言われることはわかるが・・
2017/11/23 09:51
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投稿者:ところ点 - この投稿者のレビュー一覧を見る
言われていることは、非常によくわかる。でも、こういうのは、全部後付けの話である。なぜ、このような崩壊する方向性を是正できなかったのか。これから、どのようにしたらよいのか、という視点がほとんどないように思う。それは、本書を読んで、読者が考えろ、ということかも知れないが・・。
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【感想】
日本の総合電機業界の成り立ちから近年の没落までがまとめられている。電力ファミリー、電電ファミリーとして甘やかされてきたが故に、時代の流れや海外企業の動きに対して適切な経営判断をしてこなかったのが敗因。
新規分野においては技術力もビジネスも後塵を拝している状況は厳しい。三菱電機が電機メーカーから機械メーカーへ変化しているのはせめてもの救いか。
消費者としては国内ブランドの家電がなくなっていくのは寂しい。
【目次】
序.日本の電気が負け続ける「本当の理由」
1.東芝 「電力ファミリーの正妻」は解体へ
2.NEC 「電電ファミリーの長兄」も墜落寸前
3.シャープ 台湾・ホンハイ傘下で再浮上
4.ソニー 平井改革の正念場
5.パナソニック 立ちすくむ巨人
6.日立製作所 エリート野武士集団の死角
7.三菱電機 実は構造改革の優等生?
8.富士通 コンピューターの雄も今は昔
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東芝、NEC、シャープ等、グローバルでの競争に勝てず衰退している電機メーカーの凋落の原因がわかる本。
NTT及び電力会社に依存していた電機メーカー(電電ファミリー&電力ファミリー)は、情報通信と電力の自由化に伴いおこぼれを貰えなくなった。そしてNTTと電力会社のご機嫌取りに終始している間に国際敵競争力を失っていた電機メーカーは危機に陥っている、というのが筆者の主張の大枠だと理解した。
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まずまず。
企業、特に電機業界は、発展も早いが衰退も驚くほど早い。
ちょっと前まで羨ましがられてた企業が、今では倒産の恐れさえある。
日本の電機業界は、NTTと東電、国に保護された状態で発展してきた。その構造が崩れた今、衰退に至るとのこと。実は、競争力は乏しかったのだと。
日本の製造業、産業はどこに向かえば良いのだろうか。
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企業も生物同様外部環境の変化に対応できなければ淘汰されるということ。成功体験の豊富な大企業ほど変化に抗いがち・目を背けがちであるということ。身につまされるわ。
続きはこちら
https://flying-bookjunkie.blogspot.jp/2018/02/5_15.html
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東芝をはじめとした日本を代表する電機メーカーの凋落を、その会社の体質やグローバル化との関係から痛烈に批判する。
東電をはじめとした電力と、電電公社の通信の庇護下にあったせいで競争力と気概を失ってしまい、その2つが自由化された時に大ダメージを受ける、というのは正鵠を得ている。
ノキアやシーメンスなどを引き合いに出して、潮流が変わっているにも関わらず、プライドやサンクコストに邪魔されて利益を出せない事業に固執して損失を拡大していくというのも残念でならない。
個人的にはシャープが鴻海の傘下に入ったのは大正解だと思うし、韓国台湾中国のメーカーを格下に見る国民や官僚の意識は百害あって一利なしだと思う。
M&Aとか選択と集中といった流行り文句を吹聴しながらも社内政治や内紛で右往左往するんじゃなくて、コアイデオロギーをブレずに持ち続けながら社会に貢献し続ける会社であって欲しい。
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電機メーカーが日本人の誇りだった日もあるんだよなあ~
学生時代、ケンブリッジで、僕の持っているウォークマンに、全世界の留学生が寄って来た時にはホントにびっくりした
みんなに「売ってくれ売ってくれ!」と頼まれ、ソニーが誇らしかった。
時代ははるかに遠く。
そりゃ、東芝はヤバいだろうし、原発関連全滅はわかるが
サムソンに負ける体制になってしまったのは、やはり通産省が悪い。
リスクとって途上国へ向かったサムソンが勝つのは当たり前
半導体もみな産学共同で、庇護しているうちにダメになり
国民車構想も、「官僚たちの夏」では花形だけど
邪魔しかしてなかったという説もあるもんなあ
ソニーもストリンガーですっかりダメになり、
門戸開放も、いいことばかりじゃない
サンヨーシャープみな消えてったけど、
天下の松下でもこれかあ~
島耕作の威力を持ってしてもダメかなあ。
ん~・・・・日本に国産電機メーカーが消える日が来るとは?
