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ラストベルト 錆びついた工業地帯
オハイオ州マホンング郡ヤングズタウン
かつて米国を代表する製鉄の街
ケンタッキー州アイネズ アパラチアの貧困の代名詞
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かつてはブルーステーツ(民主党支持)呼ばれ、トランプ大統領が赤(共和党支持)く染めたラストベルト諸州を丹念に取材し、現地の人々と交流し、彼らの本音を引き出し、米国の変容を描いた好著です。トランプ支持者は一般的にはヒルビリーと呼ばれ無学で怠け者といったレッテルが貼られていますが、本書での取材からは学歴は無いものの人間味のある真面目な働き者といった印象でした。ちなみに、著者の金成氏はトランプ大統領には批判的です。
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良書。米国のミドルクラスの没落について書かれているのに、日本の事のように思えて読んでしまった。
・製造業の減少とサービス業の増加。
・親世代より豊かになれない子供世代。(日本でも団塊世代vs氷河期世代の問題)
・親世代と同じ職業でも求められるスキル、学歴は圧倒的に高レベルな子供世代。
そして進学の為には多額の学費負担が必要で、卒業時の借金は1000万円相当。(日本でも奨学金の返済問題)
などなど。
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2016年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプが勝利したことには非常に違和感があったため、トランプ勝利の理由を知りたかった。本書がこの気持ちに的確に答えてくれた。
ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス等の大都市圏に住む人々からアメリカ人のイメージを思い浮かべていたため、ヒラリー・クリントンが勝利すると思っていたが、本書のルポから有権者の生活実態を全米規模で考えればトランプ勝利もあり得ることが理解できた。
アメリカの「ミドルクラス」が抱える悩み、最早アメリカンドリームを思い描けない現実が、トランプが発する心地よい演説に魅せられたトランプ支持者を生み出したようだ。
日本でも、真面目に働いても生活が以前よりも良くなるとは言えないのが現状である。将来の日本において、トランプの様なポピュリストが政治の要職に就くことがあるのか、気になるところである。
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14州150人の人たちに丁寧にインタビューし、自由貿易による恩恵が十分でなく、より安い労働力に取って変わられ仕事を失ったり、収入が十分でなくなった人たちの不満、不安がトランプ支持につながった背景が非常に納得できた。
全面的にトランプを支持し手弁当で活動を応援する人、差別発言等は受け入れがたいと思いつつ今までの違うことをしてくれるのではと期待する人、オバマを支持しつつも「変化」を求める人、現状の政治に期待できず一度くらいトランプに任せてみようかと思った人など、立場も想いも様々であるようだ。
トランプのPR、人の心をつかむ振る舞い、スピーチの上手さもなるほどと思わされる。一方で発言内容のエビデンスのない点も指摘されている。
たとえば不法移民は税金を払わず、福祉に頼っているとの意見が繰り返されたが、「半数の不法移民が所得税を払っている。買い物の消費税や、住居の固定資産税も払っている」「不法移民により払われた地方税と州税の年間合計は116億ドル」にも上るそう(p.218)。
またオバマケアの国民皆保険制や移民の保険金についての不満についても、不法移民の多くが「保険料をはらっており、支払額は年間150億ドル」「彼ら推定310万人の支払いがなければ予算不足になる」との社会保障庁の見解も紹介されていた(p.14)。
さらに国民全体の意見としては、「雇用や住居を奪うという理由で移民を「重荷」と見る人の割合は激減し、逆に勤勉さや才能で社会を「強化」していると捉える人は増加している」のだそう(p.135)。
問題は当選後。これからトランプはアメリカの大統領としてどんな政治を展開していくのだろう。選挙スピーチでは具体的な方法、方策は示さず、現状のダメな点を指摘し、自分はうまくできる、と言うことで支持を得られても、実際の政治ではどう解決していくのか。選挙で終わりでなく、これからのトランプの、そしてアメリカの動向が気になる。
