紙の本
青春ドラマ
2017/08/25 17:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1975年からの台湾を舞台にした青春・恋愛・ミステリー小説です。
中国共産党と国民党との時代背景を引きずったなかでの
国民党側である台湾を舞台にし、なんとなく、戦後日本の少年たちの粋がった
ヤクザ社会のような泥臭さに似ている。
若い人向けの青春ドラマで、
年配者が読むには歴史的な背景色をもっと強く出して欲しかったと思います。
電子書籍
面白かった
2018/07/03 18:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まりあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白くて、どんどん読めちゃいました。
70年代の台湾の空気が感じられます。政治的な話も無関係ではないのですが、表現がフラットだからか、気になりません。台湾の香りがする青春小説。
投稿元:
レビューを見る
選考委員満場一致の直木賞受賞作
一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 十七歳の葉秋生は自らのルーツをたどる旅へ出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。直木賞受賞作。
投稿元:
レビューを見る
ネタバレ:歴史の小説として
祖父は反日戦争から、まだ抜け切れていない。
かつては中国は青島で、許二虎とともに、親日の中国人を殺しまくった。
祖父は、許二虎の忘れ形見である宇文を、自分の子(わたしの父の明輝、明泉叔父さん、小梅叔母さん)以上に愛する。
が、実は宇文は、親日の王克強の息子。
父を殺された復讐のために、許二虎の家族を殺していたところを、祖父に拾われたのだ。
数十年を経て、宇文は、育ての親ともなった復讐相手の祖父を、殺した。
が、実は祖父は、養子が実は自分が惨殺した男の子であることを知っていた。
知っていて、復讐を待っていたのだ。
宇文は復讐殺人を後悔し、青島に帰郷した。
わたしは写真の手がかりやコックリさんやの手助けやで推理し、禁制を破って青島に宇文叔父さんを追う。
宇文叔父さんは、復讐の連鎖を受け容れるが、一族の少年がわたしを、祖父の銃で撃つことで、宙に浮く。
宇文叔父さんがわたしと少年を庇い、病死する。
ネタバレ:青春小説として
わたしは幼馴染で姉ちゃん的存在の毛毛と、暴力の中の守り守られを経て、恋愛。
が、兵役から帰ってくると、理不尽に振られ、毛毛は結婚。
あとで知らされたところでは、実はわたしの父と毛毛の母が関係していたので、姉弟である可能性がある。
その後、わたしは日本語を仕事で学ぶうち、同じく通訳の夏美玲と関係を持つ。
毛毛を吹っ切れていないわたしと、兵役途中の恋人が死んだ夏美玲は、知らず、お互いをだれかのかわりにしていた。
が、わたしが中国へ行き祖父殺害の真相を突き止めることをきっかけに、いつまでもだれかのかわりではいられない、と結婚。
(が、しかし、妊娠、わたしの喜び、そんな夫を誇りに思う、流産、不妊、不倫、離婚、を経たわたしが、語り手というか書き手。)
滑稽な記述も多く、作者が楽しんで書いている。村上龍「69」のように。
《祖父にせよ、宇文叔父さんにせよ、雷威にせよ、人が死ぬたびにその人がいた世界も消え失せる。わたしは彼らなしでやっていかなければならない。もとの世界とはまったく別物の、もっと曖昧で、冷たくて、無関心を包み隠そうとしない新しい世界に、わたしの足はすくむ。暖かな外套を一枚ずつ剝がされ、肉体がむき出しになっていくようだ。わたしの心はぬくもりを求めるが、しかし、わたしの魂はそうじゃない。年を追うごとに、わたしの魂は彼らとともに在るのだと感じる。彼らの目でものを見、彼らの耳で声を聞き、彼らの態度に永遠の憧れを抱く。けっして帰れるはずのない古い世界へと沈んでゆく、わたしの心は、そうやって慰められる。》
投稿元:
レビューを見る
無鉄砲で熱い姿に惹きこまれる。現代日本の若者にはない荒々しくも透明な魅力がそこにあった。コミカルで素敵な作品でした。
あらすじ(背表紙より)
一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で?無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。直木賞受賞作。
投稿元:
レビューを見る
前半は昭和初期の日本でもありそうな青春小説かと思ったが、後半は中国、台湾を舞台とする史実も取り入れた壮大な人間の性を語る物語となり、引き込まれた。前半と後半があまりにも異なり、特に前半の必然性が低い気がしたが、後半の物語は確かに読みがいがあった。
投稿元:
レビューを見る
