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いささかじれったい
2018/12/07 02:17
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
松岡圭祐氏の最新刊『水鏡推理IV アノマリー』は、主人公水鏡瑞希が登場するまでの前置きがかなり長く、非行少女たち(女子少年院入院中)の更生プログラムの一環としての登山のいきさつを、彼女らの過去へのフラッシュバックを交えながら語られます。このプロローグがどのように文科省の下っ端事務官水鏡瑞希に関わってくるのか分かるまでに結構かかります。
商品説明にあるように、この登山プログラムに参加している少女たちは八甲田山で、気象庁と民間気象会社の予報の食い違いのあった日、民間気象会社の「晴れ」予報を信じて出発し、豪雨に見舞われ行方不明となってしまいます。
一方、水鏡瑞希が気象図の整理を手伝っていた総合職官僚浅村も瑞希がうたた寝している間に失踪。彼は瑞希に謎の書類を預けていた。数日して、彼はなぜか八甲田山登山口辺りでの少女たちの記念撮影に一緒に移り込んでいたのを瑞希が発見し、彼女は彼の足取りを残された書類をもとに追うことに。
なかなかのサスペンスである一方、親にあまり愛されずに、どうしていいか分からなくなって暴走しがちな少女たちの成長の物語でもあります。
瑞希が下っ端役人として比較的等身大の(?)活躍しかしないので、なかなか核心部に辿り着けずに、うろうろと寄り道しているような印象がちょっと強いので、途中少しじれったいかもしれません。その分現実味があるともいえるのですが、物語のテンポとしてはさほど良くないように思います。
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知らず知らずのうちに親に洗脳され、それ故かは定かではないが不幸な未来を背負わされて育ってしまった子どもたち
その子どもたちを使って金儲けをしようとする国家公務員
相も変わらず黒い人たちですなぁw
はぁ~、フィンクション、フィクション♪
瑞希を取り巻く人達の心にも若干の変化が現れ始めてちょっとうれしくなってくる。
最後の締めもいい。今まで以上に瑞希の心の成長が感じられたシーンだった。
親目線で成長を見てるとジンとする。
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相変わらず読みやすい。
しかし、前作までと違ってエリートと戦う姿が少ないような。
人が死なないので仕方ないのかも知れないが、緊迫感がどうしても希薄になる。
敵対する人物や上司もあまり個性的でないためか、水鏡も普通に対応している感じ。
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瑞希がかなり体を張り、命の危機にさらされる巻。
完全に少年院の少女四人が主犯だと思ったのに、、、それ以上に恐ろしい黒幕が。後半かなりドキドキさせられます。
プレシアンス社の予報トリックは、コナン並みにやられた感が。映像化してもわかんないよ~。
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Qちゃんシリーズ終わっちゃって、こちらに集中?
残念だけど、水鏡さん応援するしかないわね。
今回でだしは、文科省の話ではないのかと思っていたら…
こういう不正もあるのね。
今回の黒さは半端なかった。
水鏡さん周辺もちょっと変わってきたので、よかったです。
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2016/10/17e-honで購入。
主題は、p344からの浅村の言う歪んだ情操教育かな?
