電子書籍
良かった
2019/06/23 11:09
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年、2019年4月11日付朝日新聞の1面に、国立天文台と国際チームによるM87銀河のブラックホールの画像が掲載されている。研究チームで日本の代表を務めているのが、国立天文台の本間希樹教授であり、この本の著者である。
2年ほど前の2017年4月に発行されたブルーバックスがこの本である。ブラックホールのそもそもからその歴史、そして最新の研究状況までわかりやすく書かれている。ブラックホールについて詳しいことを知らなかったのだが、にわかに関心が盛り上がってくる。朝日新聞の記事になった研究成果に関することも記述されており、著者の意気込みが伝わって来るし、今回の成功を祝福したい。
参考までに、この本の前に、2014年に発行された二間瀬敏文著「ブラックホールに近づいたらどうなるか?」を読んでおいたので、ブラックホールに関する理解も早くなった。
紙の本
200年以上も前にその存在が予測されていた「ブラックホール」の正体が遂にわかる時が来たか!
2020/02/03 12:55
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、多分野の知識を明快に解説してくれると大好評の「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は、宇宙のブラックホールについて解説された科学書です。「ブラックホール」は、実は2世紀以上も前にその存在が予言されたにも関わらず、今だに多くの謎に包まれており、厳密にはその存在すらも確認されていない状況です。しかし、近年の高度な数学理論や物理学理論の発展を受けて、人類は遂に「ブラックホール」を直接見るという技術を手に入れようとしています。同書は、最新の研究から分かった「ブラックホール」の存在、その構造について解き明かしてくれます!
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巨大ブラックホールについて知りたくて読書。
物理に縁がない私には難しいと感じる箇所も多いが、最新の天文物理学について学ぶことができる。
ブラックホールの存在は200年前から研究されているそうで、紹介されている宇宙研究の歴史についてが興味深い。
「スターウォーズ」や「ガンダム」など宇宙を題材した映画や漫画、アニメは多いにもかかわらず実は、人類は宇宙について知っていることがほとんどなく、その多くが謎のままなんだと改めて知る。
電波干渉計という最新の超望遠鏡を使ってブラックホールの姿を見る日も近いのかと思うとワクワクする。
個人的には、ブラックホールが発見、確認できたら、どんなことが解明できるのか。人類や地球環境にとってどんなプラスが派生する可能性を秘めているいのかも知りたい。
巨大ブラックホールを追いかけ続ける著者のブラックホール愛を感じることができる。大発見に期待したい。
読書時間:約55分
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【広がるゆめ】
やはり宇宙はいいですね。
ただの夢物語ではなく、現実的に起きていることです。
人が解明できていないだけで、事実です。
真実を探求し、明らかなったときの感動は何とも言えないものがあります。
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「明るさが小さいブラックホール」という字面に「!?」と二度見してしまう人ならきっと楽しい本書。
そもそもブラックホール自体が(その名前の知名度とは裏腹に)多くの謎に包まれているわけだが、本書はさらに「巨大」とつくのである。いつできたのか、どうやってできたのか、最初から巨大だったのか、だんだん大きくなっていったのか、いままさに研究者達が血眼になって望遠鏡を覗き込んでいるとのこと。
本書でいう「巨大ブラックホール」があるのは銀河の中心。我々の住む天の川銀河に限らず、銀河の中心には巨大ブラックホールがあると見られている。となれば「銀河を銀河たらしめるもの」が巨大ブラックホールなのだろうか、と早とちりもしたくなる。巨大ブラックホールの引力で円盤であったり渦巻きであったりという銀河が形作られているのだろうか。
一般的なブラックホール(恒星質量ブラックホール)は「太陽の何十倍もある大質量星が寿命を迎えてできる」ということがわかっている。しかし銀河の中心にある巨大ブラックホールはまだよくわかっていない。ただ「銀河の質量と巨大ブラックホールの質量に相関がある」というマゴリアン関係が知られていて、これがヒントになるのではと目されているらしい。
いったい何をどうしたら銀河の質量が分かるのかもわからないのだけど、広大な宇宙のわずか一点である地球上で観測できる物理法則が全宇宙をあまねく支配しているというスケールの大きさがロマンを掻き立てるのである。
冒頭に触れた「ブラックホールの明るさ」とは、ブラックホールの中(正確には脱出速度が光速を超えるシュバルツシルト半径の内側)からは光も出られないが、ブラックホールへ落ちる最中の物質が放つ光(電磁波)は観測可能で、重力が途方もなく大きいために位置エネルギーが変換されて放出されるエネルギーもまた途方もなく大きなものとなり、したがって「ブラックホール(の周囲)が非常に明るくなる」というわけである。
ウィトゲンシュタインは「語りえぬものについては沈黙しなければならない」と言ったが、観測できるものを観測しつくすことで「観測できないもの」が見えてくるのである。
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内容紹介
ブラックホールは本当に存在するのか?
