ケルト文化の伝承が息づくスコットランドの島
2018/06/27 23:32
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投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
さほど詳しくはないが、ケルトがらみの作品はどうしても見逃せずつい読んでしまう。
キリスト教以前の文化にはどこかミステリアスな雰囲気がつきまとうからだ。
本作品も間違いなくその線で構想されているのだが、トレメインの作品ほど背筋が寒くなる感がなかった。
たしかに自然描写はすばらしい。映画なんかで見た映像が頭に浮かんできたのだが、やはりこの種のサスペンスを読みすぎてしまったせいか、どうしても先が読めてしまうからだろう。
双子の片方が事故で死亡し、その状況がはっきりとは明かされない、母親は一人称で語り、父親はときおり一人称のモノローグはあるものの、そのほとんどが三人称語りとなっている、などからどうしてもこの夫婦の大きなすれ違からくる視点の差が物語の謎を解く鍵となってくることが透けて見えてしまう。
それにしても、ほくろの位置まで同じで親にも見分けがつかない双子なんて本当に存在するのだろうか。
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双子の娘の1人を喪ったアンガスとサラの夫妻は、残った娘のカースティと3人で、スコットランドのトラン島に移って新たに出発しようとしていた。
そんな中、娘のカースティは更に「自分はカースティではない」と言い出す。サラに疑念が沸き起こった…
そして次々と不可解な展開になり、夫妻の間で高まって行く相互不信…そしてカースティの様子…
厳しくも美しい自然の、スコットランドの孤島や小さな町を舞台に心理劇が展開する…
「次…」が気になって、どんどん読み進めてしまう…
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アンガス一家がヘブリディーズの孤島、トラン島(架空)に移住する
エラン・ショナッハ島(Eilean Sionnach)がモデル 今でも島ではゲール語が話されている
この家族大丈夫か?この家なんか変じゃない?犬は何を感じ取ってるの?…「ページをめくる手が止まらず」ってのを体感した でも、読後感は良かった この終わり方は好きだな
建築士アンガスが安藤忠雄の本を読んでいたり、カースティがキティちゃんのシャツを着てたりと、日本が彼らの日常生活に自然に入っているところも面白い
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双子の女の子の一人が死んでしまい、家族が悲しみに包まれている中で、死の原因が事故なのか故意なのかを探っていく話。あーなのか、こーなのか、といろいろ考えさせられたが、結局結局そうなのか、、、とやるせない感じになった。
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スコットランドの西岸、インナーヘブリディースの離島が舞台、ということでまず期待。地方色豊かだ。
双子の片方を失った夫婦。一人称で語られる妻と三人称で語られる夫。自然と読者は妻の視点で物語を見るようになる。ずるいぞ作者。
心理ミステリと思っていたら、終盤、少々心霊っぽい感じも出てきたので、あれれと思っていたが、これが幻覚か、本物かは読者に任せるといったところ。
あと、夫の浮気は許されても、妻の浮気は許されないのか、って結末となり、なにこれ、読み終わってなぜかむかつく。
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双子の一方が事故死した家族、その傷をいやすためイギリスの静かな田舎への引っ越しを決断するが…。
イギリスの田舎、それもスコットランドの孤島という舞台設定はサスペンスによくあっており、情感たっぷりの雰囲気描写、双子(実際に死んだのがどちらか?)、事故時の真相、等々こちらを引き込む要素はある。
・・・が、恐ろしく退屈な展開。
風景描写は上手いけど、丁寧を通り越して必要以上に多く、心象風景とはいえそればっかりで飽きてくる。全体の1/3位はあるのでは?
しかも、奥さん、旦那、それぞれの一人称で描かれるのだけど、最後までお互いの真実を吐露させないため、意味深な表現ばかりが続く。
しかもその真相もたいしたことは無くてガッカリ。
ただ、絵面は綺麗になりそうなので、映画化には向いている。キャストも少ないしロケさえしっかりすれば低予算でも佳作に仕上がりそう。