インタビューの発言で非常に心に残った意見、「インターネットの影響で(略)自分の好きな情報だけを選んで見られるようになった」「そのため自分と同じ考えを持っている人としか話さなくなって、そうすると不満を持つ人同士がどんどんつながる」(p.193)という言葉、非常に納得した。
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イギリスのEU離脱もしかり、世界はグローバル化してるように見えてだんだん反グローバリズムが進んでいるように感じました
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トランプ支持者達の状況がよくわかった。時代と共に主要産業の交代は不可避だが、不幸な人々がでないように移行するのは難しいと思った。白人の寿命が下がっているという情報はインパクトがあった。
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トランプ支持層と言うか、ミドルクラスの没落についてのルポ。刺さり過ぎる…
て言うか、日本はアメリカより没落度合い進んでるんじゃ…
と思いつつ、ここに感想書きに来たら、日本もこの先こうなりそう、みたいな感想が並んでて驚きました…
私人一倍早々没落してたか…orz
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メディア等で多くの米国民がトランプ大統領の誕生に反対しているように見えた中、なぜ(得票総数そのものはクリントン氏を超えなかったが)大統領選で勝利することができたのか、という問いに現場面から答えようとする本。
「反グローバリゼーションとポピュリズム~『トランプ化』する世界」(神保哲生氏等著)においてもトランプ大統領誕生の要因の一つとして語られていた、ラストベルトに住む人々への訴求について、実際に当該地帯に住みトランプ氏に投票した人々の生の声を知ることができる。
本書に登場するラストベルトの人々に共通するのは、かつて真面目に働けばそれなりに豊かな暮らしが出来た上向きの時代(著者はアメリカン・ドリームとも表現している)への郷愁と自身ないし彼らの子孫の(そうした生活を享受することのできる)ミドル・クラスからの没落に対する危機感であった。トランプ氏の発言には論理的でない(矛盾する)面もあったり、事実に即していない点、具体性に欠ける点などもあったが、彼らはトランプ氏の掲げる理想(大きな方向性)に共感するとともに、特定団体からの献金に頼らずストレートな物言いのトランプ氏に(エスタブリッシュメントが政治を支配する現状からの変化という)希望を見出したのである。
本書の最終章では現場でのインタビューを踏まえてトランプ大統領が誕生した背景と民主主義への影響についての考察がなされている。グローバリゼーションによって得をした(所得が大きく上昇した)のは先進国の最上層と新興国の中流層(先進国の中流層は相対的な敗者)であり、この点が本書で取り上げられたような人々が登場した背景になったと筆者は説明している。また、今回の大統領選によって、民主主義の根幹である政府の正当性や言論の自由(暴力の否定)が脅かされる恐れがあるとの指摘もなされている。
本書に出てくるラストベルトの人々と同じような境遇の人は、我が国においても増加しているのではないかと実感する。マクロ経済的にはグローバリゼーション・自由貿易は是認されるべきものであろうが、急速な変化に乗り遅れ得る人々への対応・迅速な国内産業構造の転換をどのように行うべきか、政府には難しい舵取りが求められる、という点が含意されている。Brexitの例にも示されるように、今後当面は(先進各国において)グローバリゼーション及びそれに伴う急速な変化への反動として、このような潮流が予想されるだろう。
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差別的・攻撃的で根拠のないでまかせを平気で口にするトランプが米国大統領になってしまったことは、日本から見ていると何かの間違い(事故)みたいに思えるけれど、この本を読めば実は彼がなるべくして大統領になったということがわかります。
