これまでどおりに
2016/05/05 07:54
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投稿者:おばQ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼちぼちと将来のことを考えなければいけないと思い、漠然とした不安があったなか、本書をみつけて購入。
具体的な事例をもとに、下流老人となる過程についての記載があったことにより、現状をイメージすることはできた。
第6章の自分でできる防衛策について、もう少し踏み込んだ記載があれば、自分にあてはめて考えられることができたとは思う。
仕事以外の人間関係の構築、健康、本業を頑張ること、自分はこの3つを当面行うことにより、中流老人になれればいいな。
不安感の解消は期待できないが、真剣に読むべき本だ!
2015/11/09 20:54
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投稿者:Kurosuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
・今の自分はまだまだ恵まれていると思っていたが、根拠のない老後に対する「何とかなるさ」がもろくも崩れ落ちた。危機感をもって自分でできることは将来を見越して予め対応すべきだと感じた。しかしながら、一人でできることの限界も理解できた。全日本人にとっての住みよい社会の実現に向けて、著者のような考え方を持った人が一人でも多く現れることを期待したい。
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著者は、埼玉でホームレスなどの生活困窮者を支援しているNPO「ほっとプラス」の代表理事。「病児保育」の駒崎 弘樹や「ブラック企業」の今野晴貴と年齢が近く、次世代福祉系オピニオンリーダーの一人として注目されている。
「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」で、現在その数600~700万人と推定され、今後も一層広がっていくと予想されている。
この本では、高齢者貧困問題の実態、発生要因、社会的影響範囲、予防策、制度的対策などが網羅的に記述されていて、全体像の把握に役立つ。読んでわかるのは、誰にでも下流化の可能性があるということ。そういう社会構造になっている。
老後の心配はまだ早い、あるいは既にいま生活が苦しく老後の心配どころではないと思っている若い人ほど今のうちに読んでほしい。社会構造を変えるには、若い人の政治参加が欠かせない。
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『1:収入が著しく少「ない」
2:十分な貯蓄が「ない」
3:頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)』
な老人はたくさんいる。
国民年金のみの生活は生活保護以下の貧困レベル。
(厚生年金があっても世帯構成によっては貧しい)
貯蓄があっても親の介護、子の扶養、医療費などで食いつぶすため
多くの人がここに落ちるリスクを抱えている。
これまで老人が豊かだったかどうかは疑問だが、核家族化、少子化により孤独な老人が増えたと理解した。
個人レベルでできることは貯蓄する、負債となる土地などを手放す、生活保護がもらえるのであればもらう、地域コミュニティに参加して人脈をつくるなど。
行政レベルでは対策を打ち出せていないように見えた。
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なかなか。
日本の将来は暗いと思わされる。大きな問題なのに、先送りされていると感じる。
節制した、収入に応じた生活を今から心がけよう。
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高齢者はお金を持っていると昔は思ってていたけれど、それは家族(子供や孫)がお金や介護など生活全般の面倒を見ていたから年金で十分足りていただけだったらしい。
確かに核家族化していて同居するということは難しい。
貯金が三千万円あっても底をついてしまった実話も恐ろしい。
最近、介護や認知症、老後の生活について凄く不安を抱いている。
そして、これを読んで更にそれは膨らんでしまった。
生活保護は確かに権利である。けれど今の国の現状ではどこまで耐えうるか。
「無料定額診療事業」「高額療養費助成制度」は覚えておく。
あとは、人とのつながりと貯金。
ため息しか出ない。
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単に生活困窮な老人のルポではない。
