともない。
たまたま、題名で購入。
当時は、小説家がノンフィクション作家も兼ねていたので、関東大震災の雰囲気がよくわかる。
(1)関東大震災の避難先として福島など東北に多数の避難民が殺到した。(p154)
当時は、東北の出身者が実家に避難したということだが、時代の巡り合わせを感じる。今度は東京が東北を支えないといけないと思う。
(2)大杉事件について「私はつとめてそれに対して意見がましいことを言うのを避けた。」(p217)
当時のなんとなく、うしろめたい雰囲気が伝わってくる。
(3)「不逞鮮人」の表現は、p150,p193,p224の3カ所にでてくる。
努めて抑制的に書かれている感じがする。
そのほか、イニシャルで書かれている人名がおおいのがちょっと不思議。検閲?それとも当時の風潮か?
こういう、なんとなく、文学作品として現場の雰囲気を語るものが今回の震災でもこれからでてくるかもしれないと思う。
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誰かが再編集したのではなく、その渦中にあった作家の手記だけに、震災の被害の描写に衝撃を受けることも多かった。
その日の朝がどんな天気で、どんな空気だったか。
ささいなことだけれど、これだけでもずいぶん「その日」のことがリアルに感じられる。
火災直後の下町で見聞したことは生々しくて、とてもやりきれない思いがした。
興味深かったのが、花袋の東京への思い。
関東大震災では、江戸時代から続く町並みが破壊されたと聞く。
明治10年代早くに上京した花袋も、もちろん江戸の名残を愛惜している部分もあるが、同時に、「これで東京の町並みが一新する」という期待を少なからず抱いているようなのに驚いた。
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読み助2013年9月24日(火)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2013/09/post-afd9.html
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大正に起こった関東大震災の実際のリアルな風景を描いた随筆。
やっぱ地震は、二次災害が一番怖いなって。