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何かが足りない。
前半を読んでいる時の感想はそんな感じでした。好きなタイプの話なのに前へ読み進める推進力が足りない。やや、間延び感があって、期待感からでなく先の展開が気になりちらちら先読みをしてしまう。
でも、いろんな困難はあったけれど、登場人物たちがそれぞれの居所を見つけて行くエンディングに入って、きれいに暖かく収まっていきます。
藤岡さんは初めて手にした作家さん。他にも色々あるようなので手を出していきます。
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服飾デザイナーの水樹45歳独身。自分が勤める会社がアパレル業界から撤退を決める。服飾デザイナーとしての自分の仕事がなくなる。そして話は過去に遡って行った。
正直前半はなかなか引き込まれることはなかった。しかし今と過去のつながりなどが見えてくると引き込まれ始めていた。後半はあっという間だった。
続きが読みたいけど再読もしてみたい。そんな不思議な読後感。じっくり読むのにオススメな一冊。
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3年ぶりに開いた。
誰かと出会って、誰かから思われて、誰かを思って。願わくば、誰かの役に立てることを願って。そうやって、人生が紡がれているよなと思う。
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まだ読んでいるけれど。
一気に読むのがもったいなくて
一度表紙を閉じました。
こんなこと、速読の私には珍しい。
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読み終わりました。
戦後から経済復興。
バブル景気とその崩壊。
私自身がその体で経験してきた
ほとんどの時代の光と陰を
この本の中で追体験した。
この日本に住まう人々の生きる現実の
その重みから 私も目を背けて生きてきた。
それぞれの闘い方で闘えばいい。
そんな正浩の言葉の誠実さに心打たれた。
この小説は私にとって本当に尊い。
何の気なしに買ったものだが
人が生きるということそのものの尊さを
初めて正面から受け止めた。
私は昭和37年生まれ。
遠子先生とほぼ同年代だ。
これからの日本を生きる…そうして
日本を立ち上がらせることの大切さを
この一編の小説から教えられた。
重い。苦しい。切ない。
しかし目を背けられない。
背けるわけにはいかない。
そんな思いを胸の中で反芻しながら読了。
タイトルからは
物語を想像できなかったのも新鮮だった。
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不運な子ども時代を生きてきた人たちが、大人になって、徐々に再起していく感動物語。結末も感動的!夢をあきらめないことの大切さが読むごとに伝わってくる内容です。水樹の会社の再生は少し無理がありそうな気がしますけど、物語の展開上仕方がないかな・・・
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デザイナーの水樹は45歳の独身女性。勤務する会社が、服飾業から撤退することをしらされ途方に暮れる。これからに迷う彼女に懐かしい記憶が蘇る。
途中から涙が止まらなかった。決して恵まれた家庭環境で育った訳ではない、水樹、信也、憲吾のピュアな心と逞しさ。そして何よりも闘う生きざまに胸を打たれた。また、人は三つの層で形成されているという言葉も印象に残る。北上次郎氏の解説どおり、藤岡さんのベスト作品になりそう。
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服飾デザイナーの瀬尾水樹は会社の服飾事業からの撤退を知らされ、失意の折に、高校3年時の進路を決めてくれた恩師遠子先生の入院を同級生の憲吾から聞き、見舞いに行くことになる。そんな中で家族で団地住まいの時の思い出を回想し、近所付き合いの幼馴染の信也・悠人に想いを馳せる。遠子先生と憲吾に会い、新たな挑戦と懐かしの出会いに巡り合う。貧乏だった家族の子供達の成長していく姿とひたむきな生き方がちょっぴり切なく描かれている。
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この本かなり好きだなぁ。
重版がかかって、新しい帯がかけられ、平台で展開されていなければ手に取らなかっただろう、と思う。売る力というのはとても重要だと思い知る。
親子の関係はきれない。きろうと思ってもまとわりつく。心が優しい人なら、そもそも親をきれない。
兄弟ならばいくらでも疎遠になれる。
だからこそ兄弟というのは重要な気がする。
著者がゆったりと成長?してきた人だからか、時間の流れがゆったりした本で、それが私にはもどかしかった。
若い頃は一瞬で、とても貴重な時間で、互いに思いあっているのならば、その時間も共有したいと思う。
でも、遅すぎることはないというか、救いのある心優しい人たちがたくさん出てくる、とてもいい本だったと思う。
互いに大切な人がいれば、男女の友情も成立するのでは。
とも思うが、水樹がいい人に出会えただけな気もする。
わたしは人間関係を良好に保つのが苦手なので、数打ちゃ当たる、を狙っていこうと思う。
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勤めている会社の事業撤退を知らされ、
次を考えざるをえなくなった45歳女性。
そんな時に幼なじみから
高校の恩師が入院したと連絡が来る。
お見舞いをしに帰省。
当時を懐かしむ自分。
あの頃出会った3兄弟は今・・・。
あの頃から、今までの自分は。
今の話より、当時の話が多い。
ひとつひとつが丁寧に。
劇的なことが起きる訳でもないが
ちゃんと今に繋がって。
人物の言葉が温かい。
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藤岡陽子 「 手のひらの音符 」
著者のモノづくりな仕事小説「おしょりん」が好きなので 読んだ。「おしょりん」に 恋愛要素を加えて 読者ターゲットを女性にした感じ?
