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将棋にくわしくなくても読める本であり、人生の指南書ともなる本である。大局観とは具体的な手順を考えるのではなく、大局に立って考えることである。パッと局面を見て、今の状況はどうか、どうするべきかを考える。大局観により、無駄な読みを省略し、正確性を高め思考を早くする。大局観は人生において、経験を積むことによって養われるもので、年齢とともに育っていく。
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羽生さんが世の中に出てきた頃は僕から見ても
「えらい若いくて、めちゃくちゃ頭の良さそうなやつがでてきた!」
という印象だったが、そんな彼ももう40歳。
僕よりたった4つ下だったんですね。
そんなだから、なんとなく世代的、年齢的な親近感を感じながら読みました。
なるほどと思ったのは、
「大局観は、いかに読まないかの心境」
という言葉。
意外だったのは、羽生さん自身は目標を持ってそれに向かって努力していくタイプではなく、
無計画にただ目の前のことを精一杯やってきただけだという。
あと、かなりの読書家でもあるようで、
ナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』まで読んでいることに驚くとともに、
そういう人だからいつまでも頂点にいるんだなと感心しました。
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将棋についてはほとんどわからないレベルのわたしですが、わからないなりにおもしろく読めた。
将棋の世界だけじゃなく、いろいろなことにも応用できると思う。
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羽生先生の本。将棋を知らない人も是非読んで欲しい。
将棋の考え方は生き方に通じるものがあると感じました。
大局観とは「全体を読む力」「”木を見て森を見ず”の反対の言葉」って意味。将棋の世界ではごくたまに使うかなって感じ。
内容は勝負に対する考え方、練習について、負けの捉え方など
将棋をやってたら遭遇するあらゆる事象についての羽生先生の考え方が書いてあります。将棋の本はたくさん読んできたので、新しい発見はそこまで無かったのですが、この本を読んで将棋や人生の考え方で大切な事を再認識しました。
天才棋士である羽生先生も”続ける”ことの重要視しています!
努力する事が成果に繋がると信じて頑張ろうと思いました。
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羽生さんの人生観のようなことが書かれているのかと思って読み始めたら、今を生きる私たちに身近なテーマがいくつもちりばめられていて勉強になった。
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一流棋士の思考思想の一端に触れる事のできる一冊。
様々な分野から得た情報を自ら咀嚼し棋士として活かす姿勢は、生き方として是非見習いたいところ。
将棋をさした事のある人には、特にオススメ。
前著の『決断力』も是非読んでみようと思います。
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地震の前は春らしい日が多かったのですが、地震の後は急に冬に逆戻りですね。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。
今回の地震では、とても残念なことがあります。
それはネットやチェーンメール(マスコミも含め)、嘘やデマが広められており
そのせいで余計に生活が不自由になっていることです。
・被災地ではないのに、食料やガソリンを買い占める
・放射能が漏れるからと言って、関東の人が、関西から西へ非難する
・北関東の野菜を食べると、被曝して病気になると言いふらす
このように「何が正しくて、何が間違っているのか」不安で仕方がないとき
オススメしたい本があります。それは将棋の羽生さんの最新刊「大局観」です。
この本は、丸善(丸の内オアゾ)では、3週連続1位になるなど、地震の最中でも
売れていたようですが、大量の情報のなかで、何を信じ、何を切り捨てるべきか
とても参考になる部分が多いです。
この時期に出版されたのも、何かの運命かもしれません。
私はいろいろな本を読みますが、久々に「これはすごい!」と本気で思いました。
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羽生善治という天才の思考の一部を垣間見ることができる一冊。人生の指南書としてぜひ読んて欲しい一冊。
「直感」「読み」「大局観」について、筆者の経験を交えながら述べている。以下は本書からの抜粋。
「大局観」
•全体を見渡す、上空から眺めて全体像がどうなっているのかを見ること
•いかに読まないか、という心境になる。
•「終わりの局面」をイメージする。最終的に「こうなるのではないか」という仮定をつくり、そこに「論理を合わせていく」。
•「大局観」を身につけ、全体を検証する。
「直感」
•多くの選択肢から適当に選んでいるのではなく、自分自身が今までに積み上げてきた蓄積のなかから、経験則によって選択しているのではないか。
•きちんと論理立てをして説明できるのが直感で、なんだかわからないが、この方が良いと考えるのが閃き。
また、運•不運、集中、練習、リスク、負け方、ミス、確率、ゲンなど、勝負に関する事柄について、上記の三点の視点や、本人の経験から考察している。
「超一流」と呼ばれる筆者だが、なるほどその理由がよくわかる。特に「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉が出てきた、第三章での負けに対する考えに、筆者の強さを感じた。
前作「決断力」も読んでみたいと思う。
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2011年26冊目。
「対局に臨んだら、その時その時の局面で、自分のやるべきことを精一杯やるだけだ」天才と称されることの多い羽生名人だが、意外なことに、閃きや直感よりも毎日の努力を大切にしていることがわかる。
