投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
世界史を俯瞰する時のモノサシ、考え方を著者の専門であるローマ史を中心に事例を通しながら解説。
恥ずかしながら、ローマ帝国の盛衰を初めて知る。
宗教の対立、民族移動の背景等も、原因は案外シンプルでありだからこそ根深く、今日になっても解決は至って難しい。
歴史は現代のフィルターを通してみる、という事は重要でもあるし、それこそが歴史を知る面白さなのだとも思う。
古代人は右脳で神のお告げを受けてた、という話はなかなか理解出来ないし。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
筆者がローマ史好きで誇りに思っていることが伝わってきた。
この本を読むことを通して、歴史に対する新しい視点を持つことができた点はよかった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
非常に面白かった!
「ローマ史には人類の歴史が全て詰まっている」ー読んでみてなるほど、確かにそういう一面もあったのだなという気がしてくる。読みやすい文章に説得力がある。
古代の人々は神の声が実際に聞こえたのではないか、という考証は興味深かった。
ただ、たまに検証された「定説」なのかこの著者の「主張」なのかが分かりづらいところがあったように感じた。
確証のない仮説を事実として扱ってしまいかねないので、書き方には注意が必要だと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
【感想】
うーん。たしかに面白いんだけど、読んでいる途中から大きく感じた「これじゃない感」。
世界史といえば世界史なんだけど、自分が期待していた読み物とは全く違った。
個人的には、世界史の教科書的なものを期待していたのだが、この本は「なぜ人類が発展したのか」といったことがテーマになっており、どちらかというと「サピエンス全史」チックな内容の本だった。
世界史の基礎的なお勉強をするためには、かなり不向きな1冊でした。
読んだ後、日常で使用できる知識・教養には直結しない1冊だったかなぁ。
【内容まとめ】
1.グローバルスタンダードの教養とは、「古典」と「世界史」である。
人間社会の普遍的な真理を教えてくれる「古典」と、人類の経験の集大成である「世界史」、この二つを学び身につけることで「教養」の基礎が築かれる。
2.文明はなぜ大河の畔から発祥したのか?
「文明は都市」「文化は農業」と密接に結びつく。
文明という言葉には、そもそも「市民」という意味が含まれている。
基本的に、国または市民の集まる都市を前提としたものである。
3.恵まれた環境に文明は生じない
乾燥化が文明発祥の大きなファクターを占めている。
何故いち早く土器を生み出した日本が、「文明」と言える段階に至らなかったのか?
それは、日本が自然環境に恵まれ、人口の集中も起きず、少人数の集落でも安定した社会を長く営むことができたからである。
4.ローマの歴史の中には、人類の経験のすべてが詰まっている。
ローマの歴史は興隆、発展、安定、衰退という、いわゆる文明においての起承転結の過程が非常にはっきりとしている。
ローマ史は、世界史においてブランド品といえる所以である。
【引用】
p12
・グローバルスタンダードの「教養」とは?
「古典」と「世界史」である。
人間社会の普遍的な真理を教えてくれる「古典」と、人類の経験の集大成である「世界史」、この二つを学び身につけることで「教養」の基礎が築かれる。
p14
ドイツ宰相・ビスマルク(1815~1898)
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
直訳すると、「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む」。
p42
・文明はなぜ大河の畔から発祥したのか?
「文明は都市」「文化は農業」と密接に結びつく。
文明という言葉には、そもそも「市民」という意味が含まれている。
基本的に、国または市民の集まる都市を前提としたものである。
混同される言葉に「文化」がある。
文化の語源にはラテン語の「colere」、「耕す」という意味があり、文化はその土地の自然や風土の影響を色濃く受けるものだということがわかる。
p46
・「四大文明」が通用するのは日本だけ?
古代エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明の4つ。
最近では四大文明のほぼ同時期やもっと古い時代にいくつもの文明があったことが明らかになり、「四大文明」といった言い方はあまりされなくなってきている。
p53
・恵まれた環境に文明は生じない
乾燥化が文明発祥の大きなファクターを占めている。
何故いち早く土器を生み出した日本が、「文明」と言える段階に至らなかったのか?
