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短編集です。恐怖とか憎悪とか、言語的に理解しきれない概念をイメージ化したような。村上さんの深みです。
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短編集。
面白すぎる!
最初の話はそんなに好きじゃないですが、ほかの話は秀逸です!!
考えさせられる。私の脳ではまだ理解できないところが多々ありますが、そこから考えるのがこんなに面白い作品はなかったです。
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村上春樹の中ではかなり好きな部類の短編集。全編通しての曖昧な読後感と不思議な感覚が良い感じ。何かを得る、というよりはその場で楽しめるというような作品集。個人的には表題作と氷男が好きです。
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『トニー滝谷』が入っている短編集。しかし、ダントツオススメは、『めくらやなぎと眠る女』。その感想文を載せます。
昔、友達の彼女を見舞いに行く途中にチョコレートを買った。
友達とバイクで二人乗りで病院まで行った。友達が不安だというからだ。彼女は、胸のどこかが悪いらしく、簡単な手術が必要だった。僕は、彼女が手術で胸を切り取られていく姿を想像する。彼女は、入院している間、ある詩を書いた。
めくらやなぎという木の花粉を吸ってしまうと、ずっと眠らなければならなくなる。めくらやなぎが生えている近くの、家の中に女が寝ている。ハエがめくらやなぎの花粉をつけて、彼女の耳から侵入して、彼女の体の中を蝕んだ。ある男の人が危険を冒して、彼女を助けようとして、その家に行こうとするのだけれど、もう遅いんだ。ある意味で、彼女の中身がなくなっているのだから。男はあきらめざるを得なかった。
というような詩だった。
友達が、ある男って僕のことかい?と聞くと、違うの。と答える。彼女が友達と一緒に買ったチョコレートの箱を開けると、もう溶けていた。僕らは、彼女へのお土産である大切なチョコレートに注意を払わなかったため、溶かしてしまったのだ。その数ヵ月後、友達が亡くなった。
という事を回想する村上春樹の短編小説です。
これを読んだあと、何かが僕の中で変化したような気がする。
女の体の耳から進入して、体を蝕む蝿の事を想像した。男があきらめてしまったことに現実性を感じてしまった。村上春樹の短編作品で、もっとも好きかも知れない。
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個人的には、何とも曖昧な印象を受けた短編集。好きなのは『氷男』『トニー滝谷』だが、『沈黙』『七番目の男』あたりが妙に残る。『めくらやなぎと、眠る女』は『ノルウェイの森』と関連。
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村上春樹の短編集。タイトルコールの「レキシントンの幽霊」より、中の「沈黙」「氷男」がお気に入り。
「沈黙」一人の優秀なクラスメイトが流した噂が、何の抵抗もなく学校中に浸透していった。恐ろしいのはその優秀なクラスメイト一人ではなく、何の抵抗もしなかった学校の人間である。村上氏には珍しく、偏見や受け容れやすい意見に踊らされ集団で行動する人々、今ではすっかりマジョリティな部分になってしまった現在の人間の性格を嘆いている。非常に身につまされ、読み終わった後何度も振り返ってしまった。
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「村上春樹が好きか?」と言われると、うーむ、どうかなー、というかんじなのだけれども、なんとなく読んでしまう。時々村上春樹を読んでいるとtoo muchなかんじがしちゃうけど。私的にはこれは悪くなかった。氷男も緑の獣も、あまり誇張されず。大仰でない非現実的な話。「トニー滝谷」も良かったかな。(1999 Dec)
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全体を通して、なぜか暴力的な印象を受ける短編集だった。読んでいて、その過激さにどことない不安を感じてしまうような。
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短編集。
緑色の獣は可哀想すぎる。
「沈黙」は素晴らしい!あまり村上春樹の小説は読んでいる方ではないが、これは「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の次に好きだ。
氷男は「われわれ」と違い孤独な存在であり、南極とは人がいない孤独に満ちた心の凍土を表しているのかな。
「7番目の男」と「めくらやなぎと、眠る女」は他の作品と比べると面白くはなかった。
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『氷男』『沈黙』『トニー滝谷』好きです。静かに怖くて寂しい作品多かったな。特に『沈黙』は考えてしまった…いじめなんて消えてしまえ。
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泣き喚くようなおおげさな寂しさではなくて
ひっそりとそこにあるような
ずっと前からそこにあったような 孤独
どの編にもそれがある
読み終わってしばらくは、
その孤独感から抜けられなくなります
「沈黙」がすごく痛かった
決して三人称では語れないから
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凄く好き。氷男と7番目の男は今まで読んできた短編の中で一番面白かったかも。レキシントンの幽霊は「僕のためにそんなに深く眠ってはくれない」が最高でした。これは読んで損無いと思います。
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「ひとつだけ言えることがある」とケイシーは顔を上げ、いつもの穏やかなスタイリッシュな微笑みを口元に浮かべて言った。「僕が今ここで死んでも、世界中の誰も、僕のためにそんなに深く眠ってくれない」(レキシントンの幽霊)
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■短編村上春樹。実は「神の子どもたちはみな踊る」と同時購入。小説に飢えていたのかもしれない。
■それはそれとして、この本、今まで読んだ村上春樹の短編集の中では一番好きかも。はずれが無く、秀作が続く。
■一番気に入ったのは七番目の男。でも一番印象に残ったのは緑色の獣。
■「命ある存在を苦しめ、のたうちまわらせる方法で、私が思いつかないことは何ひとつとしてなかった。ねえ獣、お前は女というもののことを良く知らないんだ。そういう種類のことなら私にはいくらだっていくらだって思いつけるのだ。」
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短編集なのでとても読みやすかったです。
わたしは「めくらやなぎと、眠る女」が好きです。めくらやなぎの話しが童話みたいで面白かった、あと「緑の獣」の不思議な感じもすごく面白かったです。