『学歴(ないし学力)』は『兵士の日常生活』に必要なのか?
2009/02/18 23:03
18人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は「星の数よりメンコの数」という内務班生活や入営した後の兵士の家族への応召手当についてはなるほど、と思ったが、「おわりに」で「彼らの昇進や待遇の善し悪しには学歴(ないし学力)や出身階級という壁がつねについて回っていた。」(269ページ)となるのは、論理が飛躍していているように感じる。「軍隊をめざす少年たちの選抜課程」(270ページ)と続くが、これはあくまでも入営する前の話で、入営後についてではないのでは?「学歴(ないし学力)」が関わるのは52~56ページにある幹部候補生を志願する場合だけだと思うが?「中学など配属将校がいる学校を卒業した者、高等学校高等科または大学令による大学予科(陸軍大臣が同等と認めた場合をふくむ)の第一学年の課程」(52ページ)とあるが、学歴がいらない下士官候補生を志願する場合(53ページ)ならともかく、旧制中学以上の学校を卒業した人が昭和20年までに、そんなにいるとは思えないが。「出身階級」については、帝国陸海軍ではなくて共産主義国家の軍隊の話なら出て来るのでは?
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兵隊さんはどんな事を思いながら日々を送ってたんだべ?と言うのは確かに興味がある。本著は上手い所に焦点を当てていると思う。
ただ出てくる例がチョット極端で、沖縄や、ガタルカナル、ベリリュー等超激戦区ばかりで「そらあそこに送られたら死ぬなよな」といった感じな戦場が多く、台湾や、ラバウル、内地などあんまり戦闘がない地域をヒューチャーした方が本著のタイトルに沿ってる気はする。
ただ、作者良く調べ、内容は相当充実しており、読み応えはある。特に最終章の戦死告知を扱ったパートは作者が相当気合を入れて想像力の翼を逞しく羽ばたかせた上で良く調査しているので非常に面白いのでそこだけでも読む価値はある。オススメですよ。
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筆者はまだ若いのによく日本軍につき調べ、まとめた。
筆者のまとめによれば、日本軍はメチャクチャで、特に「メシ」が酷い。
将校と兵は「メシ」の量、質が違ったという。
将校は「指揮する」から「違って」当然といったそうだが、
もし、そうなら、兵の士気に当然影響する。
「メレヨン島」で「某中尉は羊羹200個盗食した」というが、
それが、事実(当然事実だろう)なら、銃殺だっ。
それやこれやで、相当に面白い。
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0409
全然よめ て ない
でもまァとりあえず生活は一段落しました
★プルースト(2下)かりること
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一ノ瀬さんの本は『戦場に舞ったビラ』のように、モノに語らせるという特徴がある。
そのためのエネルギーとお金はばかにならないのだが、よく集めている。この本でも、赤紙をはじめ、兵士にかかわる文書をこつこつ集め、一人の人間がどうやって兵士になり、戦い、そして最後には戦死記録としてもどってくるかをモノをからませ書いている。本書では、これまで兵士となれば、それまでどんな身分であっても平準化されるという通説に疑問を呈し、そうでなかった事例を具体的にあげる。戦死者に対する墓にしても、貧しいのにもかかわらずその大きさにこだわった遺族の気持ちが痛々しい。
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レベル低いなぁ、ページ数のせい?
何が言いたいんだろう。
皇軍が~とか軍が~って、日本人の国民性なんじゃないのってことがたくさんある。
不公平、不公平って。
それは戦時下で特別なことじゃないし、戦後も特別なことじゃない。
世界を見ても。
~と思うとか、想像の記述が多いし。
研究ってそういうものなのかなと感じてしまった。
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兵士の生き様を緻密な考証と豊富なデータを元に論じられている。史学系統には余り興味を持たないが、非常に興味深い内容であったと思う。
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「日常生活」とタイトルから、もっと、兵士自身の24時間の話かと思ってた。応召手当てとか死亡通知とか留守宅の話しの部分が多くて、そういう意味じゃタイトルから想像するものと内容が違ったな、と。不公平という観点で面白くはあったけど。
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検査に合格してしまえば、入営を拒否することなどできない。
兵役に行かないためにいろんなことがなされた。それだけみんな、兵役になんか行きたくなかった。
軍隊も学歴社会。
いろんな格差があった。
戦争はもう絶対に起きてはいけないし、起こしてはいけない。
終戦記念日に読むにはふさわしい本。日本が現代社会が平和であることに感謝。
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[ 内容 ]
軍隊という格差社会をどう生きたのか?
徴兵・手当・食事から死亡通知まで。
[ 目次 ]
第1章 「皇軍」兵士はこうして作られる(皇軍兵士となるまで 兵士が入隊するとき)
第2章 軍隊での生き方(平時の軍隊生活 戦時下の兵士 少年兵たちの軍隊)
第3章 兵士と家族―戦争の「不公平」(「手当」をめぐる不公平 軍事郵便をめぐる不公平 戦死者墓石・戒名の不公平 「食」をめぐる不公平)
第4章 「戦死の伝えられ方」をめぐって(戦死の真相を探る 引揚援護庁『死亡認定の参考』をめぐって)
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[ 関連図書 ]
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午前中だけで読み終わった。
様々な資料や、写真等も差し込んでいて、新たに知る事もあったが、全体としては物足りなさがあった。
それは単にフォーカスの当て方かな?!と、個人的解釈をしている。
もう少し深く知りたい内容だけに、もったいない。
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私はもちろん 親も祖父も 戦争にはいってないのでなんですが軍隊は平等でよかった という人がいるという事実があるのだとしたらそれはすごい飢え死にする兵士たち?とか 内務官僚のその後? とか蟻の兵隊とか そっちを先に読んじゃっているから軍隊っていうのはえらい人が死なないで下っ端が死んでいくモノなんだと思っていたので
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本書は入営から戦死まで軍隊という社会がどのようなものであったのかが書かれている。著者は軍隊は平等社会ではなく、学歴(学力)、貧富の差、階級の差などによる不公平があったという。
本書を読んで初めて知った事がある。著者は不公平の一つに挙げているが大企業では応召者に対し、手当を出して月給を保証していたそうである。(対して中小企業や自営業、農業者には保証が無かった)
本書では、これも含めいくつかの点について「不公平」という言葉を使っている。私は全てを不公平だとは思わないが是正すべき格差ではあると思う。
大企業の手当の件については、長引く戦争に伴う負担増に喘ぐ経営者側が、社会的公正の名の元に低い方へ合わせコストカットを図ろうとしている。社会の底上げを図らない点は、現代社会に通じる問題であると思う。
本書では、軍隊内での私的制裁にも触れているが、果たして日本軍だけの問題だったのか?他国ではどうだったのか気になるところである。
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淡々と積み上げられたデータを使って皇軍兵士の日常を提示して、戦争で徴兵制度により社会がリセットされるこう思考(あるいは嗜好)を丁寧にひっくり返してくれる。社会の構造って戦前から変わってないorz
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徴兵制が話題となる昨今。嘗ての日本帝国軍隊の兵士がどういう扱いを受けていたか、どういう資質の兵士だったか。そして、彼らは時代によってどう変わっていたのか。