かつて栄えた鉄鋼業などの重厚長大型産業が衰退し、移民が増え、企業が海外に生産拠点を移したことなどで失業者が増えたラストベルト(錆びついた工業地帯)と呼ばれる地域(ミシガン州、オハイオ州、ウイスコンシン州など)を中心に、トランプは熱烈に支持されてきたようです。トランプを支持する人たちは現状に不満を持ち、「アメリカン・ドリームは終わってしまった」、「自分たちは置き去りにされた」という思いを抱いている。エスタブリッシュメント(既得権者≒一部の富裕層)に対する彼らの反感と怒りが、トランプ勝利の原動力のようです。トランプは彼らに理想を語るのではなく、彼らの敵意を煽ることで支持を集めました。
自由貿易と移民を悪者に仕立て、「TPPから離脱する」、「メキシコ国境に壁を作る」などのバカげているけど単純で分かりやすい主張をするトランプ。その主張に希望を託さざるを得ないごく普通の(むしろ思いやりのある誠実な)人たち。やはりアメリカは病んでいるのですね。
“トマスの双子の兄フランク(42)が来て「この地図、ちょっと違うな」と言い、ノートに何やら描き加え始めた。メキシコ国境沿いの壁だ。「トランプが美しい壁を造るんだ」” ── トランプを応援している人たちは、こんなにも生真面目だから悲しい。
著者は朝日新聞記者。大統領選までのおよそ一年間に約150人もの人たちにインタビューしてこの本をまとめたそうです。インタビューの結果を書いた第1~6章はどこの街でも同じような話が多く少し退屈だと感じましたが、トランプ勝利の意味を分析する第7章を読むに至って、足で稼いで積み上げられた事実の重みが説得力につながっていると感じました。
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【由来】
・図書館の岩波アラート
【期待したもの】
・
【要約】
・
【ノート】
・とても面白く読んだ。アメリカ大統領選でトランプに投票した人々へのインタビュー。
・田中宇の評を読むとトランプ像も随分とメディアで喧伝されているものとは違った様相を呈してくるのだが、本書はまた、それとは違った、草の根のトランプ支持層の姿のルポだ。
・彼らがどれだけSNSなどのネットの影響を受けたのかがわかるとまた面白い。決して全てが操作されたとは思わないが、こんな記事もある(※要出典)のでね。
・それにしても、例によってチョムスキーがトランプ当選を口を極めて悪く言っちょるが(※要出典)、メディアと権力による大衆操作を批判してたのだから、トランプとは波長が合う部分もあるのではないかと思うんだけどなあ。
【目次】
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大統領に就任した途端に支持した米国民は失望するに違いない、そう確信していた。ところが、就任1年を迎える昨年の今ごろ、経済政策ではかなり評価され、外交でも速断を明確に下し、敵対国の首脳との会談をもこなして、政権担当能力は及第点を得ていた。先の中間選挙では、下院で敗れたが上院は守った。現在はメキシコ国境の壁建設をめぐり、政府機関の閉鎖を盾にゴリ押しの様相だ。道理の有無はともかく、実現性がいかにも乏しかった選挙公約を果たそうとする姿勢はあるんだわ。この本で取材を受ける米国中間層の皆さん、ご不満は分かるけれど、かつて圧倒的先進国だったころの米国には回帰できないし、すべきでもない。もはや重厚長大での経済発展はありえないし、往時の繁栄は貧国との相対関係によるんでしょうに。
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単なるラストベルト中心のインタビュー集、まとめはさすがに新聞記者だけあり立派だが、いかんせん中身が薄い。
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トランプがなぜ大統領になったのか。
大統領になる1年以上前からの筆者の取材でトランプ支持者を中心とした人々の考え、意見、思いがこの本に詰められている。
6297万票のうちほんの一部の人びとを扱っただけとも言えるけれど、アメリカの地方の人びとの生の声は、これこれだけも多くの人々がトランプに票を入れたのか、そしてアメリカという遠くて大きな国が今置かれている現状について理解するために欠かせない貴重なものであると思う。
個人的にこの本を読んで納得したことは、トランプの資金力がどう受け止められているか。つまり、特定団体からの政治資金を必要とせず、自力で物事を成し遂げることができる、という、非常に現実的な点が、トランプの特性を活かし、当選に導いた一つのカギだったということ。
これで、明らかに既得権益層にいると考えられるトランプがなぜ反エスタブリッシュ候補として支持され選ばれたかの説明が少しついた。
