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相見えたヴァンとホッサル。人は何故病み、何故治る者と治らぬ者がいるのか?二人の問答の中に人の体の深淵を見る。
この物語を通じて、人の体の不思議とか医術とは何か、生きること死ぬことについて折に触れ語られてきたが、根底にある人間社会だけでなく動物や微生物も含めてこの世の生物を全て包含した世界観は、これまでもこの作者が語ってきたところと重なり合って深い。
様々な思惑が重なりあって進む物語は最後の最後までどう決着するか予断を許さず、“圧倒的な闇に挑み、跳ね踊る小さな鹿よ、輝け”とばかりに決断するヴァン。
『人というのは哀しいもので、なにをやっても、どこかに悔いが残るもんだと』というヴァンの父の言葉も胸に沁みれば、『答えはいつも、我が身の内にある』というヴァンの姿に心震える。
“もがくことこそが、多分、生きる、ということだからだ” 最早もがくことを諦めそうになる歳の身には結構きつい言葉だが、そうしてこれまで生きてきたんだなぁと。
オキの民と移住民の若者、沼地の民の娘とモルファの女が、家族のように寄り添って深い森の奥へ消えていくラストは美しいが、多様性が語られる一方、いまだ偏狭な心根の持ち主も多い時代にあって、本当にお互いを認め合う世界へはまだまだ乗り越えなければならいことは多い。
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上橋さんらしさ100%。精霊の守り人シリーズと同様,未知なる自然と人との繋がりに引き込まれてしまう。
あらすじ(背表紙より)
岩塩鉱を生き残った男・ヴァンと、ついに対面したホッサル。人はなぜ病み、なぜ治る者と治らぬ者がいるのか―投げかけられた問いに答えようとする中で、ホッサルは黒狼熱の秘密に気づく。その頃仲間を失った“火馬の民”のオーファンは、故郷をとり戻すべく最後の勝負を仕掛けていた。病む者の哀しみを見過ごせなかったヴァンが、愛する者たちが生きる世界のために下した決断とは―!?上橋菜穂子の傑作長編、堂々完結!
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寂しさと同時に、明るい希望を感じさせてくれる結末。
文庫4冊の長編だったけど、読んで良かった。また読みたい。
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大作だった・・・。どっぷりとこの世界に浸っていた。山を3つばかり越えたら本当に飛鹿が生きるこの世界が広がっているんじゃないかと思うほど、生き生きとして無数の命が手触りを持って存在するように感じていた。
なかでもユナちゃんの無垢で輝くような存在感がたまらなく愛おしい。政治的な理由や侵略者の理屈で次々と命が失われていくなかで、何の疑問も持たずに生まれて来たからには精一杯生きる、と、生き物として当たり前の存在動機を達成している幼子。
ヴァンはきっと、自分で思っている以上にユナに救われていたんじゃないかなぁ。ラストシーンの後も、きっと・・・。
ホッサルと祖父リムエッルのやり取りは緊迫していて、でもその中に多くの示唆や気づきがあった。どちらの考え方にも、納得できる部分と、いやそれは理想にすぎないだろうと思う部分とがある。リムエッルは終わりの方になるまではずっと、過去の人かと思っていたのに、全然そうじゃなくてびっくりしたわ・・・。
こういった政治的な駆け引きは守り人シリーズでも見られ、それがしっかり作り込まれている点が、善く生きる人たちの辛さにも繋がっているけど、物語の奥深さにも繋がっているんだろうなと思う。
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主人公二人が魅力的でスケールが大きく素晴らしい作品だった。この世の様々な出来事が物語の中に凝縮されている。エンタメとしての面白さも秀逸。ぜひハリウッドで映像化して欲しい。
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ようやく読了!
大作でした……!
