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紙の本
これは無理
2003/11/28 00:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KUM - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後まで読んでいません。私の読んだ所までだと、まだ事件も起きていません。
2ページぐらい読んで、他の本を読み始め、その本が読み終わったのでまたこの本に戻ってみましたが、更に2ページぐらい読んで、「これは無理なんじゃ……」と思いました。
それでも、書評が良いのでなんとか読み進み、現在76ページ。
これ以上は無理っぽいです。
そんな私が何で書評を書いているかと言うと、「最近人気のある西尾維新ってどんなのだろう?」と思っている方がいるならば、初めての西尾維新作品はこれにしないで欲しいからです。
どうせなら、著者のデビュー作「クビキリサイクル」にして下さい。
あれも紙一重だと思いましたが、そういうのを超越した魅力を感じました。
今回の「きみとぼくの壊れた世界」は、「クビキリサイクル」の痛い部分に全く抵抗の無い人でなければ耐えられないと思います。
兄と妹がアブノーマルな関係になりつつある事、それを問題にしているわけではありません。妹の性格が、痛すぎるのです。はっきり言って、「引き」ます。
でも、妹だけの問題なら、妹を無視して読み進めればいいのです。
それ以上に、主人公とその同級生達の会話が、「自分達は頭がいいんだ」というのをちらつかせた喋りが、痛くて痛くて、しかもそれがずっと続く事に耐えられなくなりました。
あらすじを読んだ時から嫌な予感がしていました。「禁じられた一線を現在進行形で踏み越えつつある」って、「つつある」は「現在進行形」とイコールで、「馬から落馬」的な表現だと感じました。もちろん、あらすじを書いたのは言葉を大切にする著者ではなく編集者なのでしょうが、こんな文章を書く者が編集する本って一体……?
最後まで読めば、素晴らしい作品だったのかも知れません。最後まで読まずに書評を書く事には問題があるとは重々承知しています。でもね。これを最後まで読むのは、無理だったんです。
紙の本
どの視点で読むか
2005/05/01 22:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:高見もや - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずばりこの小説の正体を言ってしまえば、推理できる材料を徹底的に排した叙述推理小説だ。
単純にキャラクター性だけに目を向ければ、ただのライトノベルとして読めないこともないが、小説中に配された物を読めば、けしてそれだけではないことがわかる。
徹底的に材料は排されている。
主人公は殺人が起きたことを人づてに聞くが、現場の状況はおろか、どうやって被害者が死んだのか知らない。
疑おうと思えば、本当に被害者が死んだのかすら、疑うことが出来てしまう。
そんな作りにこの小説はなっているが、こういうし掛けがはたして購買層とあっているのかな?なんて思わせてしまう佳作推理小説
紙の本
壊れた世界の外から
2004/05/09 12:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新鮮な読書体験…、もとい、新感覚の読書体験が出来る作家の一人でしょう、西尾維新。講談社ノベルスの現時点主シリーズの戯言シリーズでも様々にやってくれてますが、それとは別にまたキャラが立ちまくった登場人物たちの、世界なんて実はどーでもいーんだ、へっ、的な(何)ミステリなのです。ミステリなんですよ! ミステリである必要なんてないのに、どういった宿命か確信犯なのか、どうしてもミステリになってしまっている諸々の作品ですが(褒めてます)、本作もミステリなのです。「ああっ、お兄ちゃーん(笑)」な小説ですが、ミステリなのです。
読み進めていくと誰もが思うことだろうけれど、あれ…、殺人事件が起こっているのか。しかも密室殺人なのか。なんとも魅力的な文言がちりばめられているようでいて、そのくせミステリっぽくない物語の進行状況の下、西尾節(なのかな)が縦横無尽に発揮されております(しかして、改行が滅茶苦茶少ないので、読みづらいのが難点か)。
でもでも、唐突にしてじっくりと詰めるように思考され与えられる本格ミステリとしての事件の解決には正直ビックリでした(その奥にあった真意にもね)。そして何も考えずに読み終えると感じる違和感。なんだかすんなりと終わってるなあ…、と感じたその正体、実は物語の枠組みである「世界」の在り方を問うているものだと気付かなきゃいけません。
個人的に、もうちょっと読みやすかったら★追加、といったところ。しかし、それも確信的っぽいんだよなあ、と、なんとなく思う。「壊れた世界」と題打っておいて、世界を壊してたまるかちくしょお、と誰も彼もが思っているに違いないのだ、きっと。それは己が認識して初めて現れるからに他なりません。はてさて…。
(初出:CANARYCAGE)
紙の本
確かに壊れてマス
2003/12/12 14:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒田ネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
えーと、多分この本を読もうと思った人は先に西尾維新氏の本を何冊か読んでいると思うので、敢えて彼の小説の世界観を紹介することは省きます。
この本は、一応ミステリーなんですが、いつものごとく主人公の壊れきった内面を描くことに重点をおいている小説です。「死体が出た」「トリックは何だ」「犯人を捕まえろ」、そんなことはどうでもいいんです。生まれたときから最良の選択を選びつづけ、結果的に最良の「現在」を獲得しているはずの主人公。しかしその「最良の選択」は誰にとっての「最良」だったのか。いつのまにか壊れてしまった自分の周囲の世界。気付かなかった自分の歪みが周囲までも狂わせる結果となってしまったことの悲しさ。そして、そんな世界をこれからも取り繕いながら生きていくしかないということへの絶望感。今回の作品が『クビキリ…』シリーズと違うところは主人公の精神的問題点に、意外にも、読者が共感できる点ではないでしょうか。読み終わってみると、結構沈みます。
付け加えですが、この本、『クビキリ…』と比べると幾分か言葉のくどさが無くなり読みやすくなっているような気がします。なんて、単に私が西尾氏の言葉の並べ方に慣れただけかもしれませんが。ま、みなさん、気が向いたら読んでみて下さい。