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*内容に触れているけど、内容に触れて興を削ぐような本ではないのでネタバレ仕様にはしていません。
THクックの『蜘蛛の巣のなかへ』を読んでいて、ふっと読んでみたくなった本。
朝日新聞のニューヨーク特派員である著者が、その舞台(アパラチア)の地域や近接するいわゆるラストベルト地帯に住む人々に2016年のアメリカ大統領選挙の時のインタビューをまとめたもの。
ただ、正直言うとインタビューの内容は、ちょっと期待外れだった感がなきにしもあらず。
というのも、第2章の冒頭でブルース・スプリングスティーンの「ヤングスタウン」が紹介されるのだが、そういったスプリングスティーンやジョン・メレンキャンプ等、アメリカのスモールタウンソングを歌うミュージシャンに親しんできた自分みたいなのからすると想像した範囲内のことが多かったからだと思う。
「トランプ現象」なんて言われだした頃、その震源地が「ラストベルト」と言われるエリアだというのは日本のニュースでも伝えられていた。それを知ってしまえば、そういったスモールタウンソングの歌詞を思い出し、おぼろげにでもイメージ出来たのだ。
そんなわけで、ラストベルトやアパラチアについて書かれた5章までは面白いのは面白いのだが、興味という点でちょっとイマイチ。
でも、サンダース候補について書かれた6章、アメリカンドリームの終わり(?)について書かれた7章はとても興味深く読んだ。
サンダース候補の日本での報道はトランプさんとヒラリー・クリントンに比べると少なかったとはいえ、それでもその偏屈な面白さは十分に伝わっていたように思う。
「こういう人って、今の日本の政治家にいる?」、「あ、強いて言えば、橋下徹?(異論反論そーと―あるだろうけどw)」
「ただ、橋下さんだと、(サンダースみたいな)ついクスっとしちゃう可笑し味がないんだよなぁー」なんて(笑)
サンダース候補と付き合いが長いという地元の新聞社のアキ・ソガ編集長によれば、“いつも機嫌が悪い、おじいさんのイメージ”だとかで、まさにTVの演説通りの人なんだなーと感心したり、呆れたり。
そのサンダース候補を支持している(た)人によれば、サンダース候補が“「週40時間働いている人が貧困に陥るべきではない」と言っているのを聞いて、これだ。この人を応援しようと思った”とのことで、そんなの聞いたら日本人の自分でも応援したくなるw
というか、今の日本の政治家や役人で(に限らず経済人、あるいは一般の人でも)それをそう言える人、どれだけいるんだろう?
もちろん、そこには、たんなる自己満足の感情論だけで無責任に働き方改革と旗を振っている人たちは含まれない。
そんなわけでサンダース候補の章はかなり面白かったのだが、1章しか割かれてなくて残念だった。
次いで終章である7章、これはいろいろ示唆に富んでいて相当考えさせられる。
まず、大統領選挙の討論会の前、トランプ陣営は支持者にヒラリー・クリントンを具体的にどんな風に悪口言えばいいか?をアンケートしていたというのには、大笑いしてしまった。
もはや、「勝てるわけねーよ、ヒラリー・クリントン」という感じw
ヒラリー・クリントンって、関係ない日本の自分から見ても金持ち臭プンプンで憤懣やるかたないって感じだったから。そういう層(既得権益層)に反感を持っていた人からしたら、そのアンケートはさぞ溜飲が下がったろうなぁーw
ま、金持ち臭プンプンで辟易といえばトランプさんはそれ以上なわけで、支持者がそれに文句言わないのは不思議なんだけどさ(もしかして、そここそがトランプさんのご人徳?爆)。
ていうか、その手法。選挙への関心がやたら低い日本も、もしかしたらそんな風に選挙を盛り上げたらいいんじゃない?なんて(笑)
日々生活していれば、要望や言い分は誰しもあるわけで。候補者がそれを巧みにすくい上げて他の候補者と論戦したり、あてこすりし合ったら、みんなたちまち選挙に関心を持つと思うけど。
あ、でも、今の日本の政治家は、投票に行かない層が投票に行かないからこそ自分(自党)が安定した票を得られると知っているから、そんなことさせるわけないか?w
「分断はよくない!」とか、もっともらしいこと言ってさ(笑)
ていうか、マスコミもよく「(アメリカの)分断が進んだ」って言っているけど、そぉ~お?
暴力事件等が起きているのは事実だけど、でもそれは昔からあったことで、ある意味それこそが良くも悪くもアメリカだったりするんじゃないのかな?