それは、日本が自然環境に恵まれ、人口の集中も起きず、少人数の集落でも安定した社会を長く営むことができたからである。
p58
・ソフィスティケート
今あるものを工夫し、改善し、創意工夫をしてより良いものを作り出す能力のこと。
ローマ人と日本人の共通している特徴。
能力の真髄として、今あるものをごまかさないで改善していく「誠実さ」が挙げられる。
p78
・ローマの歴史の中には、人類の経験のすべてが詰まっている。
ローマの歴史は興隆、発展、安定、衰退という、いわゆる文明においての起承転結の過程が非常にはっきりとしている。
ローマ史は、世界史においてブランド品といえる所以である。
五賢帝のような立派な皇帝がいるかと思えば、暴君の代名詞である「ネロ」、変人のエラガバルスなど、色んな支配者が登場する。
また政治システムも、王政→共和政→独裁政など色々なスタイルがある。
またアメリカの前大統領オバマのように、異民族出身の為政者が登場するなど、現代と同じようなサイクルで歴史が動いているのも面白い。
p85
・ローマはなぜ帝国になりえたのか?
一つは、ローマという国の国政システムが非常にバランスが良かったという点。
ローマはギリシャと違って独裁を嫌い、政体の循環がなかった。
また合理性を好むローマ人は、権力がある程度集約されていたほうが物事が合理的に進むことも知っていた。
二院制を当時から持ち、国内のバランスを整えることで争いを減らし、外に向けるエネルギーの量を増やしたために帝国になりえた。
また、ローマ人の宗教的誠実さが、個より公共を重んじる国民性を生み出し、それがローマの国家としてバランスが良くなった。
p157
・なぜ民族は大移動するのか?
問題の一つは「食糧不足」。
人口の増加や、寒冷化・乾燥化といった気候変動。
人々が飢えないためには温暖な気候かつ、水辺の地域に移動する必要があった。
p195
人間にとって神とは何なのでしょう?
私は、人間にとって神とは一種の「理想」だと思っています。
人間というのは、理想に近づこうとする宿命のようなものを背負っています。
行動するときに、実際その通りにできるかどうかは別として、理想的な行動をしようとするのもそのためです。
つまり宗教とは、人間が神という理想に近づくための方法を示すものだといえるのです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
以下、本書より。
【かつて人は神々の声に従って行動していた】
人間社会では、宗教は常に大きな問題です。
宗教というと、神にすがって救いを求めるものという印象が強いようですが、歴史を見ていると、決してそれだけのものではない事がわかってきます。
プリンストン大学の心理学教授ジュリアン・ジェインズは、著書『神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡』で、三千年前の人類は、実際に神々の声を聞き、その通りに行動していたという事を、ホメロスの『イーリアス』と『オデュッセイア』の記述をひもときながら検証しました。
そしてジェインズは、こうした神々の声が聞こえていた時代を「二分心」の時代と称しました。
人間の意識というのは、言語に深く根ざしています。
その為、ジェインズは人類がまだ文字を使っていなかった段階では、意識というものも定かでなかったはずだと考えました。
彼の考察によれば、人類が明確に意識を持ったのは約三千年前。
ではそれ以前の意識の稀薄な人類は、どのようにして社会生活を営んでいたのかというと「二分心」を活用していたというのです。
これは、簡単に言うと、心の中に「自分」と、もう一つ「神」がいたという事です。
つまり、神という別の存在が実際にいて、その声を聞いていたという事ではなく、古代の人々は、内なる声として常に自分の内なる「神」の声を聞きながら生きていたという事です。
明確な自己意識を持つ現代人には少々わかりづらい感覚かも知れませんが、私のように古代史を専門としている人間には、この説明はとても納得できるものでした。
なぜなら、私もそうですが現代人の多くは、神というのは人間の脳が作り出したものなのではないかとかねがね考えているからです。
人間は「文明」と呼べるものができる以前から、宗教的習慣を持っていた事が考古学的研究によって明らかになっています。
でも、人間以外の動物には神も宗教もありません。
そう考えると、神は人間が脳を発達させた結果、手にしたものの一つだと考える事ができるわけです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
audiobookにて。
「今を理解するために歴史が役に立つ」ということの意味を始めて理解できた。
さすが専門家の丁寧な解釈はもちろん、それを一般の教養としてのどう読み解けば良いのかを丁寧に教えてくれる良書。
学校で教わる歴史は、それぞれの時代、地域をぶつ切りにして覚えるだけの受験のための勉強。そうではなく、歴史を知り、今の問題はどの歴史と同じ流れになっているかという観点で比較することの方がずっと面白く役に立つ。
締めに今のアジアの状況、中国の立ち位置まで踏み込まれている。今現在の国家間の問題が、歴史や地政学的観点から見てどう理解したらよいのかが分かって目からうろこ!
