紙の本
高校三年間にかける、それぞれの青春
2021/06/03 11:49
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投稿者:ぷちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『2.43』シリーズを読んでから、読みました。『2.43』シリーズのスピンオフということですが、こちらの作品単体でも十分楽しめます。
「強者の同盟」
福蜂工業高校バレー部のエースを狙う高杉、尋慶女子高校テニス部エースの美人で勝気な赤緒。小柄で地味だが躍動感あるスポーツ写真を撮るはっち。中学時代に強者の同盟を結んだ高杉と赤緒、その二人の写真を撮ってきたはっちの友情以上恋愛未満の話。
「空への助走」
明日岡高校陸上部を引退した涼佳。小学生の頃より太っており、ブブ佳とからかわれていた。そんな涼佳を助けてくれた元陸上部の拓海先輩に淡い恋心を抱いていたが、突然後輩の柳町に告白される。東京の大学に通う拓海先輩を想う涼佳であったが、走り高跳びに打ち込む柳町の成長を見つめるうちに、心が惹かれていく。
「途中下車の海」
新人戦を控えたある日、顧問のシャークと衝突した、福蜂工業高校柔道部主将の長谷。生まれて初めて稽古をサボり向かった海で、クラスメイトの平政と出会い、半ば強制的に釣り部へ入部させられる。平政と並んで釣りをしているうちに、長谷は長年続けてきた柔道への思い、ライバル校である鷺南高校で柔道部顧問をする父親への葛藤を吐露していく。
「桜のエール」
春になり、高校生活最後の試合に向け、部活の垣根を越えてエールを送りあう福蜂工業高校の面々。そして、そんな彼らにカメラを向ける福蜂工業高校の映画研究会。高校三年間の思いを胸に、各部の主将に率いられ、彼らは最後の試合に挑む・・・。
個人的に一番面白かったのは、「強者の同盟」でした。部のエースであり、クラスでもカースト上位にいる赤緒が、同じ強者である高杉に向けて放った「梓の仲間は強い子ぉらだけでいい。負け組は梓に釣りあわん」というセリフに強者のプライドと、部活へかける思いの強さが垣間見え、痺れました。
また、「2.43」シリーズを読んだ後に読んだため、「桜のエール」での福蜂バレー部のやり取りには、うるっとくるものがありました。
「2.43」シリーズでは、高杉以外にも個性豊かな福蜂バレー部のメンバーが出ているので、他のスピンオフも読んでみたいです。
紙の本
運動部群像。
2017/01/03 12:47
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズであることも知らずに手に取ってみたがおもしろい。
特にタイトルにもなった「空への助走」は運動部内での恋愛だけでなく、きちきちと専門種目の駆け引きポイントをうちだしているのがいい。
恋愛のしまらなさもいい。若さ/バカさって感じがすごくする。
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2.43のスピンオフ的な
三村統が及川さんに見えて仕方ない(笑)
陸上の話は悶えた〜〜〜
すずかーーー!
『わたしなんか』って言うの止めようと思った
こんな青春したかった…
運動部のマネージャーとかしときゃよかったって思ったり思わなかったり…
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バレー、陸上、柔道といった高校運動部の青春物語。
いいねぇ~!
スポーツに真剣に向き合う姿もいいし、仲間もいい。
恋愛もいい。
心は一気に高校時代へ。ワクワクする。
陸上部ハイジャンの話が一番よかったな~。
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#Booklog
娘に読ませるつもりで手に取った1冊。高校生スポーツ青春モノ。
なんだか懐かしい感じで読みました。
何か、同じ著者による関連する話があるらしい。気になります。
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引退した後の違和感ってあるある。と思って読んでいた。なんとなく違和感を持つのとか。
バレー・陸上・柔道(釣り部)・そして一同が集結するドリーミィな映画を製作する映研。
陸上・柔道の話が特に好き。
高校生男子だね。
眩しいね、キラキラしてるね。
バレー・柔道では同世代(同階級)で「絶対勝てない相手」が登場する。
そしてそのキャラが嫌な奴ではないのが主人公にとって結構キツイもんだと思う。三村くんにしても伊藤くんにしても良い奴なんだもの。
花見で始まって花見で終わる。
でもそこには成長した姿もある。
今はあんな気持ちを持つことなんてなくなってしまったなぁ。なんて昔をちょっと懐かしんでしまった。
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どの話もザ青春!っていうかんじで爽やかでした!すごいおもしろかった!
個人的には柳町くんがすきです…きゅんきゅんした…
あと釣りと柔道部の子のお話も良かったな〜!高校生の、子どもと大人のあいだの微妙な気持ちが描かれていて、読みながら一緒に電車に乗ってる気持ちになりました。あと方言が本当に素敵!