下流老人がどのような理由でその境遇に追い込まれるのか、主には社会の構造にその原因がある。
また、下流老人を生み出す素因として、若い人達の特徴を記述することにも成功している。
残念ながら、日本は以前より貧乏になっていっている。
個人ができることは、「人の縁」を大切にして、いざという時のセーフティネットにせよと筆者は述べている。これは「最底辺女子」で鈴木大介が繰り返し述べていたことであるが、同じような境遇の人たちを取材した両者が同じような提言をしていることも興味深い。
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老後に破産する怖れのある人々。
現在低年収なだけでなく、現役時代に高給取りで十分な年金や退職金があっても、なりうるリスクを孕む。家族の失業、疾病、介護、借金、負債となる不動産相続、さらには熟年離婚(による年金分割)そして…自分以外の要素でも貧困になる。これは老人だけでなく、生涯未婚の多いいまの若者にもその予備軍がいる。
若い人が読んでも損はない。
ただ、老後破産しないためのアドバイスは、すべてがすべて役に立ちそうもないけども。
対処策としては、現役時代から貯蓄、家計管理、いざというとき助け合える人間関係、正しい生活保護の知識、低所得者への家賃補助など。
生活保護の保険化にして、恩恵でなく権利にすればよい、というが、そもそも年金自体が保険みたいなもの。保険というのは、支払者が多く受給者が少なければいい仕組み。そもそも、生活保護は不動産保有者は受けられないので、古い家を相続したがリストラされたという人が受けられない。この点についてコラムで指摘してはいるが、借家に対する公的住宅費保護について述べるにとどまる。固定資産税を下げるとか、改装費に補助を与える、もしくは住宅の出費は税額控除されるというほうが望ましい。
消費を活発にするならば、消費税は上げてもいいが、必要最低限の消費物には税額控除が受けられるという方がよいのではなかろうか。
企業の福祉厚生は生活の負担を楽にするという恩恵があったが、非正規雇用の拡大で厳しい。アベノミクスで景気がよくなっても中小企業や個人事業主などには還元されていない。
震災復興が進まないうちに巨額の予算がオリンピック関連で組まれ、公共事業が活発して不要な道路がまた増えている。
そもそも、人口減少、少子化を想定していなかった。
年金も定年後の収入源や不労所得、子どもからの支援あって成り立つシステムだった。
けっきょく行き着く結論は格差論で、企業の内部留保を削れ、資産課税をとなるが、いまの日本にその体力はあるだろうか。若者を長時間労働で酷使して結婚も育児もそして介護もさせないようにしている、一部の老人長者たちが独り勝ちしているこの日本で。
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"現在の日本は様々な問題を抱え、
なかなか厳しい状況にあるわけですが、
この本を読んだ時、自分が思っているよりもずっとずっと・・
現状の問題の切実さが見えてきました。
二極化が進む現在の社会の中でも、
高齢者はそれでも恵まれていると思っていましたが、
これが全く違っていました・・・・・
その高齢者の多くが貧困化している現状・・・・
これは驚かされるものでした・・・
この本は日本人全員に必読の1冊だと思います。
自分はこれからも、CCメンバーひとりひとりが、
今後の困難な時代を切り抜けていくための様々な知恵・方法を
創っていきたいと思いますが、
深刻な現状を再度理解をすること。。。
これを改めてそれぞれに行ってほしいと思います。"
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下流老人というショッキングなタイトルに興味を持って購入。感想としては他人ごとではない。順調そうに見えていても、歯車がいったん狂えばどうなるかわからない。筆者が主張するように社会全体の課題として扱い、改善されていくべきと感じた。
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「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」とあって、まもなく日本の高齢者の9割が下流化する、と本のそでにあった。どこからそういう数字がはじき出されたのか、結局わからんかったのだが、今後増えるだろうことは容易に想像できる。
下流老人を増やさない為には・・・住まいの貧困を無くすという提言あたりは、良い着眼と思った。
何せ、日本の住宅政策は、戦後、住宅を消費財の対象として経済成長を続けることが出来たという歴史的背景があってここまで来ているんだそうだが、今やゴーストタウンと化したマンモス住宅や人の住んでいない廃家問題が表面化しているので、こういう問題とセットにして何とかならんのかねぇ?
