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紙の本
再読に耐えうる感動作
2002/07/27 23:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小笠原功雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初版発行からまる9年ですか。(初版本を今ももっております)。こうして新装版で読むと新鮮な感動に加えて、十年一昔、懐かしさもこみ上げてきます。しかし、ネタはあの頃を思い出しつつもギャグは今も充分新鮮で笑えます。まさに本を愛する者達の魂は時代を超えて変わらない(むしろ増殖しているか?)。
紙の本
近未来SFで、ハードボイルドで、しかもギャグマンガ
2020/11/03 08:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あずきとぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初出:「月刊アスキーコミック」1992年8月号~93年9月号
1994年の星雲賞コミック部門受賞作。
カバー見返しより引用
一九九×年、幕張のコミケ会場が何者かに爆破された。
そして二〇××年、紙の本の激減は、「書店法」に管理された巨大書店の独占やそれに対するテロ攻撃など、本をめぐる犯罪の増加を招いていた。
凶悪化する書店犯罪を防ぐべく、武器の携行を許可された書店管理官、紙魚図青春(しみずせいしゅん)の活躍を描く、星雲賞受賞のSFハードボイルドギャグコミック。
(引用ここまで)
幕張 199X年――と描き出されたプロローグでは、コミックマーケット開催中の幕張メッセ爆破事件が描かれる。
東京 20XX年12月20日6:00AM。
1級書店管理官の紙魚図は、超巨大書店である文鳥堂書店(地上201階、地下5階!)に派遣された。
近未来、コンピューターネットワークの発達と森林資源の減少を背景に、活字文化の保護を目的に制定された「書店法」は、大資本の介入により巨大書店・出版社への独占を招いた。
書物にまつわる種々の付加価値は肥大化し、本は崇拝の対象にも憎悪の対象にもなり、書店を狙うテロ集団や原理主義者が出現した。
書店における犯罪を取り締まるべく誕生したのが、書店管理官である。
紙魚図の任務は、同書店で開催される特別展の警備であった。
開催前夜、貴重なコレクションを狙うテロリストと紙魚図の一夜の攻防がメインに描かれる。
カバー見返し文のように、近未来SFの設定を背景に展開されるハードボイルド活劇。
さらに、そこに散りばめられた無数のギャグが、シリアスな設定を緩和し、リズムに変化をつける。
美女アンドロイド、サイボーグ、クラッキング、マザー・コンピューター、武装集団との攻防…。
親しみやすいSF要素を交え、ギャグも欠かさず挟みながら、物語はクライマックスへと加速していく。
そこでの二転三転する展開とそのスピード感が、実に楽しい。
マンガ好きだけでなく、SF小説ファン、いやもうすべての読書家に奨めたい。
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