こういう見方で世界史を教わったら、世界を見る目が変わっただろう。今からでも、学校教育が変わって欲しいと思う。地政学というのも初めて聞いた。これも学校教育で教えて欲しいものの見方だと思う。
一度聴いたくらいでは自分の中にぜんぜん定着しないから、長いけど何度も聞きたいし紙の本でも読みたい。
本村先生の「ローマ史」の方も読んでみたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
文明は都市、文化は農業と結びつく
農耕は自然条件に限定されるため、特定の地域性と気候風土を帯びる(文化)。異なる風土に対する技術の発明こそが文明である。
紀元前5000年に文明が一斉に現れた理由…乾燥化による民族移動、水辺を求めて人が集まり、少ない水資源をどのように活用するか、から文明が生まれた
また、馬が存在しないと、人と情報の交流が少なくなり、文明の発展が遅くなる
ローマ人と日本人はソフィスティケート(改良)が上手い、ローマが天下を取れた理由
ソフィスティケートする能力は、正直さや誠実さに根ざしたもの
ギリシアのポリスとメソポタミアの都市国家の違い
メソポタミア…乾燥化による灌漑を取り仕切るため、力の強い者が王となり、そこから王中心の都市ができた
ギリシア…最初に王国ができて、その周囲に街ができた
ギリシア人は切磋琢磨し、誰もが国政に参加し発言できる民主政のシステムが生まれた。これがポリスの誕生
ローマは何故帝国になり得たのか?
→独裁政(執政官)、貴族政(元老院)、民主政(民会)が同時に存在したため。
ギリシアは、独裁政→貴族政→民主政といろいろな勢力が権力を持ったため、内紛になりやすく国家が大きくなりにくかった
また、ローマ人の宗教的誠実さが、個より公共を重んじる国民性を生み出し、それがローマを国家としてまとめ上げ、国政システムのバランスの良さが、エネルギーを外に向けることを可能にした
ローマ皇帝と天皇の違い
アジアでは、皇帝は民衆の前に現れない、批判を許さない
ローマ皇帝は、姿を現し、批評も可能
ローマが偉大な国となったのは、寛容の使い方が上手かった(属州にラテン語を強要しない寛容さを見せつつ、レジタンスは容赦なく叩き潰す)
ローマが滅亡したのは、勝者になったことから来る傲慢。軍事費の増大に対し、富裕層が税のがれを測り、公共施設や軍隊等が壊死していった
軍人皇帝の時代における社会的不安の増大が、ローマにキリスト教を布教させた
シンプリケーションが世界同時に起こった
何故イギリスでのみ産業革命が起きたのか?
