紙の本
物語の終盤
2021/06/01 09:40
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊吾はまた会社のお金を横領され窮地に陥る。
これで三度目。
伸仁が読んでいた赤毛のアンの一行を自分に例えて「松坂熊吾に同じ失敗を繰り返すなということは、性格を変えろということになるだろう」と考えながらも、そんな自分の性格による生き方に快楽を感じている自分に気づいている。
歳を重ねて自分を振り返ることが多くなり、事業の勢いも失速気味、物語は終盤になり、軸は父から妻と息子に変わりつつあるようだ。
しかし、読者としては熊吾に暴れまくって欲しい。
紙の本
流転の海第7部
2017/03/31 14:08
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投稿者:aratakadowaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
商売をしていて、こんなに横領や持ち逃げをされる人はいるのだろうか。熊吾はまたしても部下に騙されてしまいます。そして博美とその生き血をすするヤクザの登場で、いよいよ最終的な破滅への足音が聞こえてきそうな雰囲気です。
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伸仁の成長!良かったなあ…熊吾さん頑張れ。でも、ここからどんどん辛くなるんだよなあ…。最終章の執筆が始まったそうですごく楽しみ。最後どんな文章で終わるんだろうか。
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発表、発売が緩やかで、これまでの話を忘れてしまうのが惜しい。主人公熊吾は66歳である。まだ懸命に働いている。様々な事件が襲い、人間模様に翻弄される。2016.11.19
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房江がけっこう良さげに想い語ってるやん て思ってたらあとがきで次巻は最悪になるって知らされて…盛り上げどころになるのは分かるけど今回幸せそうになってきてよかったやん て思ってたのに。まぁ熊吾はでっかい人やからこそちっこい綻びあったっていいやん。伸は15,6なのに良い子過ぎやわ〜このまま成長できるのか気になる。毎回 読んで学んでるのは失敗しても凹み過ぎず素直に反省しポジティブにも考えられる、心持ち スケールでかくしていたいって事かなぁ。
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読者としても、もはや引くに引けないお付き合いとなる長編。
宮本輝は自身の生い立ちや経験をなんども作品化している。名前や設定は変えつつもこれまで他の作品で描かれてきた主題がじっくりと描かれている。これは「重複に対する批判」ではなく逆にファンとしては嬉しいことなのだ。筆者の、繰り返してきた年輪と成熟が大樹の中に流れる生命の音を静かに奏でる音に、旅人はただその傍らにたたずみ、時折耳をそばだててその流転する血潮に包まれるだけ。無事完結を祈る作品の一つ。
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全九巻の本シリーズ七巻目の読了。
この七巻発刊までに要した期間は30年、幸いにも全巻が刊行されてから読みだした私にとっては途絶えることなく読み続けられて嬉しい限りだけど、一巻発売時からのファンのなかには鬼籍に入られた方もこのシリーズの時代背景からも少なくないのではないかと思う。
自分が育ってきた歴史を振り返ってみても、色々なことが思い起こされる。
再び信頼していた部下に裏切られ、多大な運転資金を横領されてしまった熊吾。
暫く途絶えていた元ダンサーとの腐れ縁が復活。
同じ事の繰り返しも、背景が以前とは違い段々熊吾も歳をとってきている。
残された年月はそんなに多くないのに、なにをやっているんだともどかしく思うが、興味は尽きない。
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熊吾さんはどうしてこうなんだろう。
自分でお分かりになってらっしゃるようなのに。
歳を重ねて、経験を積み重ねても自分を戒める事はますますもって難しくなるんだろうか。
あぁ、房江さんがただただお気の毒だ……
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次から次と数多の人物が登場しますが、結局、優しい乱暴者で終わりそうだ。
熊吾に残ったのは房江と伸仁、家族は大事ですよ・・・って事か。完結まで後2冊。
飽きてきた。伸仁に将来を託すでThe endかな?
宮本さんは熊吾に「この俺が杜撰だった」と云わせていますが、それじゃ読者が可哀そう!?
杜撰・「ずさん」と読むことを知りました。少し利口になりました( ´艸`)
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中古車販売会社「中古車のハゴロモ」の取り扱い規模も人員も増やし商売が軌道に乗ってきた熊吾は森井博美と再会し歯車が狂ってくる。従業員の不審な動きに気付いた熊吾は借金を抱えたまま窮地に陥ってゆく。
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息子の危なっかしいところはだいぶ落ち着いてきたが、親父は懲りないというか、ますます人間臭さを強く放ってくる。
修羅場に直面した時の、熊吾の一貫した肝のすわりかたはすごい。自業自得感は否めないのだけど。
望んでいないけど、そろそろ夫婦関係に一大事か?
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今回も熊吾は同じ失敗をしている。信頼している部下に裏切られるのだ。何回同じ過ちを犯しているのかとほぞを噛む思いだ。さすがの熊吾も自分の性格を分析している。
この先房江には困難が待ち受けているそうだ。しかしそれは満月の道であるという暗喩。
伸仁が逞しく成長している。
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文庫判だからこそ巻末についているであろう「解説」で1〜6部のあらましをまとめてくれているのが悪くない。
が、宮本さんの筆致力により第六部からおおよそ9年ぶりに読んだにもかかわらずぐぐっと引き込まれるのがすごい。
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何度同じ失敗をするのか、熊吾は。
太っ腹で人情家でもあるけれど、最後の詰めがいつも甘い。
若いうちはまだやり直しもできた。
だけどもう65歳。
体力も、残り時間も、そんなに残されていないのだ。
伸仁のために生きる、と決めていたんじゃないの?
なのに、糖尿病についても、すぐ油断する。
房江もそうだ。
通信教育でペン字を最後まで習いきったのはえらいと思うが、家族に隠れて飲む酒がどうしてもやめられない。
あんなに伸仁が嫌がって、酒をやめてほしがっているのを知っているのに。
だけど、房江は麻衣子と交流を深めることで、新しい道が開けていくような気がする。
心を開いて話ができる人がいるというのは、いいことだ。
この先房江は城崎で暮らすつもりなのだろうか?
伸仁が毎日練習していた柔道の目的が判明。
思春期で、母親に対してぶっきらぼうではあるものの、伸仁は母に優しいと思う。
森井博美は西条あけみだったころと別人のようである。
もっと毅然とした生き様を見せていたと思うのだけど、熊吾にすがるしかない今は情けない。
もし今の姿を伸仁に見られたら、ちゃんと挨拶できる?
熊吾は会社を、家庭を守り切ることができるのか?
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事業の危うさ、身体の危うさ、人間の危うさが入り混じっていて最後までヒヤヒヤしながら読んだ。
そんな中でも生命の誕生や房江が新たに楽しみを見つけて人生を楽しもうとしていてワクワクする。人生を楽しむのは些細な事で良くて、それはこの第7部の満月があらわすように常にそばにある。それに気がつく事が出来れば幸せなのかなと考えるきっかけになった。