彼の強さは初めからそこにあったかのように思われるが、25年のプロ生活の間、真面目に将棋に向き合ってきたことの積み重ねから形づくられているのだ。まさに「動的平衡」を体現していると言えよう。
「リスクはクルマのアクセルと同じで、本当にリスクマネジメントの上手な人は、自分がどれくらいのスピードならコントロールできるかを分かっている」
勝負の世界では、ずっと同じやり方をしていたら、相手に研究されて勝てなくなってしまう。常に新しい手法を試し、リスクを冒さなければ、進歩はないと語る。まさにその通りでリスクのないところにリターンはない。大局観を身に着けるとは、長年の経験の中から、自分が許容できるリスク量を測れるようになることかもしれないと思った。
この他、負けても気にしないくらいの図々しさが大事で、負けは自らの変化のきっかけを作ってくれるという前向きな考え方や、自分の意思が介在しえない他人の行動を受け入れ、諦めるという発想のしかたに気づくことができた。
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やはり一流の人間の語る言葉には学ぶ点が多い。また、一流の一流たる所以は反復と失敗を省みる日々の積み重ねがあってのことと強く感じる。
大局観だが、つまるところ経験的な面、日々の反復、直感といったある程度時間の積み重ねによって獲られた要素を総合的に利用することによって導き出されるものであると感じた。
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羽生さんの将棋棋士としての考え方や人生観などが詰まった本。「大局観」とはいかに手を読まないか、状況を見てパッと判断し、選択肢はなるべく減らす。選択肢は少ない方が良いというのが印象的だった。
羽生さんは文章を書くことは専門ではないが、様々な例え話などがあって分かりやすかった。
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ひとつのことを極めた頭脳が、他のことに興味、積極性を持つとどうなるか。そしてその頭脳が考える勝負におけるファクターとは。ある意味で、孫子の兵法。もう一度読むでしょう。
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2010/3/28読了。
他のどんな職業よりも頭を使うであろう、棋士の第一線に身を置く方だけあって、多角的な視点からの洞察がとても深くて面白い。だが、「決断力」に比べると内容が少し薄いように感じてしまった。
特に印象に残ったのは、きちんと論理だてて説明できるのが「直感」であり、理由はよく分からないというのが「閃き」である、という部分と、遠くから富士山を眺めているときは山頂がよく見えるのに、登り始めると山頂が見えなくなる、というところ。
特に後者は、プロとアマの感覚の違いを表したものであり、とてもイメージしやすい的確な表現だと感じた。
・将棋は「読み」と「大局観」のゲーム。読みはロジカルに「考える」ことであり、大局観とは過去の経験などを基に「感じる」ことである。
・2つの選択肢で迷っていると、第三の選択肢が良く見えてしまうことがあるが、大抵の場合それは選択から逃げたいという欲求による錯覚である。
・選ばなかった選択肢は良く見えてしまうが、そのほとんどは選ばなくて良かった選択肢である。
・大舞台で力を発揮できる状態は、(リラックスして楽しめる)>(プレッシャーで多少こわばる)>(特にモチベーションがない)である。
・目標設定のキーワードは「ブレイクスルー」が良い。頑張れば越えられそうな少し高い壁、というくらいが適当。
・積み重ね以外に目標に到達する手立てはない。繰り返しの中にこそ真理が眠っている。
・情報や知識はしばしば創造に干渉する。氾濫する情報に流されてはいけない。人情報の収集や分析も大切だが、間の創造力はそれを打ち砕くこともできる。
・人間は直感で選択肢を絞り、そこからそれぞれを熟慮する。
・「合成の誤謬」:誰もが正当な行動をしていても、社会全体でみると芳しくない状態を生み出してしまうこと。
・傍から見たときに幸運に思える人は、幸運を掴む機会を増やしたり、不運を少しでも軽くするような準備をしていることが多い。
・時代の先を読む眼とは、表面化する前の水面下で起こっている事象を注視する力。
・人間は、自分で思っている以上にものごとをよく分かっていない。想定外の事象に立ち向かうために"野生のカン"が必要。
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角川Oneテーマ21 より、前著「決断力」に続く羽生善治のエッセイ集…のようなもの。
タイトルの「大局観」は、将棋を知らない人には馴染のない言葉だろうし、また本のサブタイトルが誤解を招くが、その意味は「将棋の局面を見て、形勢を判断したり、流れ(駒の損得が大事な局面なのか、スピードが大事か、厚みや陣形の固さが大事か、など)を判断する能力」のこと。「読み」の能力や、荒々しい決断、恥ずかしげもなくクソ粘りする根性などは、歳をとるに従って衰えてくる能力だが、一方で大局観は年齢と経験を経るに従って強くなってくる。かつて「将棋はゲームに過ぎない」(ので、『遊びは芸の肥やし』などと言って将棋以外のことが棋力向上に役立つという考え方は、将棋の勉強をサボるための口実に過ぎない)と言った羽生善治も不惑を迎えた。この本を読むと、映画、読書、人との出会い、チェスやバックギャモンといったゲームも、人間「羽生善治」とその将棋を形作っている一要素であることが判る。
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物事について、特にリスクを伴う物事については、部分的に見るだけでなく全体的な認識をこまめにすることが必要というところに共感した。
普段の仕事においても、分かっていてもつい目の前のことに心を奪われてしまいがちになる。
これからは、小まめに認識しなおすように心掛けたい。
また、情報化社会で生き抜く方法について、自ら情報発信の場に立つことを述べているところに驚いた。
先日読んだ『キュレーションの時代』に通じるものがあった。
羽生さんといういう人、将棋の世界について興味をもつ一冊になった。