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コミックス、アニメ、小説から雑誌と自転車をモチーフに描かれる作品は多くなった。自転車を取り巻く環境は、本当に変わったと実感する。
本作は中学生が主人公だ。帯には今年度№1エンターテイメントと書かれているが、それは大げさだ。盛り上がりと深みに欠け、大人向けとは言い難い。経済的に恵まれない主人公が、一流品を取りそろえたお金持ちライバルと戦うお話は何度も繰り返されたもの。ただ、少年がほのかに恋心を寄せるヒロインもロードレーサーに乗っている設定は新しい。
タイトルの”スマイリング”は本文中に述べられるSmiling Road(晴れやかな道)からとったものだが、“晴れやかな道”が、いまいち理解できない
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一気に読み終えて、奥付を見て納得。高速参勤交代の作者か!なるほど小中学生夏休み向け二時間ドラマ的な展開とテンポなはずだ。メカ的にどうかと思う面もあるが、自転車好き中年も十分楽しめた。できれば子供にも読ませたいくらいだ。
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ツール・ド・函館を観て
自転車レースの魅力にはまった中学生。
同級生たちはこぞって自転車を買い替える。
俊太はママチャリ。
最初の3ぺージで俊太ガンバレ!って思っちゃったよ。
母親はダメダメだし
父親はいなくなっちゃうし、
俊太には逆風ばかり。
でも、手持ちのカードで頑張るしかない、
夢は叶えるもんだと
自転車屋のおっちゃん(実はスゴイ人)に教えられる。
おっちゃんが改造した自転車で
ツール・ド・函館のエキシビジョンU-15に出場する。
チャンピオンに「フランスで会おう」なんて言われちゃう。
実に痛快、爽快、俊太の成長が眩しい。
函館を知ってる人はもっと楽しめるんだろうなぁ。
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よくある話だと思うけど読ましてくれる。
面白かったです。
ツールド函館までいくんですね。
夢は叶うんですね。
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貧乏な中学生が自転車屋と知り合うことで、自分に自信を持ち、生きる力をつけて、自転車レースで優勝して、友達ともうちとける。というベタな話だけど、読後感は爽やか。2時間で読めるのでお手頃。母親はキャバで働き、子供に興味がないダメな母親の典型だけど最後に突然転んだ主人公を心配する、そんな程度で許されへんで。これに出てくる岩熊オリジナルバイク、誰か作ってみて欲しい。
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孤独な少年と自転車屋のオヤジが出逢い…。
青春!
映像化されそう。
【図書館・初読・3/23読了】
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期待外れ。冒頭80円しか持ってない奴が毎日プールにジムにと通えたり、フィンスタビとか遅すぎる中3自転車部とかいろいろツッコミどころ満載で笑えた。無理に優勝させず努力する姿だけでも話としては十分成立したのに。
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家族に恵まれず孤独と貧しさに苦しむ少年関口俊太が、ロードレースと腕利きの自転車整備師に出会うことで生きる縁を見つける物語。児童小説のような語り口と早い展開なので、深くじっくりと味わう物語ではなかったのが残念です。得難い出会いや友情の機微が、どれも安直で都合が良いように感じました。でも苦しい生活を強いられている少年に、夢中になれる物やそれを後押ししてくれる親切があるのは良かったです。子どもたちが生まれの格差を感じなくて済むような教育が望まれます。
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メディア掲載レビューほか
今つらい人に、笑って泣いてほしい
デビュー作『超高速! 参勤交代』が小説も映画もヒットした土橋章宏さん。新作『スマイリング!』はデビュー前に函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリを受賞した作品がもとになっている。
「僕は大学時代にオートバイで北海道をよく走りまわっていたんです。景色がよかったんですよ。社会人になった頃にロードレースが流行りだして自分でもロードバイクに乗るようになり、これは題材にして書かなきゃ、と思ったのです」
