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紙の本
パターンの少ない笑いで墓穴を掘った
2004/08/31 10:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
“鈍い人”というのはどこにでもいるもので、恋愛感情だったり怒りの導火線だったりと対象は様々だが、鈍いがゆえのすれ違いというのは、笑いのパターンとして確立されている。本作でのすれ違いは、単純に人間関係。それも宇宙規模の正義の味方と悪党というのが面白い。
しかしこの“すれ違い”というパターンには大きな欠点がある。様々な笑いの要素の一つとして組み込む程度ならいいのだが、このパターンだけで作品を作ろうとすると選択肢の幅が極端に狭くなり、しつこさを感じるほどのワンパターン化してしまうのだ。矢上裕の全体的に白く気の抜けた絵柄でなんとか助けられていたものの、それでも2巻目を読み終える頃には飽き始めていた。
チャップリンの映画を見れば分かるように、単純に笑わせる動作や状況は万国共通だ。その意味では、本作も成功している。“誰もが相手を分からずにいるためのお決まりの台詞にお決まりの行動”、この繰り返しなのだから。恋愛感情や友情、家族愛といった味付けがもう少し濃かったらと、それが残念でならない。
最終巻である本書でも、パターンを崩すことなくクライマックスへと進んでいく。寅さんや黄門様のような“偉大なるマンネリ”には遠く及ばないが、どこか懐かしい昭和の空気が漂う、ヒーロー物らしくないヒーロー物である。
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