ブラックホールは200年以上前にその存在が予言されながら、いまだ多くの謎に包まれており、厳密にはその存在すら確認されていません。
アインシュタインの一般相対性理論による理論的裏付けから1世紀、「ブラックホール」という命名から半世紀、人類はついに「黒い穴」を直接見る力を手に入れようとしています。
世界中の望遠鏡を使ってブラックホールの撮影に挑む「EHTプロジェクト」の中心で活躍する第一人者が、最新の研究成果をじっくりと解説します。
「まえがき」より
「巨大ブラックホール」――それは一言でいえば「究極」の天体です。
この本を通じて、不思議な性質と謎にあふれる「巨大ブラックホール」の世界を知り、そのとてつもない魅力(重力)を感じていただければ嬉しい限りです。そしてもし、ブラックホールの魅力にはまって「二度と抜け出せない」人が出るとしたら、本書の著者として光栄の至りです。
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ブラックホール、というのは怪しい響きを持っており、昔から気になる宇宙の構造であるのは変わらない。ましてそれが巨大なものならば。とにかくスケールが大きい。
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かなりワクワクして読んだ。まだ観測結果が出ていなく最後は期待させるところで終わる。宇宙はまだまだ謎だらけ。これを研究して給料貰えるなら幸せかも。
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洗面所のシンクに落ちたゴミがなかなか排水口から出て行かないのを見て、ブラックホールがものを飲み込むのも実は難しいのではないかと思っていたが、やはりそうなのかと妙なところで納得してしまった。
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銀河の奥には巨大なブラックホールが黒い穴を開けて存在しているという。ブラックホールの解説と特に巨大なブラックホールを観察する電波天文学について解説している。宇宙は驚異に満ちている。
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ブラックホールの撮影成功の記者会見で発表されていた本間先生の本です。本が書かれたのは、ALMAでVLBI観測が採択された2017年。これから観測が行われ、データが解析され、ブラックホールシャドウが初めて捉えられるだろう、という時期です。
『どのような結果が出るにせよ、これからの数年〜10年間は、巨大ブラックホール研究にとって、とても楽しみかつエキサイティングな時代になります。このような時期に研究者として活動でき、しかもEHTのようなプロジェクトに直接的に関わることができる私たちは、科学者として、たいへん恵まれていると思います。この機会を生かして、素晴らしい成果を挙げたいと思っています。読者の皆さんも、巨大ブラックホールにスポットライトが当たる歴史的瞬間の到来を、大いに期待していてください!』
この文章を読むと、あの記者会見がさらに感慨深いです。
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先月の「ブラックホールが見えた」のニュースの中身が本当によく分かる。直接観測成功まで秒読み段階の2017年4月に出た本だけど,ニュースの前に読んでおけばって人は少なくないはず。もちろん今からでも全然遅くない。
あのニュースの後に本間先生が出演されたラジオ番組がオンデマンド無料で聴けるので,こちらも併せてどうぞ↓
【音声配信】特集「史上初、ブラックホールの撮影に成功した研究チームの本間教授が登場!ここから何が明らかになるのか?その可能性を探る」本間希樹×荻上チキ4月11日(木)放送分
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ブラックホールに関する本は本当にたくさん出版されていて、今更どの本を手に取るかと言われると、なかなか決定的なポイントがない本も多いです。そんな中、この本の最大のアピールポイントは著者の本間先生です。今年(2019年)四月、ブラックホールの撮影に成功したというニュースが駆け巡ったのは記憶に新しいところ。その観測プロジェクトのキーマンであり、日本での発表記者会見を行ったのが本書の著者の本間先生です。
ブラックホールの観測の何が困難なのか、なぜ撮影に成功すればノーベル賞級の成果と言われるのかという点はニュースを見ただけではいまいちピンとこない部分も多かったはず。本書はあの観測プロジェクトが動き出す直前に執筆されてているので、いかに困難な課題に挑むのか、という点が分かりやすく解説されています。
また「巨大ブラックホール」と「(巨大でない)ブラックホール」の違いや、ブラックホール研究の歴史などにも言及されており、ブラックホール研究の全体像を掴むことができます。
「天体から地球に届く電波は非常に弱く、月に置いた携帯電話の電波よりも微弱な電波を観測しなければならない」、「太陽の50億倍もの質量の巨大ブラックホールといえども、大変遠距離にあるため人間の視力でいえば300万が必要」、「複数の電波望遠鏡の観測データを使用するには、1秒当たりのずれが10兆分の1秒の精度でタイミングを合わせる必要がある」等々、プロジェクトに携わった本人だからこそ語ることのできる分かりやすい例えと、ブルーバックスだけに簡略化しすぎないレベルの解説を両立しています。
著者の”ブラックホール愛”みたいな感情が伝わってくるような本です。
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恒星の終焉としてのブラックホールとは別に、銀河の中心に巨大なブラックホールがあるらしい。実際、本書の刊行2年後の2019年4月に、本書でも記載されていたとおり、M87銀河の中心部分の電波観測画像でブラックホール(正確にはブラックホールシャドウか)が史上初めて撮影され話題になった。そのような巨大ブラックホールについての解説や観測の歴史などについて、比較的わかりやすく書かれている。
「宇宙はなぜブラックホールを造ったのか」も面白かったが、本書の方がより分かりやすい。
宇宙についても、ブラックホールについても、まだまだ人類にとって分からないことはいっぱいあるが、観測技術の進歩により新しく分かったこともどんどん増えている。いまを生きる者として、過去の人が知らなかったことを知ることができることは幸せなことで、この僥倖を生かすべく、できるだけ最新の知見に触れていたいものだ。
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ブラックホール直接撮像チームの第一人者の著書。面白くないわけがない!ブラックホール研究が本格化して、まだわずかの年月しか経っていないとは。歴史を紐解きながら、最先端の未解決問題も丁寧に説明し、ハードとソフトの両面でブラックホール直接撮像の裏舞台を明かしてくれる。新聞雑誌のどの記事よりもちょっと詳しくて嬉しい。