微妙。 主人公の祖父が殺されたことで犯人をずっと追っかけていた話だが、犯人が自分の叔父(血の繋がっていない)だとわかって最後には納得する話だがまあそんな物語。面白いのか、面白くないのか、良くわからんな。これが直木賞とは??です。
投稿元:
レビューを見る
中国でのお話。祖父の死の真相について、孫が究明するような感じの内容。
残念ながら、内容が今一つわからなくて、この本を楽しめなかった、途中で断念。
投稿元:
レビューを見る
週に一回程度は本屋をのぞく。やはり本屋さんが推してくる本は面白く、ついつい手に取る。最近は本屋のPOPで推されるのを読む本が多いので、この本の並びを見れば、私の行きつけの本屋がどの本屋かわかってしまうのではと思ってしまうくらい。これもそんな一冊。
台湾が舞台。軍役に付くのが嫌で大学を目指す主人公。主人公の祖父が殺されてしまい、祖父の過去を調べていく話。戦後数年後の時代背景、台湾風景と共に物語は語られる。
祖父が戦争の世代であれば、私と同年代か。私の場合はすでに教科書や本で知る世界だが、主人公は今なお引きずる戦争の傷跡、こんな風に後世に影響してしまうのか、遺恨を残してしまうのかの悲しさ。じわじわ共感と共に考えさせられる感が読んでいて良い。
【心に残る】
友人が人生最大の危機に瀕しているのに、もしここで傍観などしたら、私はこれから先、臆病さを成長の証だと自分を偽って生きていくことになるだろう、それくらいなら死んだほうがましだと思う。人には成長しなければならない部分と、どうしたって成長できない部分と、成長しては行けない部分が有ると思う
投稿元:
レビューを見る
直木賞受賞作を、文庫化に当たって入手。本作者の作品は初めてだし、タイトルからはジャンルすらも想像つかず、情報ほぼ皆無からの読書体験。結果、いわゆるノンジャンルとも取れるような、色んな要素を含んだカラフルな作品でした。台湾史もあり、青春コメディもあり、ミステリ的要素もあり。どれもがこなれた態で紡がれるから、読みながらに感じられる安定感も抜群。クスッとさせられる場面も多いし、かと思えばバッチリ決まるセンテンスもあちこちに散りばめられていて、ハイライトといえる箇所が盛り沢山。総じて満足度高かったです。
投稿元:
レビューを見る
1975年17歳の葉秋生と親友趙戦雄が繰り広げる無鉄砲な日々、恋人毛毛(マオマオ)との別れのエピソードを編み込みながら、日中戦争時代の因縁の人間関係(復讐)が全編を貫く。
投稿元:
レビューを見る
馴染みのない中国人名に苦戦しながら、ものすごく時間がかけて読み終えた。
1人の青年の様々なことへの葛藤と青春の物語、とでも言おうか。祖父を殺した犯人は誰なのか…基本はそのひと言に尽きる。
読んでいる最中は、「この出来事はどんな意味があるのか…」と、何が言いたいのかよく分からなくなることもあったけれど、最後まで読み終えてみて初めて面白いと思ったし、やっと物語が1つの形になって完成したような安堵感と感動があった。
満場一致の直木賞受賞作品、というのも納得。
投稿元:
レビューを見る
最近よく思うのは、慣れない作品ほど一気読みすべし、ということ。
話題になった直木賞当時はそれほど興味なかったのだけど、並んだ文庫のあらすじが気になり購入。
結果、意外とよかった。
蒋介石が台湾へ渡った当時の中国、台湾の生活、そして内戦の痛ましさを要所に見せながら、孫の主人公の青春を織り交ぜた感じ。
冒頭のトイレット事情や、ゴキブリ、幽霊のくだりなど思わず笑ってしまう表現もあり文化の違いも面白く呼んだ。
ただ、登場人物皆中国、台湾人なので解りにくすぎで、途中で誰がだれだか。。
ま、でも他の作品も読んでみようかなと思える作家。
投稿元:
レビューを見る
半分ヤクザの祖父が殺された!酷い殺され方だった。
主人公の葉秋生は祖父が殺された事で悩み考え自分の人生が非常に目まぐるしくなり、ヴァイオレンスでエキサイティングな青春時代を過ごす事になる!
自分の祖父の死の真相を追いながら台湾から日本へそして大陸へと流れて行く!
↑これは一般的な解釈による粗筋です。
私はこう思います↓
葉秋生は暇だった何に熱中することもなく唯々流されるままに生きる。兵役が嫌だから大学に行こうとするが受験の為の勉強が嫌で嫌で、外をほっつき歩くからトラブルに巻き込まれる。祖父の死を言い訳にし好き放題流れに身を任せ青春時代を謳歌する!
読んでて痛快な青春小説!!!
何故か私には村上龍の【69sixty nine】とこの小説が被ってしまう!?
投稿元:
レビューを見る
ジャンルは、ハードボイルド?
この作者の書いた逃亡作法があまり面白く感じられなかったので、期待せずに読んだのだが、かなり面白かった。
40年前の台湾の混沌とした雰囲気の中、主人公の成長が描かれており、ミステリーを主軸にしつつも、青春小説として仕上がっている。
普段、あまり読まないジャンルの本だが、この作品で直木賞をとったというのは、納得できる。