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【あらすじ】
富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。富の谷にある巨大な岩を穿って造られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。
【感想】
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なんて深い・・・。
「人間とは?」「生とは?」
深く根源を問う小説。
ミステリなんだけど、永遠の命題を投げかけられた。
今回とくに、森博嗣作品のこのシリーズで毎回ハラハラさせられる「バトル」的シーンが、
仮想空間で行われる。
体は別の場所にあり、意識だけが存在する「村」、
そこが舞台。
それがまた、
「生きているのか?」という根源に深い石を投げかける要因にもなる。
生きているって、なんだろう・・・。
生きていると、ポケットの中にいつの間にかゴミが入っていたりする。
けれど、理想の仮想空間では、そういったものは徹底的に排除される。
どちらを生きることが理想なのか?
このシリーズ、どう終わりを迎えるんだろう・・・。
森博嗣の終生の作になるかもしれない。
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安定感のあるシリーズ。この近未来の世界観にうまく入り込めると気持ちが良い。当初はひんやりした感じだったがシリーズを追うごとにちょっと熱くなるところもでてきたかな。キャラクタへの愛着か。
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前作に比べると戦闘シーンなど、盛り上がりには欠ける。
でも”富の谷”で行われていたことにはSFらしい驚きをもって読めた。
それにしても、ハギリとデボラのやりとりは面白い。少しの会話のやりとりで、面白いと思わせるところ、森作品の魅力だ〜
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自分の読解力・理解力が劣っているせいで
何故博士たちがそこを訪れることになったのか、何故、今こういった行動をしているのか、どんな問題に直面しているのかがあやふやなのだが
博士との会話のやりとり、博士の思案、が面白い。
生きるという事、技術の発展によりなかなか死ななくなった世界、記憶のバックアップ。。
自分には思いもつかない見解で面白い。
本筋がきちんと見えていればもっと気づく点がありそうだ。。
ちょっと、この世界観にハマってきた という感じ。
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テルグの村人たちのような未来は、さすがにそんなに近い未来に来るとは思わないけれど、いつかは有り得るのではないかと思わせる。
作中でも大勢的には否定されているけれど、人工細胞が動揺に否定されつつも緩やかな価値観の変遷を経ているとされていて、これも大概に流され易い大衆は受け入れてしまうのかも。
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肉体があったりなかったり人間だったりウォーカロンだったり何をもって生きているというのかますますわからない世界。ハギリの思考はとても興味深い。とぼけた会話も良い。
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ラノベのような読みやすさだった。全体的に軽く、読み応えは物足りなかったが、テーマはとても面白く、最後の生きているとはに対する人工知能とのやり取りは示唆に富んでいた。エピローグのほんわかしたやり取りで読後感も良かった。
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面白かった。が、答えの出ない難解な問いに思考が迷走する。
帯に書かれていた、天然と人工物。リアルとバーチャル。夢と現実。クリーンで綺麗な環境下での新しい生き方。
それらの中で、私たちは何をもって生きていると言えるのか。
多様性と複雑性。ここまでそうである必要があったのか。
哲学的な問いかけが多くて、読みながら考え込んでしまう。
テルグの村の仕組みで、とあるアニメを思い出しました。
いずれ人類が辿り着いてしまいそうな世界。
そう遠くないかもしれない虚構。
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http://blog.livedoor.jp/masahino123/archives/65912177.html
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富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。
富の谷にある巨大な岩を穿って造られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。
「講談社タイガ」より
タイトルからして、ちょとドキッとする.
人工細胞を体に入れていつまでも生きられることになると、生きているの定義というか、境界線があいまいになる.
さらに、脳だけになってバーチャルの世界にいても、それは生きているのか?生きていない感じがする.じゃあ、生きていないというのならそれはなぜ?なぜ?なぜ?
生きているのか?という問いに対して、いろんな角度から考えさせてくれる内容だと思う.
なかなかにワールドワイドだが、今回アフリカ南端の設定である理由がとくに思い当たらなかったかな.
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タイトルどおり??
生きているの定義は何だろう。
身体がなくても生きている?
思考出来れば生きている?
バーチャルの世界でも生きている?
境界線は何処だろう?
何を持って自分は生きていると判断するのだろう?
そんな話?
最後のハギリ先生とデボラの会話が面白かった。
生きているものだけが、自分が生きているかと問うのだ。
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夢と現実の違いとは何か?
天然と人工物。リアルとバーチャル。自分と他者。人は何故、区別したがるのか?
富の谷と呼ばれる閉ざされた地。そこでは新しい生き方がはじまっていた。
富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。
富の谷にある巨大な岩を穿って造られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。
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歳をとっても細胞を新しいものに入れ替えることにより永遠に生きながらえることができるようになった未来社会が舞台。微妙に現代のテイストも残しながら、ある部分では意想外にぶっ飛んでいる。読み始めは、物語を捉えきれず難儀もしたが、ストーリー展開の面白さがページを捲る指を止めなかった。とりわけ魂と意識だけのバーチャル世界の章はすこぶる興味深く読んだ。精神さえも洗練されたアルゴリズムで補完されていくだろう未来。人間の真に生きている意味とか実感というものを深く考えさせられた。
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このシリーズのすごいところは、連載が始まった当時は、「ここまで人工知能は進化するのか?」と思っていたけど、今では容易にそういう未来が想像できてしまうこと。
それぐらい今の人工知能の進歩が速いし、それを予想できる著者の想像力がすごい。
ある集落が人工細胞の次のステップに行っていることにも驚いたが、自分としてはそこが生きているか生きていないかの違いを問いかける部分と思っていました。
なので、最後のデボラの「生きているのか?」に対する答えはとても興味深かった。正しいとか深いとかではなく、ただ面白かったです。