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日本の電機メーカーの悪戦苦闘ぶりがよく分かった。
この流れが、半導体⇒電機と来て次は自動車にも押し寄せてくるのだろうか。
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表題通り、各電機メーカーの現在までがよくまとめられている本。ただ、筆者の取材しているメーカーが偏っているのか、詳しいところとそうでないところがある感じがする。個人的にはもう少し日立と富士通のことが知りたかった。
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名前のとおり、様々な日本の大企業(だった含む)の電機メーカーについての話。
前に会計の本を読んだ時にも書いたけど、東芝はさっさと潰れたほうがいいと思う(というより、潰れて欲しい)。核ミサイルを作れる技術はあるらしいので、戦争にでもなったら逆に生き残るのではないかもね。
かつて、NECは半導体の売上で世界一だったことがあるらしい。知らなかった。結構、衝撃的。
なお、シャープはがんばってほしいと思った。早川徳次の思想もすばらしい。他社にマネされたら市場が広がるからすばらしいという考えだったらしい。ある意味、オープンソース的な考え方に近いと思った。
なお、松下幸之助の水道哲学は現代においてはエコじゃないので時代遅れなんだとか。そりゃそうか。
まあ、いろいろ書いてきたけど、なんとかどの企業もがんばってほしいもんだと思う(東芝以外)。三菱電機はうまく事業転換できてるそうだけど、他もそうなってほしいもんだ。
いや、いっそのことつぶれて、優秀な技術者がベンチャー企業を立ち上げるという流れというのも面白いかもしれない(実際、そういう例もあるらしい)。
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「「電機敗戦の年」。2017年は日本の歴史にそう刻まれることになるだろう。」
本書は、この一文で始まる。東芝の行方は2017年秋の時点でもいまだ不透明ではあるが、解体された東芝はもはやかつての東芝ではない。すでにシャープ、三洋電機はアジアの外資系企業に買収され、半導体売上高世界一を誇ったNECの売上は事業の切り売りを行った結果、ピーク時の半分になっている。パナソニックの連結での売上高も同じくピーク時の半分に近い。2017年が「電気敗戦の年」だというよりも、やはりじりじりと追い込まれてきたということが正しい認識だろう。
本書は、日本の電機産業の衰退の理由を、それをNTTと電力会社が手堅いインフラ需要として背後で支えていた構図が崩壊したからだと捉える。もちろん電機メーカーが数ある中で、それだけの理由に帰するのはいかにも乱暴なロジックではある。ただ、「電電ファミリー」という言葉がNEC、富士通、日立、沖電気を指す言葉として普通に使われていたことを考えると、衰退の理由の大きなひとつではあると納得もする。モトローラやノキアなどを交換機メーカーとして、日本への導入を押し込んできた外部の勢力は当時正しく状況を把握していたと言えるのかもしれない。
実のところ、NTTや東電がメインの商売であって、半導体や家電、携帯電話は日本の電機メーカーにとって本業ではなかったので負けたというのだ。というよりもそのことも含めて総合電機という業態がよくなかったのかもしれない。ここで敗れても会社としては何とかなるというところでの戦いでは、インテルのようにここしかないところで戦っている会社とは戦えない。各社はここに至る前に、GEやIBMがやったように大胆なスクラップ&ビルドができればよかったのかもしれない。通産省主導の国家プロジェクトもまったく役に立たず、逆に邪魔をしただけだったとの結論は特に目新しくもなく正しい結論だと思う。
本書では個別企業の説明として、東芝、NEC、シャープ、ソニー、パナソニック、日立、三菱電機、富士通が並ぶ。
メモリと原発に賭けた東芝、液晶に賭けたシャープは、成功すれば成長できたのかもしれない。それを支えることができる環境と組織ではなかったのかもしれないけれども。ある意味では結果論で話しているところもあり、全ての筆者のロジックに付き合うこともないが、それにしても残念なことになったと思わざるをえない。
著者は本書を『失敗の本質』をモチーフにして書いたという。日本軍の大敗を個別の事例を通して構造的に分析した『失敗の本質』と同じように、大敗をした日本の電機産業を個別の事例を通して構造的に分析したものであるという。確かにもっと早く事業整理が行われてもよかったが、総合電機としてのポリシーや日本的組織がそれを許すものではなかった。
『シャープ崩壊』など、気が付けばこのテーマで読んだ本もたくさん増えている。電子工学科出身としてはとても気になるテーマなのだ。
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パナソニックの章で、車載電池の開発拠点で技術総括を務めていた能間氏が2013年に会社を辞めてその後の行方がわからないと個人名を挙げているがこれは大丈夫なのだろうか。取材をできていないのであれば、書くべきではないのではと思うのだけれども。サムソンに行ったのではないかという推測をしているが、10人以上の三洋電機の技術者が流出したとも言われている。そのことはおおよそは本当のことなのだろう。
