紙の本
一見関係の無いように思えるが
2019/04/18 09:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見すると無関係ともいえる両者が、実のところ、根底にある問題を通じて繋がっている指摘が面白かった。
セックスワーカー・援デリ・シングルマザーの貧困問題など、目を覆いたくなるような字句。しかしそれこそがこの書に於けるキーワードである。
筆者は、日本の恥部・暗部を明確に言い表し、超高齢者社会と介護施設職員に多くいそうな中年層(と思われる)異性未体験者、搾取するものされるものの関係性など、現代日本が抱えている問題を言い表している。
発刊当時には既に社会問題となっていた、「オレオレ詐欺」に代表される特殊詐欺がなぜ若い人がのめり込んでしまうのか、大学という肩書きのために金を貸す事の矛盾などの指摘は、エコノミストや社会学者などという人々には無い視点だろう。
これを読み終えた途端、悲壮感と虚無感に襲われた。
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読了。日本が、だんだんダメな方向に走っているのが、わかる。でも回避できるのでは、と明るい光が、少し見えた。自分は何ができるのかなと考える。
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貧困という状況からどんなことが起こってくるのかを性産業を足がかりに見ていこうとする一冊。
どのような経緯を経て、女性が風俗や売春の道を歩んでいくのか、そこでどんなことが起こっているのかが詳しく紹介されています。
率直なやり取りで読みやすかったです。
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闇は深い。風テラスだけじゃ足りない。アウトローな生き方をそのまま認めて現行制度の問題点をあぶり出して、法制化できないもんか。闇テラス
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自称B級ライターの鈴木氏と中村氏が、セックスワーカーへの取材で気づいた貧困についての対談。
熱く語る鈴木氏と、合理的に客観的に(時にはものすごく堅気に)突っ込みを入れる中村氏。このコンビの対談だからこその面白さ。同じ貧困に出会っている2人だが、それぞれの向かう方向や思想も異なる。
なんとなく、今までも社会保障は「本当に手を差し伸べるべき人に届いていない」感じがしたのだけれども、ほんとに届いていないようだ。
そうして取締りに関しても、弱者の逃げ道をふさぐ方向になっている。
かといって、取り締まりを行わない場合、それはそれで困る人が居たのだろうと思おう。平等に幸せになるな
んてことは起こりえない。
世の中にはたくさんの気づかないことがある。
上から目線で見ると、気づかないことがたくさんあること。
「貧」と「困」を分けて考えること。
QOLを重視すること。
いや、こうして本を読まない層がいるってことに、そもそも気づかないといけない。
各個人が、「自分が幸せになってもいい」「つらさを感じる」ことから始まるのか。
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上辺だけの取材でない、自身の心身とも削り取るような取材を重ねたお二人の言葉は重すぎる。本土の人々の多くは観光で明るい沖縄のイメージを持っていると思うが、負の連鎖のリアルはもっと知ってほしい事実だ。
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【中年童貞】を書いた中村さんの著書。
アンダーグラウンドの実状を描いた貴重な一冊だと思う。
大手のマスコミに就職している人は、自分自身がハイグレードな為、ボトムの生活が想像できないという辺りが凄く印象的だった。
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貧困問題は既に底抜けしてしまい相当に深刻な状況になっていることが、現場で寄り添って取材をしている人たちだから言える内容が多かった。単純にこうすれば良いということは何も言えないが、現状から考えていくしかないのだろう。
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お二人とも貧困と性について多くの取材と著作を重ねており対談も面白い。
性を金銭化できるうちは貧困層に至らぬがそこからも滑り落ちると…。
中村氏については中年童貞で鈴木氏については家出少女から其々の考えが伺えるが読んでいくうちに日本の未来は深い穴倉の底にある様に感じた。
