紙の本
勝ち犬の遠吠え
2007/10/22 01:57
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
萩原朔太郎と室生犀星がホームズとワトソン君として探偵ごっこを繰り広げるありえるかもしれない?ミステリー短編集。いつもながら鯨氏の自由奔放な発想とその展開には驚かされる。著者の手にかかれば歴史的事実もへったくれもない。捻じ曲げることなく合理的に、しかしとんでもない回り道を経て新解釈を楽しませてくれる。デビュー作『邪馬台国はどこですか?』からほぼ一貫して言えること、それは史実を曲げずに遊んでいるということだ。
つまり、式と答えはあっているのに途中計算が間違っている?ようなもの。
とんでもない展開を創作し、ありえないような物語が飛び出してくるにもかかわらず、当時の歴史的背景や風情、政治などはしっかりまともに描かれている(笑)そのギャップが又面白いのだ。
本書でも然り。その同時期を生きた作家や画家、著名人達をさらりと登場させ、端役にすらしてしまうこの気楽さ加減。(与謝野晶子のセリフが一言とだけとは!)また何気なく使われる小道具や町並み風情がなんともレトロで楽しませてくれる。萩原と室生は勿論のこと、北原白秋や竹久夢二、与謝野晶子にらいてう・・・当時の駆け出し作家から売れっ子作家までちょこまかと顔を出し、口に上る話題などは当時の世間話を立ち聞きしているかのようでこれまた楽しい。
「真実は、論理を超えたインスピレーションの中に隠れているもの」
本書の萩原朔太郎は、詩を応用して事件を解決する・・・まあ推理小説などは推理小説作家が事件を作って事件解決までを考え出しているのだからそれもありかもしれない(笑)
爆笑するほど面白いわけでも、ミステリーや構想が凝っていうものでもない。
しかし鯨作品群は 私に意味など無くても面白ければそれだけで読書には価値がある、と思い出させてくれる貴重な作品であるからだ。
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内容(「BOOK」データベースより)
崖から転落死したはずの兄から連続して届く、謎の手紙。明子はマンドリン教室の仲間である萩原朔太郎に相談を持ちかけるが…。「真実は、論理を超えたインスピレーションの中に隠れているもの」と豪語する朔太郎が挑む、七つの不可能犯罪。
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/6/21〜6/28
大正時代の詩人、萩原朔太郎を探偵役に当時の有名文人達や最後には思わぬ登場人物まで現れる鯨氏らしいユーモア?本格ミステリ。朔太郎の実際の人柄のエピソード等を私は知らないが、えらい変わり者として書かれている。トリックは...まあこういう作品だからよしとしよう。肩肘はらずに楽しめる作品ではある。
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室生犀星視点、萩原朔太郎が探偵。著名人もいっぱい出てくるパラレルミステリ。夢二とか。ただ、ショルメス氏が出てきた時点で大塚英志の「くもはち」と重なった。お笑いなので頭を使わずに気軽に読める。
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題名からもうすでにおもしろいんです。いやあおもしろいです。朔太郎主人公、名探偵。当時の人々がたくさんでてきてコミカル。話ごとに、朔太郎の詩がついてるのがおもしろい
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詩人 朔太郎がマンドリンを弾きながら犯罪のトリックを明らかにしていく。
室生犀星、山村暮鳥、北原白秋が登場する。
山村暮鳥は、通称山さん。白秋は、ボス。
あれ、これって「太陽に吠えろ」じゃない。
なお、室生犀星はシャーロックホームでいうと、ワトソン役。
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崖から転落死したはずの兄から連続して届く、謎の手紙。明子はマンドリン教室の仲間である萩原朔太郎に相談を持ちかけるが…。「真実は、論理を超えたインスピレーションの中に隠れているもの」と豪語する朔太郎が挑む、七つの不可能犯罪。
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実在の萩原朔太郎という詩人の実際の詩をモチーフに,物語を作り上げていく。
解決の仕方もとても面白い。
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萩原朔太郎、室生犀星、北原白秋、山村暮鳥などなど、
文壇メンバー総動員でミニ事件を解決していく推理小説。
室生君の朔太郎へのツッコミがとてもさえています。
この本の暮鳥は私の暮鳥イメージと一致しすぎて怖い…!
推理を楽しむというよりは、文士や偉人の登場や会話を
楽しみながら読みました。
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かの高名な詩人・萩原朔太郎が、美女に惚れたりシベリヤを食べたりマンドリンを弾いたりしながら謎を解明する連作短編集。
史実の人物もころころでてきて面白いです。バリツを極めた元名探偵の現養蜂家英国人まで出てきます笑。
ただし、謎は小ぶりです。
ミステリというよりは読み物として楽しむべきかと。
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時代背景は大正時代から昭和初期。
実在した詩人・萩原朔太郎を探偵役に据えて、
ワトソン役で語り手の「私」がお節介と心配性が災いして
朔太郎に振り回され、ボヤキを交えながら回想しております。
山さんがいて、ボスがいて、集まる場所は七曲。
タイトルからしてパロってます。
登場人物も、実在した面々が揃ってます。
北原白秋がボスですから(^◇^;)
トリックも大胆というか無謀というか安直で、
探偵はマドリンを弾きながら登場するし、惚れっぽい。
途中から声出して笑って読んでました。
結構好きです(^◇^;)
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やっぱり鯨統一郎はおもしろい。なにこの、無駄にキレと面白みのある会話。メインストーリー関係なしに笑えるわ。
「きっとそうだわ。ありがとう、萩原さん。これで胸のつかえが取れました。」
「それは良かった。」
朔太郎は頷いた。
「今度は僕の胸のつかえを取ってくれませんか?」
「ありがとうございました」
とか!!
朔太郎も笑えるけど、女性いいねー!
実在した詩人が探偵役の、しかもその詩に関連付けた軽めのミステリー。
内容やトリックも決して手抜きじゃないし、会話は面白いし、話はテンポがいいし、最高のエンターテインメント小説だと思う。
実在人物たちを知っていてもよし、知らなくても一キャラとして読み進められます、楽しめます。
あと、自分本当に詩の才能ない。
詩も、絵も、芸術は、創作するのも才能、理解するのも才能だと思う。
『ラジオとは無銭飲食のことである。無線と無銭を掛けた訳である。』
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萩原朔太郎の詩を元に話を膨らませた探偵小説みたいなもの。
朔太郎の精神的節操の無さといったら。
萩原さんに何の感情もないのでがっかりもしなかったし、特別面白いという事もなかった。
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自己愛強めで女性に弱くしかしご都合主義的に勘の冴えた萩原朔太郎ホームズに比較的常識人で苦労人の犀星ワトスンが振り回されつつなんやかやで事件を解決してく話。で、関わった事件にインスピレーションを得て作られたのが朔太郎のこの詩かもしれない、という形で毎話締められる。
まあこの二人だったらホームズ役は朔太郎だろうなというか朔太郎にワトスンはつとまらないだろう(笑)。
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軽めミステリで、さらっと読めて面白い。
萩原朔太郎が探偵役で、マンドリンを弾きながら登場するナンパな男として描かれているところが楽しい。
時代背景や作家の友人関係も垣間見られるし。シリーズ化して欲しかったな。
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萩原朔太郎が探偵役、室生犀星が助手役で出てくる軽く読める短編ミステリ。
有名な詩人や小説家が出てくる。
七話の彼はやっぱりかの有名な名探偵の彼かな…??