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私は幽霊になっちゃった。足元も見ても何も見えない。ここはどこだろう?私は誰なの?ようやく自分は四人姉妹の誰かだろうと見当がついたが、そのうちの誰かが分からない。カート、イモジェン、フェネラがいる。サリーがいない。私はサリー?そして、死んでしまったの?それにしては、誰も心配していないのは何故?幽霊となって七年前の当時に戻って過去を変えようと奮闘する。
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主人公がのっけから幽霊で、しかも自分が誰だかわからないところから始まり、ぐいぐい引き込まれていった。
主人公が幽霊なんだから、怖くないかも!って気楽に構えていたらそうでもなく、そうだった、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品じゃん、そんな甘くないよね…と途中であわあわした。
日本の幽霊とは違うホラーっぽいダークさも兼ね備えたファンタジーでミステリー。
姉妹の喧嘩っぷりや暮らしぶりは破天荒に突き抜けていて生命力に溢れていた。生きているってそういうことだな、を凝縮している描写。
7年という年月との掛け合い、次第に見えてくる人間模様、最後にこうきたか!とそれまでの色々を回収していくのは本当に見事。
ダークで憎らしくて少し荒削りな分、後からじわじわと愛情やら見えていなかった細部やらが染みた…!
ファンタジーだけじゃなくて女の子たちの成長、姉妹愛に恋愛要素も全部盛り込んでくるってちょっと…!
カートにサリー、イモジェン、フェネラ。
どの子も個性的で面白い。
この世界、誰かアニメ化してくれないかなぁ。映像化作品観てみたい。残酷なとこもあるから無理かな…。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品は、いつもものすごい勢いよく描かれていて、まるで場面場面を走り書きでスケッチしているかのよう。ついていくのに必死。
たぶん細かなところはついていけてない。
そこまで描き出したい物語を持っている彼女はすごいなぁと毎回尊敬の念を抱く。 まだ消化しきれていない『9年目の魔法』をもう一度読み返したくなった。
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気づいたらあたし幽霊になっちゃって大嫌いな姉さんや妹たちの喧嘩を横で聞きながら、どうして幽霊になっちゃったんだろう?って。ダイアナウインジョーンズは昔からあまり馴染めない。設定はファンタジーなのだが10代の女の子の心の内や成長していく様子が描かれる。男だから共感しづらいのかな
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サリーは気がついてみたら、幽霊になっていた。といっても、手足が有るわけでもなく、誰にも見えない。家に帰ってみると4姉妹のサリーを除く3人がいる。なぜ幽霊になってしまったのか、その鍵は、4姉妹で信じていた、モニガンという精霊にあるのだ…。
『ハウルの動く城』の作者が送る、ファンタジー&SF作品。サリーの幽霊の視点から描き、なぜ幽霊になったのか、どうやってみんなに気がついてもらえるのか、本当は自分が誰なのか、モニガンの狙いはなにか、ということを章ごとに解いていく形になっている。
途中からはSF的な展開となっているからか、世間的には非常に評判が良いようだが、子供の自分語りという形になっているからか、訳がまずいのか、全体にわかりにくい。
また、途中からは書きたいものの方向性からやむを得ない部分はあるが「サリーは」という三人称主人公を「幽霊は」「患者は」という形で書いてしまい、いわば叙情トリックの伏線的な不信感を読者に与えたのはあまり印象がよろしくない。
さらに個人的に、こういうファンタジーもので前提なく使われがちな「動物は純粋なので霊が見える」「子供(特に女の子)は純粋なので霊が見える」というような暗黙の特殊能力を有しているというのは好まない。本書においては、後半は否定されており、それは全体のテーマとして「女の子はきれいでも純粋でもない」というところに根付いているからだろう。でもね、犬は気がつくのだよね。
調べると、訳者の関係者が「この話は暴力的な父親に対する娘たちの抑圧された関係がテーマ」という論文を書いているようだが、そこまでうがって読むほどの話でもないだろう。
テーマというかトリック的には面白かったが、文章と配役が今ひとつである。
電子で読んだが、文庫版はプレミア価格の模様。