紙の本
西澤保彦氏による精緻なロジックで進められる究極のタイムトリップミステリーです!
2020/09/07 09:30
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「匠千暁(タック&タカチ)」シリーズをはじめ、「神麻嗣子の超能力事件簿」シリーズ、「城田理会警視」シリーズ、「森奈津子」シリーズ、「腕貫探偵」シリーズなど数々の話題作を発表されている西澤保彦氏の作品です。同書は、条件が揃うと、酒の相手を道連れに時間をさかのぼってしまう古徳先生ですが、昔の恋人を奪っていった旧友・早稲本と偶然呑むことになり、酔った二人は28年前の思い出の晩へと戻ってゆくという物語です。果たして古徳は、失った恋の秘密を解き明かせるのでしょうか?精緻なロジックで進められるストーリーが読者に対して驚きの読書体験へと誘います。極上のタイムスリップ本格ミステリー小説です!
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ジャケ買いの一冊、同じ面子で同じ酒を飲むと酒の相手を道連れに過去へタイムトラベル行い謎を解き明かすミステリー仕立ての呑兵衛SF小説。人の絡みが広瀬正氏の名作「マイナスゼロ」を思わせるところも少しありとても楽しめました。
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本屋でタイトルが気になり、著者が西澤保彦と知って購入。西澤保彦はSFミステリーの初期作品やタック&タカチシリーズなどを楽しみに41冊読んだが、6年程前から合わなくなり読まなくなっていた。
本書がタイムスリップものと知り初期作品のようなミステリーを期待して読み始めた。結果、合わなかった。
主人公が50になる中年男性の准教授で、その准教授の一人称で物語は進んでいくのだが、彼の思考が気持ち悪かった。50にもなって振られた昔の彼女のことを吹っ切れてなかったりする。二十歳そこそこの若い娘に好かれる描写が何度かあり、中年男性の欲望がにじみ出てくるようで気持ち悪かった。女性の言葉も「あら、ご存知なくて」というような現代では聞かない言葉遣い。酒を飲みながら安楽椅子探偵という点は西澤保彦らしいし、思考を待て遊んだ結末が真実かどうか明らかにならないところも今まで通りなのだけれど、自身に好意を寄せる大学生の娘がいることを思考した結果として受け入れるのは、娘のような年齢の女性に好かれることもいいものだという主人公の下心が出ているようだ。とかく女性を異性としか見ておらず、バタ臭いやら若々しいやら表現も古臭い。
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タイムスリップミステリーというコピーに惹かれて購入。実際はタイムスリップというより、パストビューワー的な能力。
短編連作的な作品になっているが、主人公が常に死にたがっているところがベースになっている。それなりにおもしろく読ませてもらったが、能力の設定が曖昧だったり、意識の共有という反則技が出たりするのは残念。しかも、主人公が若い女性にモテてるのはややしらける。しかも、他人の行動にあれだけ気を配り、洞察できる人間が、自分への好意に無頓着なのは違和感がある。
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西澤保彦っぽい。
設定自体はとても面白い。そしてアクロバティックすぎるこじつけ的論理も、まあ楽しめる。
でも、もうちょっと整合性のある、というか、現実味のある論理にならんもんかねえ。もうちょっとだけ、でいいのだが。