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小難しい専門用語は読み飛ばし…
ゾンビの症状を解説するという体を取りつつ、脳の認識の仕組みを多角的に読み解いていく。脳に起因するいろんな病気の解説やゾンビ化の原因考察がおもしろい。
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ゾンビはもともとブードゥー教で、作られる存在らしいです。(現在は禁止されているそうですが)
腕をだらーっとたらして、のろのろと動き、自分の意志がない状態。これがゾンビの状態ですが、この状態は、果たして脳がどういうときに、起こりうるのか。これを科学的に検証したのがこの本。
SPAで空想科学研究所みたいなのが連載されていたが、それのゾンビ版。軽く読めて面白かったです。
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誤解を招きやすい帯ですが、メインはゾンビではありません。ゾンビでわかる「神経科学」です。ゾンビマニアな神経学者二人が、ゾンビ的な動物やゾンビ的な行動を元に、生きている人の脳のしくみを解説する、ちょっと難しめな入門書。
最初はなかなか読み進まなかったのですが、一度勢いに乗るとこれが頗る面白い。クジラの半球睡眠、ホヤの脳消化、首なし鶏のマイク…。においが記憶を呼び覚ますのは、嗅覚だけが視床を通過せずダイレクトに新皮質、とくに感情と記憶を処理する皮質領域に到達するから。カプグラ妄想やコタール妄想も興味深いです。
第11章、脳をハッキングする話。これもすごい。脳にDBS(脳深部刺激)という小型の電極を埋め込んで特定の電気信号を変え、パーキンソン病などを治療しようという試み。文字通り、脳をハックするんですね。SFの世界だ。それからオキシトシンに警鐘を鳴らしているのには溜飲が下がりました。p141《オキシトシンは自分の属する社会集団の内部で仲間意識を高めたり社会的行動を増やしたりすると思われるが、外部にいる者への攻撃性を強めることになる。》
いろいろ楽しくて書ききれないのですが、ブラウン=セカールの研究「動物の睾丸から採取した液体の男性への皮下注射が生じさせる影響についてのノート」(1889)はもう少し調べてみたい。本書には結論が載っていなかったので。あと、テレビでたまに見かける猫屋敷の怒りっぽいおばさんは、トキソプラズマに感染しているんじゃないかしらとか。
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「ゾンビで生じる神経科学的におかしな動作」を話の種に、「人間の脳神経科学について解説する」本。
最近流行りの「走るゾンビ」と古典的な「ゆっくり歩くゾンビ」は脳科学的には小さな差があることが示されています。あくまでも想像でしかありませんが、綿密なロジックによる説得力は圧巻でした。
非常に面白かったのですが、もう少し図表が多いと理解が深まるような気がしました。
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ゾンビ映画好きなら必読。
と言いたいが、内容は結構真面目に巫山戯ている。
ゾンビという架空の存在に対して無理矢理脳科学でその仕組みを解明していこうとする。
例えて言うなら空想科学読本が最も近いだろうか。
考察の道具となっている脳科学に関しての記述は
いたって真面目。
リアルな学者がリアルな学問で空想の世界を
形作っていく。
医学に疎い人間からすれば聞き慣れない言葉の大盛り。
しかしこの本を読み込んでからゾンビ映画を視聴、
あるいはゲームをプレイすれば、
それまでとは違ったモノが見えて来るだろう。
以前はただ状況に翻弄される一般人だったモブから
事件の真相を究明する科学者にジョブチェンジ。
一人ではつまらない。
友達の前で披露してやれ。