実は労働力も技術革新も、アジアと同水準ぐらい
説1,エネルギー資源としての木材が不足する中、石炭を算出できた
2,遠隔地の植民地の存在が、本国の余剰人口が引っ越しでき、巨大な市場ができた
民族大移動は、今いる場所より条件がいいところを求めて移動する(多くは気候の変動)。また、信仰の弾圧や奴隷売買のような人為的な強制移動、難民など
受け入れる側は、多くの場合争いに発展するが、労働力の増加というメリットもある
ゲルマン民族の大移動→寒冷化と、フン族の西方侵略により、ゲルマン民族が西に移動。あまりの大量移動により暴動と鎮圧が発生。移民が軍内部にまで幅を利かせるようになり、そのうちに国力を消耗していった。
ローマ帝国の技術は半端ない。地中海という穏健で安全な海で交易を行うことができたため、技術と知識の往来が激しかった。
民族移動の問題点は、大量の異民族流入により、受け入れ先の文化・価値観が変容してしまい、先住民と軋轢を生むこと。
ローマがキリスト教を弾圧した理由…実はローマは宗教に寛容だったが、「お前の信仰を認める代わりに俺らの信仰に口を出すな」というスタンスだった。しかし、キリスト教が、キリスト以外の神はニセモノと言い張ったため、キレて弾圧された。
神々の声が聞こえていたとき、人間は生きる指針など必要なかった。神々の声が聞こえなくなったとき、人間は絶対的な神(一神教)を信仰し、物事を判断するために思想を必要とした。
宗教にまつわる争いは、実は他宗教間の争いよりも、同一宗教内での内ゲバのほうが多い。(カトリック・プロテスタント、スンニ・シーア)
プラトンやアリストテレスは、民主政がポピュリズムに変貌していく姿を見て、民主政に対していい評価をしなかった
古代ローマの共和政は、現在の代議制と、代表を選挙で選ばない(貴族)という点で異なる。
ローマ帝国は、自由民を全てローマ市民として(奴隷以外)認めた。代わりに、国政には貴族のみが参加できた。
ギリシアでは、代表を平等にクジで選んだが、これは人の能力の差が出てきて上手くいかなくなってしまった。平等を重んじたがゆえに、外の集団には市民権を認めなかった。
日本に共和政が根付かなかったのは、皇帝に対して批判ができず、距離感が遠かった。ローマよりも民衆が為政者の行う政治に口を出せないため、民主主義的要素が薄い。
現在の中国は、国内に植民地がある状態。→都市と農村で戸籍が区別され、農村民は都市に移転できないから。
歴史が対話である以上、現在と過去の間にある常識の違いを克服しなければならない。
イギリスのEU離脱の背景には、ドイツへの不信感がある。ドイツの侵攻と大戦の恨みと不信感が根付いており、再びEUの中でも発言力を強めているため。
ギリシアは昔からずっとヨーロッパのお荷物であるが、文化的なふるさとであり、切り捨てた場合ロシアや中国が狙いをつけているため、切るに切れない
日本人はこれまで安定した国土に住んでいたため、民族としてのつながりが薄い。今までの歴史では、民族の境界線によって国の在り方が決まってきたことが多い。
民族と国境線の矛盾が、世界各地の争いの火種になっている。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
世界史とあるが、ほぼローマ史だ。
解りやすく書こうとされているのだろうが、東大で教鞭をとられていたこともあって、ところどころにこれぐらい知っていて当たり前だろう的な語句もあり、すらすらと読めるといった類いのものとは言い難い。ただ、ローマをざっくりしるためには、良い本だと思う。あまり難しく考えず、すーーっと私は読んでみた。
恵まれた環境には文明は生じない。四代文明が生まれたのは、そこが乾燥化し、少ない水資源をいかに活用するか知恵を絞ったからだ。人の生存に欠かすことができない水が大きなファクターとなり、人口が一ヶ所に集中し、都市となった。人が多く集まるから、水争いを防ぐための水の活用システムがうまれ、それを記録する必要から文字が生まれたのだ。
ローマ帝国が発展したのは、情報収集力だという。正確な情報を早く集め、整理・管理し、早く発信する。それに重要な役割を果たしたのは主要都市を結ぶ街道だった。また、図書館も多くあったという。スパイ活動も活発だった。ローマ人は父祖の遺風という、先祖の立派な行いを名誉として重んじ、自分も名誉に恥じないように生きなければならないという、日本の武士道にもにた精神があった。ギリシアでも同じように名誉を重んじたが、ギリシアでは敗戦将軍はイキテカエルトしょけいや追放が待っていた。ローマでは、立派に戦った結果なら、生きて帰った時点で既に十分な恥辱を味わっており、責めない、暖かくむかえるという風土だった。そうすると、ギリシアでは、敗戦将軍は死ぬまで戦い、いたずらに損害を増やすか、他国に逃亡するかだったが、ローマの敗戦将軍は味わった恥辱を跳ね返すために次の戦いで大変な努力をするようになるのである。カエサルも多くの敗戦を経験し、その恥辱を大きな勝利に繋げたのだ。これは、名誉に対する考え方が根本的に違うからこそできたことだ。どんな恥辱であっても、それ以上の名誉を獲得することで屈辱は覆すことができるとローマ人は思えたからこそ執念深く物事を遂行することができ、だからこそ大帝国になりえたのだ。名誉挽回、汚名返上という日本の言葉があるように、再チャレンジを認める気風は重要なのだ。