「おしょりん」より 仕事要素は減ったが、戦略(自分なりの闘い方)の策定や 人間関係から 仕事の活路を開こうとしている点は モノづくり現場感が出ている
自分なりの闘い方
*センスは努力で磨かれる
*人の全力を笑うやつは最低
*諦める気持ちは 周りに伝染する
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主人公は45歳の独身女性。「服のマクドナルド」を目指す量販店を展開する大手から小さな会社へと転職したデザイナー。しかし自社が服飾部門から撤退することになり、思い悩む。そんな彼女の現在と過去を行きつ戻りつしながら物語は進みます。
フィクションではあるけれど、舞台になる土地の名前が詳細で、病院のある場所まで実際と合っているので、自叙伝的な部分もいくらか含まれているのかもしれないと思ったりして。
この人と会うのはこれが最後だとわかっている別れというのは、人生にどれぐらいあるものなのか。どうしているのだろうとずっと気になっている人に会えないまま生涯を終えてもいいのか。主人公と同年齢以上の、人生の折り返し地点を過ぎたぐらいの人のほうが、本作は心に沁み入ると思います。終盤の約50頁がたまらない。
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時系列が行ったり来たりするけれど読みやすい。登場人物それぞれが傷つきを抱えながら、前を向いて生きていく。大事な思い出や、寄り添ってくれる人に支えられながら、誰もが弱点も持ちながら、自分なりの戦い方を見つけて生きていけるんだと、心が温まる小説。
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世の中 思い描いたように行かないことのほうが多いけど
腐らずに、自分のやりたいことを見極めて
じっくり腰を据えてすれば、希望も持てる、
って 感じの内容かしらん?
読みやすい文体、私にしては早く読み終わった。
面白かったし、涙したり 考えることもあったけれど
なんだろ? 少し、物足りない感。
信也の手紙、ここからは読まなくていいです
の部分は よかったな。
人を好きになるのって
自分の気持ちを 押し付けたり
相手からの何かを 求めたりするんじゃなくて
ただ、純粋に その人を大切に想うこと
時には 自分の気持ちが 相手に迷惑じゃないかな
って 不安になったり...
その人に幸せになってほしい って思うこと
なんじゃないかな...
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うーん。過去と今が上手く絡まってとても読みやすい。
すごく感動!という話ではないが、読み終わるとしんみりする。
たぶん何度か読むことになるだろう。
(p. 116)
「ボールを投げてくる奴の顔を見ながら逃げる。これが悠人の闘い方や。人によって、戦い方はそれぞれ違うんや。だから、自分の闘い方を探して実行したらええねん」
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音楽の話かと思うようなタイトルだけど違います。
帯の「幸せな気分になれる」というのを見て、幸せな気分になりたかったから読んでみたけど、結局よく分かりませんでした。
登場人物たちの過去は私には想像しきれない重さですが、そんな子供たちもそれぞれの場所で大人になり、生きていく。回想シーンが多くて私も一緒になって小学生の頃を思い返していました。
みんな元気かな?