瑞希は浅村を見つめた。「歪んだ情操教育って...」「親の否定的な思考や習慣を、無意識のうちに受け継ぐっていうか、植えつけられるっていうか。強制的な母親にいつも押さえつけられて育ったから、人としてたいせつな要素がいくつか欠けてるんだ」
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研究費の不正受給を暴く公務員ミステリー第四弾。
今回、方向性が見えづらく読むのがしんどくなる時もあったが、最終的には結構スッキリする終わり方だった。
気象予報コンペのカラクリはなんとなくわかってしまう人も多いのでは?でもそんなことも気にならないほど話は面白い。
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非行少女更正のための登山プロジェクト、天気予報、それらが最後にこんな陰謀で結び付くなんて予想もつかなかった。読みやすかったが、非行少女の生い立ちはフィクションとはいえ胸が痛む。途中、なかなか糸口が見つからず読み進めるのが辛くなったが、最後の解決はよかった。少しくらいヒロインにときめく感情を持たせてやってほしい。
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法則や理論ですべてのものが
成り立つわけではないと思いつつも、
心や意志や想いを注ぎ込んで
ひとつのかたちをつくりあげてみる。
根拠は心であり、気持ち。
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もうかれこれ40年近く近くになるが、学友が少年院の教官という職に就くことになり驚いたことがある。条件は夫婦で院内に住込で生活できること。彼は慌てて妻になる人を説き伏せて結婚、地方の少年院に閉ざされてなかなか会いにくい存在となった。その後彼と再会した時にそこそこ話してもいいと彼の判断する範囲内で少年院事情というものを聞かせてもらった。
彼が就任した少年院は実は少女少年院であったこと。家で生徒たちとの共同生活を営まねばならないこと。彼女たちがそこに送り込まれた原因はほとんどが少女売春によるもの。生徒に誑かされ職を失った若き教官の話、少女の誘惑の手口、心の暗黒、といったところまで話は及んだと思う。
さて 本作は少年院の院生たちが、登山を通して早期退所を果たそうというプログラムを、某NPO法人のリードで実験するところからスタートする。例によってスピーディに話は進むが、少女たちはスマホやタブレットで登山の自撮り実況中継を行い、瞬く間にネット・アイドル的存在になってゆく。しかし民間天気予報会社が気象を読み違えたことにより、誤った気象判断をした彼女らは八甲田山において遭難事件を起こしてしまう。
話はどんどんスケールアップし、文部科学省や気象庁などの国家的陰謀へと広がってゆく。手品のような小説作法を得手とする松岡圭祐は、もちろんそれらから巧みに目線を反らす話術、仕掛けられた伏線の山、思いもよらぬどんでん返しの連続によって展開してゆく。もちろんメディアやマスコミ、インターネット世界までを駆使しての、一大イベントでもあるかのように仕上げてしまうのである。
現代という葉脈にアンテナを這わせ、話題や興味をディープに掘り下げての小説化という作業は、もはや彼の独壇場と言うしかない。早書きと多作も、彼の特徴であるゆえ、常にライブ感溢れる社会現象や政治汚職など現実のリアルタイム素材は油断なくペン先を向けられる。下地を作るための情報収集努力と分析の鋭さを武器に、松岡ノベルワールドはさらにその地平を容赦なく広げてゆきそうである。
アノマリー。気象用語で「特異日」のことらしいが、アノマリー(特異)なのは少年院にスポイルアウトされた少女たちの存在にもかけられた言葉でもあると思う。何が間違っていたのか、どう対処するのか、徹底的にとは言えないまでも作者の眼が優しく彼女らの未来に注がれてゆくあたりが、この小説の真価ではなかろうか。
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水鏡推理シリーズで一番面白かった。
この間万能鑑定士Qシリーズの最終巻を読んだばかりだったが、水鏡推理があとをついでくれるだろう。
もちろん、実際こんなことはおこらないだろうけどね。少年院に入っている子どもたちに自由に行動させる訳ないし、こんなアンフェアで応募側にある程度裁量があるようなコンペもないだろうし。
でも気象ネタってのは斬新だった。そして今回は親子のあり方に焦点をあて、いつもより人情に訴えかける熱い展開だった。
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シリーズ4冊目。文科省一般職の女性が、不正事件に近づき、阻止されようとするも困難を乗り越えて(?)真相を暴く。だんだんスタイルが確定してきた。省庁って総合職と一般職とがそんな風にかけ離れた存在なのね。まぁキャリアとノンキャリだから?それにしても「私は一般職だから」という卑下した感じがすごいんだけど。どこへでも出勤スーツのまま出かけてしまうのは行動力の速さだけど、その恰好でそれはありえなそう・・・と想像できるような山の中までスーツとパンプスで!?
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水鏡推理シリーズ4作目
定期メンバーがいないので、変わらずの孤軍奮闘。
今回は至るところで瑞樹のイライラがあって、読むのに苦労したけど、最後の方でスッキリ。
このための伏線かと。
やはり松岡氏はうまいな。
題材はきっと親子。
自分にできるのは子供の話を聞いてやることかなぁ。でも注意力散漫なので娘には「聞いてないでしょ」とすぐにばれてますが(笑)
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今回は違う方向を向いたベクトルの面白さだった。
そしてその向きは私の好きな方を向いていた。
解説でも触れられているけれども、泥だらけで語り合う11ページ。これは良い。とても良い。すごく良い。
今回はこれだけで、良い。
人の道に正解は無いけれど、間違いはある。
自由に往けよ、往けば分かるさ。
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巻が進むごとに、面白さアップ
最終的に騙しているのが誰か、分かりにくくなってより楽しめます
扱われるテーマもどんどん変わっていきます
既刊同様に相方も