前の巻の終わりでヴァンとホッサルが出会い、この巻は解決一直線……かと思いきや、ものごとってそう簡単には行かないし、予測通りにもいかないし。この巻も人が入り乱れ、誰が何の思惑で動いているのやら……。
とにかく、最後に「鹿の王」の意味、プロローグの光る葉の回収がなされました。すべてがここに繋がったのかと思うと、これはすごい本だ。テーマも深い。小中学生には難しすぎるだろ、間違いなく。
ユナ、ヴァン、サエには穏やかに幸せに生活していってほしい。
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最後の方は複雑でわかりにくかったが、まあ面白かった。
生命についての記述・考察が長くて読み飛ばし気味になった。きっと一番リキ入れたところなのだろうが・・・
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ようやく読み終わった。
終始、異世界にトリップしてる感じ。(入院とかの)まとまった時間が取れるときに、また一気に読みたい。
そしてファンタジー要素だけではなく、医療小説の要素も絡み合っているのが面白かった。菌とは?それで組成される人体とは?その行動原理は?……現代ほど最新技術がないからこそ自然に本質に迫る姿は、色々と考えさせられた。
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やっと読み終わったー。生きるとはどういうことかを考えさせられました。上橋さんのあとがきもとても良かった。
願わくは、差し伸べられた手をもう一度ヴァンにはとってほしい。迎えに来てくれる人たちがいるって、素敵なことですね。
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全巻読了。
この疲労はなんだろう。
生き物の長い歴史と それに比して見れば
一瞬に過ぎない人間、民族、国家の歴史。
そのようなものが等しく内側に抱えるものを
すべて見せられたような とてつもない
心の疲れを感じている。
病とは何か。病むとはどういうことか。
1つの中に多くのものが共存し共生することの
本当の尊さを知ることができたと思う。
同時に…その尊さを知らぬ者たちの哀しみにも
触れることができたのではないかと…思う。
この作品に凝縮されたものは 例えようもなく
多くて大きくて広過ぎて…とらえきれないが
それでも感じるのだ。こめられた思いの尊さを。
偉大な物語。私はそう呼びたい。
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最後のページをめくり、エピローグがないかと探してしまった。
鹿の王たる運命というか、宿命というか。わかっていてもハッピーエンドを願わずにはいられない。
ヴァンが孤高が故の愛されキャラで
四巻あっという間。
上橋先生、サイコーです。
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ヴァンの行動が自己犠牲の方向に向かっているように感じた時から、もしかして悲しい終わり方なのじゃないかと気を揉みながら読み進めたけど、結局読者の想像に任せられるような結末だった。
ハッピーエンド好きとしては少し物足りない終わり方だったけど、きっとこの先にも本には収まりきらない物語があるのだと思うことにする。
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とうとう終ってしまった。感無量。ユナとヴァンは絶対に離れられない絆で結ばれているんだ。それがすごく嬉しかった。ヴァンは「鹿の王」となるべく、自己を顧みずユナを置き、離れていこうとしたけれど、ユナの血がそれを許さなかった。本当にすごい。こんなエンディングになるなんて想像していなかった。快哉を叫ぶとはこのことか。物語、冒険はまだまだ続きそうだけれど、私たちが関われるのがここまでかと思うととても寂しい。また何かのカタチでヴァンやユナ、サヤたちに会えるといいな。ユナがどんな女の子になっていくのかとても楽しみだ。
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鹿の王の完結編
ホッサルとヴァンが出会い、黒狼熱の秘密への扉が開かれた。
どんでん返しの上に、さらにどんでん返しの息つかせぬ展開。一方的な悪はおらず、複雑に絡み合った状況から、最後に肉親を亡くし、黒狼熱から生き残ったヴァンとユナが争いから抜けだし、生命を救う道を突っ走る。
正邪、勝ち負けがはっきりした結末ではないが、明日への希望がみえる最後だったと思う。
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読み終わってしまった〜
ヴァンの民族の『独角』という生き方も『鹿の王』の言い伝えがあるからこそ 許された生き方なんだろうな
生きる死ぬを 国 民族 個人 から 細菌まで いろんな角度から その営みを繰り返し語る物語でした
ああ もう少し この世界に浸っていたかった〜