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467頁か…そんなに多くないような気がする、数字にすると。でもすごく読み進めるのに、読み終わるのに時間がかかった。1章ごとに深みと重みがありすぎて。ときたま目頭が熱くなる。教育、というものに対してこんなにもぶつかった物語りを読んだのははじめて。
頭の回転が速い人ではなかった。その代わり、ものごとを徹底的に考える人たちだった。とあって、すごく響いた。わたし自身頭の回転早い方だと思っていたけど、徹底的に考える力が劣っているんだなと。足りない。
そして満ちることを諦めたという千明のエピソードやらなんやら、教育の年譜を、物語として読んだ気分
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久々の森絵都さん。どどーんと超大作が来ましたよ~!w
ま、らしくないっちゃらしくない気もするんですが、まぎれもない渾身の大長編でっす!w
「学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在に・・・」
人生を教えることに捧げた続けた、塾教師たちの物語。
何だか難しそう~、って思うでしょ?でも、意外とサラサラと読めてしまいます。で、三代記になっちゃって、どう収拾つける気?と心配になったところの孫ちゃんがよかった!
ちょ~っとハズれたくて、金髪にピアスにしちゃったんだけど、しっかり血脈を受け継いじゃって~w
頭はいいってのがまた憎いのよねw
そして、そして・・・女は強し。でも男も頑張る!w
みかづき、三日月、クレッセント。どうぞお楽しみあれ♡
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吾郎、千秋、頼子、路子、蘭、奈々美、一郎。
どの登場人物も個性的で、感情移入しやすかった。
日本の教育のあり方の議論が多かったけど、母親として個人的には、親子関係のあり方が興味深かった。
『どんな子であれ、親がすべきは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生をもって教えるだけ』p153
教育について、なるほどと思ったのは一郎と直哉のエピソード。
『教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだ。』p453
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教育の裏街道である塾教育に3代に亘り関わった一家の物語。
公教育との軋轢や教育論も端々に出てくるが、本書はひとえに家族の(歴史の)物語である。
久しぶりの邂逅に三姉妹がそれぞれの想いを吐露する場面は本書の佳境だ。
そしてまた次の世代を迎え、家族は受け継がれていく。
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教育に人生をかけた家族3世代の物語。
昭和から平成へ子どもを取り巻く環境。
たまに出て来るその時代の流行なんかにも触れつつ…。
吾郎と千明夫婦の関係も同志のような感じで
あぁ、こんな夫婦もいるのかもな、と思った。
夫婦のあり方とは別にちゃんと家族が形成されていて、何かに打ち込む姿はそれだけで子を育てるものかもしれない。
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まず、塾がテーマというのが珍しい。学校が舞台の本、映画、ドラマ、マンガは腐るほどあるのに。
とはいいつつ、内容に興味があったわけではなく森絵都の名前だけで手に取った本。
情熱、信念、志、理想とかのアツいお題が得意ではないけれど、苦虫を噛み潰すことなく読めました。
その時代を知らない私にも、文字を追う端から、難なく映像が頭に浮かびます。
登場人物の心の裡が無理なく流れ込んでくる穏やかな読み心地にもホッとさせられる。調度よいテンポで放り込まれるコミカルなシーンも絶妙。
地味ではあるけれど、音楽が乗っかるとより一層厚みのある物語になりそう。実写化してほしいなー。
主人公は吾朗なのか、千明なのか。読み終えてみると、この家族みんなが主人公だからこそ、物語に暖かい厚みがあるのかなーとも思う。
置かれている状況や心情、将来への展望なんかが折に触れ、月の満ち欠けに例えられるのも素敵。
まんげつでもしんげつでもなく「みかづき」。
満月たりえない途上の月。よいタイトルです。
そして最後の1行まで心を震わせてくれる良い本でした。
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長くて、途中、めげそうになったことも・・・
でも、後半盛り返しました!
結果として、読み応えのある一冊でした。
タイトルの意味もいい感じです!
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とても、興味深い作品でした。昭和36年から現在に至るまでの塾の歴史を一人の塾教師たちを中心とした奮闘を描いた作品で、文科省の政策に振り回されながら、子供たちの教育に人生を捧げる、彼ら彼女らの必死な思いが伝わってきました。時に商売として塾を経営していく上での諍いなど読んでいて重たい部分もありましたが、ハッピーエンドで終わる最後には気持ちの良い読了感がありました。
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それぞれの登場人物が、
いろんな考え方と立場で一生懸命に『教育』に取り組んでいる。
波乱万丈で悲しみの場面もあるが、
最後は温かく幸せに読み終えた。夢中になれる小説でした。
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時代もわかって、面白かった。
登場人物が人間臭くって、心酔タイプの私としては、心酔しきれず、それも良かったかもしれない。
結局は、
何に向かってどう生きるか、
かなあ、と思う。
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読み応えありました!
大学受験と中学受験を控えた子どもがいます。田舎なので誰もが塾に行っているわけではなく、中学受験をする子の方が少ないので、塾についてそれほど深く考えたこともなく…かつて自分が大学生の時に、時給がいいからと塾でアルバイトしていた、ぐらいでした。
人に教えることは難しく、親子ならなおさらで、でもやりがいはあるんだろうなと思います。
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戦後から今に至る教育分野での塾の役割を考えさせられる一冊。
でありながら代々伝わる家族物語を味わった感じもする。
塾の存在を月にたとえているのもなんか納得。
公立学校との違いはなんと言っても経営!と実感するな〜。
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(16.09.29)
「学校教育が太陽なら、塾は月のような存在」
戦後の動乱の中、出会った吾郎と明子。明子の母・頼子から、孫の蕗子・蘭・菜々美、さらにその子どもである一郎たちへと受け継がれていく、大島家(赤坂家)の、『教育』をテーマとした物語。
「常に何かが欠けている三日月。教育も自分と同様、そのようなものであるのかもしれない。欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう、満ちようと研鑽を積むものかもしれない」
自らの教育感と重なる部分や、はっとさせられる部分が多く、教育について考え直させられた一冊。読んでよかった。
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昭和から平成の塾業界を舞台にした三世代にわたる家族の群像物語。朝ドラにもなりそうな感動巨編。時代背景とともに変化する教育問題に果敢に取り組む人達。素晴らしい作品。今年のマイベスト。
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昭和36年に学習塾を立ち上げた一家の三世代にわたる壮大な闘いの物語。お話としての面白さはもちろんのこと、戦後教育の変遷や塾と文部省の確執もきわめて興味深い。読後に腑に落ちるタイトルもとても素敵です。