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中村さんと鈴木さんの記事を目にすることが多かったので興味を持って読みましたが、タイトルから想像する内容とは異なる大きな問題点が語られていて、色々考えさせられました。
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なかなか気合いの入った本でした。
裏社会ライターの中村淳彦と鈴木大介の対談本です。
介護を筆頭とした壊れてる産業、ブラック労働で時間と賃金を取られるより、裸になった方がマシという選択になる時代。
ただそこに単に短時間で稼げるという意識でスペックが高い女性が加わり、裸になっても稼げない女性が出てくる時代になってるようです。
性を売るというのはかなり特殊な女性ととらえてましたがそうじゃないみたいです。
2003年の労働者派遣法の改正を機に普通の女性だらけ。
誤解しちゃダメなのが風俗してるからって貧困層ではないということです。
風俗以外に行く場所がなく、そこから弾かれた女性。それが最貧困層。
社会的にそういう商売を潰すことばかりですがその後のこういう人たちのケアが全く考えられてないのも今の現状です。
仕事のない人、できない人に国が介護職を紹介するのにも触れてました。
本来とても繊細な仕事でスペックが要求される仕事に対し軽視されがちな介護職。
労働時間、賃金を考えるとそういう人たちを紹介するのは仕方ないことかもしれませんがそういう人たちをほっておくと1番恐ろしい「最貧困中年童貞」が生まれます。
これは男性の貧困層についてです。
この本で呼ばれてる「最貧困中年童貞」という人たちは簡単に言えば引きこもり、親の金で生活してた人たちで親が他界した後の人たちです。
ただ今後の日本でこの人たちをどう働いてもらうか、どう使うかが最も大事でしょうね。
奨学金問題もかなりリアルでした。
大学にいくためだけに背負わせる借金。
国を挙げたビジネスです。
なんとなくこの本を読んで日本はかなりやばいところにきてるのを強く感じました。
もう奇跡でも起きない限り格差は広がり続けそうです。
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・本書を読んで感じたが、本当の闇は見えない部分にあるということ。貧困や女性の風俗などの問題も、可視化されている部分は氷山の一角にすぎないにもかかわらず、そこを大きく捉えてしまう。
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教育、性産業、福祉・介護、この3つのつながりとその悲惨な状況、平成日本、見も蓋もない話、出口のない、答えの見つからない絶望的な話、中村淳彦と鈴木大介の二人が語ります。2005年、裸の世界が普通の女性だらけになって、売春からもこぼれ落ちる女性たち。AV~風俗~売春。何百万円と言う奨学金の返済のため一流大学からどっと押し寄せる女子学生たち。ドミノ式にはじかれていく女性たち・・・。国は介護現場に中年童貞や外国人労働者の雇用を進めているが、コミュニケーション能力の高い風俗嬢を雇用すべきではとの提言も。
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いろんな意味で衝撃的だった。
自分がいかに狭い世界にいたかを思い知る。
(とは言え、私はエリートではありません。)
『中年童貞』という言葉を見て、
「あーー。いるいるーー。」と思ってしまった。
(介護業界ではありません。普通の企業です。)
嫉妬深くて、愚痴・悪口が絶えなくて。
それでいて、オレ様系ハラスメントの主。
この本のことは、書こうかどうしようか迷いましたが・・・
ワードがキレッキレであることは間違いありません。
私が今、思う、ヤバい職業
教師・銀行員・介護職・警察官
人間破綻してる人、多いよね・・・
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内容は、いわゆる二流紙にセックス、暴力関係の記事を書く、ジャーナリスト2人の対談。日本が1990年代をピークにデフレ、長期の不況という失われた20年を経て、先進国の中で、突出して貧しくなった。近年、社会学者などがセーフティーネットとしての風俗業などについて大きな関心を示している。私もその点では大いに関心を持っていたため、ラジオで、紹介されたことを機会に読んでみた。内容としては、学術的な客観性や具体性に乏しい。その一方、学者や政治家に比べ、対象である風俗嬢などに目線が近く、裸の現実を突き付けてくる。生活保護などを受けようとしない彼女らの存在を理解する意味でも、筆者たちの主観的な感じ方が、必要とされるのだろうと思わせられた。
ただし、問題の解決方法などを考えるためには、より客観的な文献の登場が望まれる。