ローマが反映したのは、その寛容さだという。しかし、社会全体のモラルが低下していくと人々が優しくなっていく傾向もあるという。これは、いいかえれば厳しさの欠如とか、優柔不断ともいえる。本当の優しさは、自分というものをきちんと持った人が周りに対して示す寛容さだということを肝に命じないといけない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ローマ史の部分は面白い。読みやすい。ただ、文明史観の所は、この人、ジャレド・ダイヤモンドとかよんでないのかな、と思ってしまう。あと、宗教観は、一神教と多神教のステレオタイプで居酒屋の雑談レベルかも。これ欧米の人々が読んで、日本の学者の宗教に対するレベルを推し量られてしまうと不安になります。少し古いタイプの典型的な日本の学者なんでしょうね。とても良いローマ史学者だとは思うし、人柄の良さも滲み出てるので、少し書きすぎました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
これは歴史好きのためではなく、世界史を一般教養として学ぶ人のためのものだということをまず理解しなければならない。
内容は古代ローマ史がほぼ中心だが、教科書には載らない世界史の裏エピソードのようなものが面白かった。授業中の先生の豆知識のような感じで。。
大学の教授で学生相手に教えているだけに、世界史を面白いと思わせるかに重きを置きつつ今後の世界を考えることへの切り口になることが著者にとって喜ばしいことなのではないだろうか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
四大文明の背景にあるのは世界の乾燥化。ローマ時代のトイレは、日本の江戸時代と同等の清潔さ。などなどかなり面白かった!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
コテンラジオというpodcastが気に入ったので知識の補完できないかと思って読んでみたところ、最初の方は近しいものがあってとても面白かった。
読みすすめるに連れ、古代ローマを専門とする著者が専門外のことを書いてる部分が増えて、感想や想像が増えてきて辛くなってきた。想像で断定しない真摯さはあるものの書籍というフォーマットで専門外の割合が増えるのは悩ましいのと、【高齢者が話す専門外の知識は情報が古い】ことに改めて気付けたのは良かった。
知らなかったことが色々書いてあるのは面白かった。ジャガイモやトマトは元々ヨーロッパになかったとか、逆にアメリカに馬がいなかったとか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
歴史を順番に説明していくような教科書ではなく、「こういう切り口で各地域の歴史を比較してみると」というものなので、飽きずにわくわくして読めた。
西洋と東洋で、君主に対する見方が異なるのが、なるほどと思った。西洋では、君主は民衆に姿を見せパフォーマンスをし、人気を集める必要があった。そのため、民衆に近い存在で、民衆は文句も言える対象だった。一方で東洋の君主は、姿を見せずミステリアスで畏怖の対象だった。
この辺りの歴史が、いまの国民性の違いにもつながっていたりするのかな、とぼんやり思う。
あと、3千年前の言語が確立されていない人間は、心の中に神の声を聞いていたかも知れないという説は、刺激的だった。想像がなかなかつかないけど、ロマンがある。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
もっとアカデミックな内容かと思って読み進めましたが、歴史を通じて人間の生きざまそのものに対する示唆が随所に書かれていました!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
教養としての世界史とあるが、特にローマをルーツとしている欧州人の思想、常識について述べられている。著者の専門が古代ローマ史ということもあり、何かとローマの話を引き合いに出してくる。
名前ローマ史でええやん!となる。
ただ、強い専門性はないので世界史をルーツとしたグローバルスタンダードやちょっと世界史を読み直そう、勉強し直そうという人におすすめの本。
考え方の切っ掛けやヒントをくれる。
私は中国史や東南アジア史も好きだったので、ん?となった。これら、特に後者は全く触れられない。