そもそも分断したらしたで、政治家が外に「民主主義の敵」を作って、たちまち団結。戦争をすることで国民のガス抜きしてきたのがアメリカじゃん(笑)
それはともかく、選挙をエンターティンメントとして庶民を楽しませて支持を集めるという点で、トランプさんは一枚上手だったということか。
ていうか、先週の相撲のアメリカ大統領杯贈呈の時の心底嬉しそうな顔が示しているように、実は(自分に歓声をおくる)観衆を楽しませることが大好きな人、ということにすぎなかったりして?w
次いで一番考えさせられたこと、それは7章の表題にもなっている、アメリカンドリームの終焉だ。
つまり、P244にあるように“「高校を卒業すればミドルクラスになれた」という時代は、もはや特定の時期に、特定の国に起きた奇跡と捉えた方がよさそうだ。「雇用を取り戻す」と言い切ったトランプが大統領になっても、かつてのような時代は戻ってこないだろう”ということだ(なのだろう)。
ただ、著者は直接そうは書いていないが、それは「終焉」というよりは「変化」なのだろう。
つまり、書かれているように、“先進国で食べていける技能が、より高度になるだけでなく、技術革新に合わせて変わっていく以上、いわゆる「スキルギャップ(技能の差)」の問題にはどの先進国も直面している”ということで。
今や「アメリカンドリーム(注:著者は昔のアメリカのミドルクラスの豊かな暮らしという意味で使っている)」は、高校を卒業しただけでは叶えられない時代へと変わった、ということなのだろう。
日本でいうなら、それは大卒や大企業にあたるのかどうかそれはわからない。ただ、いずれにしても、毎日会社に行って仕事をして退社時間になったら帰るみたいな、言ってみればサザエさんの家のお父さんたちのよう���は暮らせないと思った方がよいということか。
著者は、さらに哲学者のローティという人の“世界経済は(略)どこの国とも共同体を作ることなど考えていない国際的上流階級によって、間もなく所有・支配されるだろう”という文章を紹介している。
“所有・支配”といっても、もちろんそれをするのは民主主義こそが為政者にとって一番都合のいい統治システムだとわかっている現代人たちがそれをするのだから、独裁や圧政といった、いわゆるディストピアがやってくるわけではないだろう。
ただ、今も多かれ少なかれそうであるように、日々の生活のため、あるいはちょっと便利のため、死ぬまで月々費用を徴収され続ける生活。さらには、払う費用やちょっと便利のために生活や自由が次第に圧迫されていく、そんな生活。
そんな生活のための膨らみ続けるそれらの費用を払うため、庶民はあくせく働かなきゃならなくなっていく……、って、あれ?それって、今と全然変わんないじゃん!?(笑)
ただ、それはアメリカだからで
。人がどんどん少なくなっていくこの日本では将来的に働く場所がなくなっている可能性もあるわけで…
以下は蛇足。
トランプさんというと「国境に美しい壁を作る」だけど、いつも不思議に思うのはなんで日本のマスコミはそれを悪いこととして報道するのだろう。
TV報道を見るかぎり、国境には今でも有刺鉄線やフェンスなのの壁があるようだ。
ただ、それは国境である以上普通のことで、トランプさんが「壁を作る」というのは今の有刺鉄線や壁では国境が守られていない現状があるからだ。
壁や有刺鉄線の柵は今でもあるわけだ。トランプさんの言う「美しい壁」wは反対だけど、今あるものはOKというのは、つまり“国境を勝手に入れる壁や柵はいいけど、トランプの壁だと入れないから駄目”ということなんだろうか?
ていうか、そもそもトランプさんが問題にしているのは、(あくまでタテマエの上は)勝手に入ってくる“不法な”移民のことだ。
その“不法な移民”を防ぐための壁について、政敵であるアメリカの民主党が反対するのはともかく。また、トランプさんにコケにされるから反トランプになっているアメリカのマスコミが反対するならともかく、日本のマスコミや評論家、エコノミストが反対するのは意味が分からない。
こないだもテレビ朝日だったかで、「国境の壁はなんの解決につながらない」とか言っていたけど、もし半島の某国から日本に難民が大挙してやってきてもそんなことを言うつもりなんだろうか?
もっとも、日本の場合、国境は海なんで。確かに「壁はなんの解決につながらない」とは思うけど(笑)
もうひとつ蛇足。
テレビのニュースでトランプさんが勝つと予想と言ってたんだったか、次期大統領と決まった直後に勝利した納得出来る理由を言ったんだかどっちかは忘れたけど、なるほどなーと感心させられたのはフジテレビの風間氏と木村太郎氏だった。
あくまで自分が見ていた範囲なので他にもいるとは思うが、その風間氏が出ていたユアタイムはユニークで面白いニュース番組だったなーと思う。
テレビのニュースというと、最近は取り澄ましたカッコばっかりつけるばかりで中身は全然ないものばかりになってしまったけど、あの番組出ていたレギュラー陣(もちろん司会の女性タレントも含む)から出てくる話に興味深いものが多かった。
変なバッシングのせいかすぐに終番になってしまったが、視聴者にチャンネルを変えられないよう視聴者が好みそうなニュースだけ選んで流している●HKを見るたんび、何で日本にはまともなニュース番組がないんだろう?と不思議に思う。