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電子書籍
泣かないということ
2022/03/06 08:45
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
(本当は紙書籍で読んでのですが、電子でレビューあげてしまいました。
修正できないようなので、内容には問題ないのでこのままで)
ネタバレあり
日本酒好きなので酒蔵ものに食いついてしまった作品です。
百貨店の外商部員だったが自身のしたことのせいで企画部に左遷された隼人
酒蔵の社長の弟で過去の事件のせいで心に傷を負っている杜氏見習いの要
要の兄の大樹や幼馴染みの英二が絡んで話しが進みます。
激しい熱を持った話というよりはじわじわとくる物語です。
最初隼人は「寂しそうな人間は簡単だ」と思うような
ちょっとろくでなし入った男です。
要と係わることによってそこはいけない部分だったと徐々に認識していくのですが
最後まで来ても「絶対」的ではないのですよね。
「多くは誓えない」自分と向き合いながら、
要との関係は間違えないように歩いて行って欲しいです。
ちょっと不安ではあるけれどそこが人間的で悪くはないのです。
要は過去の事件についてのこと、
そうなってしまったこと、そしてその後とずっと傷つけられてきた。
(警察はともかく父親からああいう風に責められるのは
とてもとてもつらい事だろうと思います
しかも、地方故に居たい場所で生活さえ出来なくなってしまった)
そしてその上の自分の心持ちの罪悪感も背負って。
過去の事件については自身も罪悪感も持っているのだけれど
隼人の言うとおり「悪いのは・・・大人だ」なのです。
故郷を追われるようなめにあうほどの罪悪はないのです。
ただ事件は要だけでなくて、
大樹にも英二にも深く深く傷を残してしまった。
英二については、気持ちわからなくないのですが、
不器用で真摯に思っていたのでしょうが、ずるかったなぁと。
まあそのずるさも人としては致し方ない感じで。
優しさと臆病を少し取り違えた感もあり、切ない気持ちにもなりました。
我慢しないでいたら違う未来もあったでしょうねぇと。
過去の出来事やそれに伴う色々から少し解放された弟の「それ」を
色々とある地方で良しとするという大樹も深く深く傷ついていたのだろうなぁと。
(それを許してしまうくらいに)
余談ですが純米酒が大好きです。
「桜の木」飲んでみたいなぁってずっと思いながら作品を読んでました。
(そして酒蔵巡りにも行きたいなぁと・・・)
☆3.5
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