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『シャープ崩壊 ―名門企業を壊したのは誰か』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4532320569
『崩壊!パナソニック 復活への秘策』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/B00ENU018O
『パナソニックはサムスンに勝てるか』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4569795439
『ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4041023629
『ソニーをダメにした「普通」という病』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4777108635
『日本の電機産業に未来はあるのか』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4862483879
『日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4166609424
『イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機 』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4480069321
『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4122018331
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この手の本を読むと大抵クリステンセンのイノベーションのジレンマやレビットのマーケティング近視眼のお話に当てはめられて考えることのになるのですが、
本書も結果的にそうなってしまった。
自分は重電の話はそれほど詳しくないけど、
ガラケーに代表されるように企業としての思考停止の結果、今の電機メーカーの凋落っぷりがあると思います。
ものづくり力とは偏執狂っぷりから来るという事を改めて理解。ただし、プロダクトアウトが想像できないと今の世の中ではやっていけない。
それを現場レベルで意識して何かを生み出そうとする人間は今はこの業界には行かない気がした。
なので、解決の糸口は当面ないのでしょうね。
復活しつつあるシャープを見るとプロの経営者って結局いないのかなぁ、と考えさせられる内容。
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理系大学生である自分としてメーカーは非常に身近である
ここまで電機メーカーが社会主義的だとは思ってなかった
ショックではあるけどこれを機に生まれ変われたら良いなとも思った
広い範囲で手を出した分野から離脱して勝てる分野だけで挑む.とても基本的なことではあるけどそれができていなかったんだね...
色々と勉強になりました
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リストラして何とか利益が出るようになった、というところまでの会社が多い。これからどうなっていくか楽しみ、とも言える
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かつての日本の製造業の「強さ」というのは、東電と電電公社という他の会社を選べない独占企業、実質的な「税金」を取り立てる国策企業に各種製造業がぶら下がっていたという構造にあった。
そしてその「強さ」がアメリカが日本を反共の砦とする都合上、技術援助には甘くしていた上に成り立っていたのであり、冷戦の終結とともにそういった甘えは許されなくなり、またリーマンショック、電力や通信の自由化といった流れで一気に強味が弱点にひっくり返るに至った。
日本が勝っていた時に驕りと技術力信仰に陥って、作ったものは売らなくてはいけないという両輪の片方を忘れて新興国の市場開拓をおざなりにして韓国や中国に先を越された。
また通産省、今の経済産業省が日本企業をまとめて外国勢に対抗しようとして介入しすぎ、結果競争力をそいでしまった。
あと成功の上にあぐらをかいて社内の権力闘争に明け暮れ、プライドから対応がことごとく後手後手にまわった。
といった調子に、まことに厳しい現状分析が続く。
参考にしたのが日本軍の第二次大戦での敗北の原因を分析した名著「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」というのもうなずける。
ややとってつけたように明るい見通しも付け加えられるが、それはいわゆる「日本」企業としてのこれまでの在り方を全面的に振り捨てることでしかありえない。正直、当然だと思うし、いまさら親方日の丸にしがみついていたら沈むだけだろう。
気になるのは、本の中では特に強調していないが、重電メーカーが新しい市場として軍事産業に進出する傾向があちこちで見られることだ。
日本が成長産業らしい産業を結局育成できないままでいる現在、バカみたいに高価な兵器購入シフトは「日本がアメリカから軍事的に独立するため」という理屈をつけてでも押し進める可能性は十分あるだろう。産業というより金食い虫だが。