函館に暮らす貧しく孤独な中学生・俊太は自転車が大好きだが、別れた父が昔買ってくれたシティサイクル(ママチャリ)は故障寸前、高価なロードバイクを乗りまわすクラスメイトたちの中ではずれ気味だ。しかし商店街のちっぽけな個人商店「岩熊自転車」の主人と出会い、かつて「ツール・ド・フランス」にメカニックとして帯同したこともある岩熊と「ツール・ド・函館」ジュニア部門レースの制覇を目指すようになる。王道のスポ根エンターテイメントだが、俊太のママチャリを岩熊がロードレース用に改造していくシーンなどの機械描写、また「パンチャー(瞬発力で勝負するタイプの競技者)」と岩熊に分類された小柄な俊太が肉体を鍛え上げていくリアルな身体描写が読ませる。
「大藪春彦さんのファンなのですが、大藪さんの描写というのは、銃に関することが延々3ページくらい書いてあったり(笑)。小説には、よく分からなくても書き込むくらいのマニアックなところがあった方がいいんじゃないかな。今回も自転車屋さんやジムトレーナーに取材して、もう、きっちり書こうと思ったんです」
主人公が滑走するときに頭上に流れていく函館近辺の景色がのびやかだ。
「地元の人から色々なコースを案内してもらって写真に撮り、それを見ながら書きました。志賀直哉の『城の崎にて』とか、描写の巧い文学者って物凄く目がいい。僕はそれほど目がよくないので、だったら現代の機械の力を借りて書けば目がいいのと一緒かな、と思って(笑)」
走行中に俊太が発する「ににににににに……!」といううなり声が印象的だ。
「構ってもらえず、ネグレクト気味に育った子供って独自の言葉を呟いたりするんです。母親にかえりみてもらえない彼もそうだろう、と。僕は児童問題や貧困、介護問題などに関心があって、今つらい状況にある人が楽しい気分になる小説を書いていきたいのです」
評者:「週刊文春」編集部
(週刊文春 2017.01.01掲載)
内容紹介
函館市内の中学校に通う関口俊太は、ロードバイクにあこがれていた。
だが、父は失踪。母は水商売で、お金も愛情にも恵まれず、一人、ママチャリでトレーニングする毎日だった……。
そんな俊太を回りは憐れみ、あるいはからかう。
だが、ある日、岩熊自転車という自転車屋の店長との出会いが、俊太を変えることに! 」
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5冊目の土橋章宏の本。星五つ。
自転車レースの話。主人公は中学生。母親もキャバ嬢でシングルマザーで、その上いわゆる毒親的な所もある。そんな中で育った少年が、岩熊自転車店のオヤジと出逢い、ツールド函館のジュニア部門に参加する話。
生きていくのが申し訳ない気持ちだったり、自分だけが不幸を背負う負け犬根性であったりと、さんざんな少年が、立ち直り、周りのおとなの傷を気が付いたりと、自己啓発的な要素がとても感動する。
土橋氏の本では一番面白かった。
下記に特に自己啓発的な、励ましの台詞を抜き出す(岩熊自転車のおっちゃんが主人公に):
134:いつの時代にも、めぐまれたやつってのはいる。でもな、男は配られたカードだけで勝負しなきゃならねえ。
144:前にも言ったろ。夢と仲間がありゃいい。夢を追ってればきっとおまえと同じようなやつと出会う。世界の端っこにはわりと人数がかたまってるんだぜ。
176:簡単に諦めるな俊太。絶望は愚か者の結論に過ぎん。
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超高速参勤交代を読んで、この作者にきょうみをもち、読んでみました。時代背景もストーリーも違いますが、爽快さや、登場人物のキャラ立ち感がまさに同じで、一気に読めて、面白かったです。
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4.2
ロードバイク乗りなので、楽しんで読めました。
若い頃からロードバイクを知って居ればなぁ、と思いながら、今は今で色々な所に行けて楽しいですけど。
自転車の楽しさを目一杯詰め込んだ話でした。
深さはありませんが、爽やかです。
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周りの友達は親にロードバイクを買ってもらったが、シングルマザーである俊太は、お金がなくママチャリで走っていた。そして、たまたま知り合った自転車屋のおっちゃんが昔、ツールドフランスにメカニックとして出ていた!そして、この出会いがきっかけで俊太はツールド函館ジュニア部門に参加し、優勝してしまう!なかなかいい青春小説でした。
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確かにベタな展開ではあるんだけど、最後はウルっときてしまう素敵な話でした。
難解な日本映画ではなくて、単純に喜怒哀楽の展開な外国映画のような作品です。
私は泣けました。
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図書館で。
親は子供を選べないって言うけど、子供も親を選べないものなぁ。店長と主人公のやり取りが良いなって思いました。親や学校だけじゃなくて、子供の居る事を容認してくれる場があるのは大事だなぁって思いました。