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日本の高齢者の格差と貧困は極めて深刻であり、今後も一層広がっていく。普通に暮してきた人々が、老後を迎えて、普通の生活が送れなくなってしまうような事態が起きている。政策や制度を変えるべき。
みんなが不安だと思います。
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高齢者の貧困に歯止めがかからない。
著者は貧困の現場で活動しているNPO法人ほっとプラス代表理事。
「貧困問題」といえば、児童や女性や若者の貧困問題はよくメディアにも紹介され、非正規雇用やブラック企業の所得の搾取や過労死や生活レベルの低下とともに伝えられる。
著者によれば、OECDが発表した日本の相対的貧困率は、16.1%(2012年)に達し、過去最悪。加盟国34ヶ国のうち、6番目に高い数値で、子供の貧困も16.3%(2012年)と高水準。
その水準により格差が固定し、生涯低所得の仕事にしか就けない人々が繰り返し生み出される危険性があるという。
しかし、問題はそれだけではなかった。
高齢者の貧困が止まらない。
非正規雇用で働いてきた人々だけではなく、銀行員や大企業の社員も全く例外ではないという。
いい会社に入り、コツコツ貯金して保険金など合わせて4000万円貯めたから年金と合わせて安心、という時代ではなくなってきている。それでもトントン、ジリ貧で乗り切れるかどうかというのが現状のようである。
つまり、日本の今の社会制度や営みや感覚が、ここまで高齢者で溢れる世の中を想定していないのである。
また、自己責任イデオロギーの蔓延により、様々な社会制度を受けようとすることに対しスティグマ感(恥辱感)が「オカミ」や世間に対して根強く残っているという。
年金だけでは生活出来ない場合、年金プラス生活保護という形もあり得るが、申請主義も手伝い、ハードルが高いように感じてしまう。
人とのつながり(関係性の構築を通じてのセーフティネットの構築)、メンタルケア、社会制度の利用、意識づけ、医療を受けやすくすること(重病化の阻止)、そして資産形成(貯蓄だけではダメ!)など、様々な網を張り巡らすことでその人は幸福に死んでいける。
どれが欠けてもいけないが、現状ではどれもが底抜けの状態にあり、貧困対策をほとんど何も政府も対策を打たないことから、全く解決の見込みはなく、益々酷くなっていくのは目に見えている。
げんざい、貧困状態にある高齢者への対策や、これから高齢者になっていく人たちへはその予防策も書かれている。
他国に対して強くありたいと願い、一部の特権階級やお友達の意見しか聞かない今の政府(リーダー)に、足元をしっかり見て、国民がどれだけ危機的状況にあるのか、そして現在の利権をどう整理し、再分配に充て、社会制度を新しく変えていくことを望むのは、短期的には絶望的に感じられる。
しかし、本書でも述べられているように、歴史をみれば、そんな状況でも「そんなことは出来ない」と言われながら社会福祉や制度を確立させて来た。
まずは現状を認識し、見たくなくても現実を直視すること。
そして、明らかに出遅れ(欧州では1970年代から政策が考えられている)感は満載だが、そこからそっぽを向いてしまうのではなく、変革の必要性を訴え続けていくしか、もう後に道はない。
「自立」とは、誰にも何にも頼らずに一人で生きていくことではない。依存できるものを数多く見つけ、互いに支えられる中で幸せに生きていけることだ。それぞれがバラ色の人生を送れるよう��、自助と共助をどちらも主体的にこなし、情報難民にならないように、より一層気をつけないといけないと思った。
みんな必ず年老いていく。 だから、考えることを止めず、互いを愛することを躊躇わずに、高齢者幸福社会を目指してみんなで歩んでいくべきだ。
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この国は崩壊に向かっているんだろうなーということを実感する本。新自由主義や自己責任論が跋扈して、みんながある程度等しく豊かに、安心して過ごしたいと希望は踏みにじられていく。これだけ老後が長くなると、誰もが貧困に陥る可能性があるので、それを肌感覚で知っているので、若い世代は今現在の消費に後ろ向きになる。そして経済は停滞する。
ただ、著者の提案する解決法は、概ねその通りだと思うが、生活保護を使いやすく・・・などはコストがかかりすぎる、と思う。行政は肥大化するばかりで、無駄なコストや癒着は増大するだろう。マイナンバーが導入された今だからこそ、ベーシックインカムを検討して欲しいと思うのである。
まず現状を知る、そのためのおすすめの本。
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今、話題の本。一気読み。著者による「下流老人」の特徴は1.収入が著しく少ない、2.十分な貯蓄がない、3.頼れる人間がいない(社会的孤立)であり、一言で言うと「あらゆるセーフティネットを失った状態」。このような老人が増えているのは、現在の社会構造に公共の制度が追いついてないためで、「自己責任」や「自助努力」で解決できる問題ではない。これは人事でもなく誰もがなりうる問題であることを事例を通じて説明されているが、日々の日常臨床でも経験することである。もっと大きな問題は近い将来は年収400万円以下は下流化のリスクが高く、「一億総下流」の時代がやってくる可能性が高いということだ。帯には年収400万でも将来、生活保護レベルの暮らしにと書かれているが、生活保護基準がどんどん下げられている現状では、今後は生活保護でも健康で文化的な生活が維持できるかは保証できない。この問題は今後も含めた社会保障をどう考えるかという大きな問題である。現在、国を二分する問題で大きなソーシャルアクションが起こっているが、社会保障問題も同様にソーシャルアクションが必要な分野である。