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「2.43 清陰高校男子バレー部 second season」に登場するライバル校、福蜂工業の運動部をメインに部活に恋に友情に青春を燃やす高校生達の短編集。
「2.43 2nd」から続けて読んでしまったので思わず清陰から福蜂に乗り換えそうになった。
皆それぞれ様々な悩みを抱えつつも好きなものに対して真摯に頑張っていて、全員応援したくなるくらい愛おしい。
梓とか千鶴とかのちょっとひねくれたキャラも可愛くて好き。
2.43のレギュラーでもスポット当たってないキャラはまだいるので、そっちの話もこれくらい掘り下げられる事を期待。
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本編では主役じゃなくても、それぞれの人生ではみんな主役。何にもない人生なんてないもんな。
いいなぁ。若人。その時期を思い切り生きて。こんな歳になっても、その姿は眩しくて羨ましいから。
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福井弁が彩る爽やかな運動部たち。バレー部男子とテニス部女子と、号泣写真を良い写真とした無断発表でクラスの強者の無視からのいじめ化を内包した話が、それでも対等で嫌悪感がなくて良かった。陸上部の太め女子に憧れる棒高跳び後輩男子、柔道部と釣り男子等。スポーツは疎くて脇の写真部と映研にむしろ興味を引かれた。
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2.43のスピンオフにあたるお話ですが、こちらから読んでも大丈夫でした。青春が詰まってます!オムニバスでどのお話も面白かったけど、表題作が好きでした。バレーボールもいいけど陸上もいい!ハイジャンの試合運びにドキドキ。最後の書き下ろしでにやにや(笑)
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恋愛要素を入れるとだいたいいい感じに
まとまるのはなぜなのか?
いや、どの話も面白いんだけどね?
桜の下で主将たちが会話を交わすシーンが
とても良かった。
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清陰高校バレーボール部代表戦編に登場する福蜂工業高校のスピンオフ的ストーリー。
バレーボール部、陸上部、柔道部、釣り部・・・高校部活動を舞台に高校生たちの真っ直ぐな青春を描く。
楽しいだけでなく、葛藤や挫折を経験するからこそ一歩一歩前に進める。
本気で頑張っているからこそ、勝てば嬉しいし負ければ悔しい。
一度きりの高校生活、恋に友情、勉強に部活動、限られた時間だが、とても素敵なかけがえのない時間を彼らは過ごしていく。
青春時代にタイムスリップした気分になれます。
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ただただ爽やか、青春。
夏のスポーツドリンクのcmになりそうな話
が様々な運動部を舞台に描かれている。
知らないルールも、運動部じゃない部活もルールを知らなくても自然と入り込めるような描写がいい。
福井弁も心地よい。
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「2.43 清峰高校男子バレー部」シリーズのライバル校であった,福蜂工業高校などを舞台に書かれた短編集。
4つの短編で構成されています。
それぞれが独立しているので,どれから読んでもいいかと思います。
もちろん「2.43 清峰高校男子バレー部」を読んでいると世界観がつながるところがありますが,読んでいなくても問題なく,それぞれの短編小説を楽しめると思います。
「強者の同盟」
福蜂工業バレー部,高杉潤五と,同じ中学校で同じクラスだった,尋慶女子のテニス部,赤緒梓。
お互い部活では,誰にも負けないとの自負があって,それぞれ強豪校に進んだ。
だが,強いところで一番になりたいという高杉が選んだ,福蜂工業の同じ学年には,もっと強い相手がいた。……三村統。
「空への助走」
荒島涼佳は,小学校のから体格が良かったけれども,走るのが速かった。ついたあだ名は「ブブ佳」。
進学した福井県立明日岡高校。陸上部に入った涼佳は,部の先輩,荒島拓海と再会する。
小学生の頃,同級生に散々からかわれたのを,一瞬で黙らせてくれた1つ上の上級生。
「途中下車の海」
福蜂工業高校柔道部の主将,長谷忍。
本立乱取りで後輩の女子,古賀あゆみと組んだとき,自分より格下で,しかも女子のあゆみに寝技で締められたことにショックを受け,さらに顧問の通称シャークに説教された。
それがきっかけで,突発的に学校をサボり,海に向かう列車に乗った。
その日長谷はちょっとした事故で海に落ち,それを助けてくれた同級生の平政洋から,頼まれごとをされる。
釣り部に入ってくれ。幽霊部員でもいいから。
「桜のエール」
前の三編に登場した,福蜂工業バレー部,柔道部,陸上部(明日岡高校のライバル校としてほんの少しですが)。
後日譚のような,爽やかな短編。
どの話もそれぞれ良いです。
高校生の部活に掛ける青春というか,強豪校としての誇りやプライドのようなものと,それに負けずに自分自身も強く在りたいという向上心と。ええなあ。
個人的に印象に残ったのが3番目の「途中下車の海」。
えちぜん鉄道,通称えち鉄がいい味出しているんですよ。
主人公の長谷と,同じクラスだけどヤンキー的なビジュアルでほとんど交流のなかった平政とが,車内で交わす会話がとてもいいのです。
やっぱり車窓の情景って,なにか心の内に持っているものを吐露したくなるというか,人の心を動かす何かがあるんですよね。
えち鉄,乗りに行きたいなぁ。
本編には全く関係ない感想ですが,ネタバレはせずに済んだ(笑)。