紙の本
今後の活動になお一層の期待をしたい
2017/10/06 16:23
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は2011.3.11の震災関係図書ともいえる。父親が創業した宮城県石巻市にあったエビ工場が被災した。再起を図るが、石巻市では難しく、大阪で実現し、新しい工場を建てた。その工場の工場長となった著者が会社再建を目指して工場を切り盛りし、活性化させた記録だ。
「生きる職場」の実現は津波による被災がなければありえなかったかもしれない。人生とは予測できないものだ。社長である父親の人生もまた興味深い。子である著者も大きく感化されているのであろう。
世の中の多くの会社はできていない「珍しい」働き方だから、その希少性故、評価されると言っては身も蓋もない。働き方改革とは著者が実践したように、よりよい働き方のために、失敗も含め実現のための不断の努力こそが重要なのであると思う。
紙の本
目からウロコ、新しい視点
2017/09/14 20:55
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投稿者:とりみんぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さまざまなノウハウ本が出ていますが、ありきたりの内容やどこかで目にしたような内容がほとんど。ところが、この本は、これまで誰も発想したことがない、また、実際に行動に踏み出し得なかった革命的な人員管理術の成功例を、客観的なデータを元に丁寧に説明しながら書かれています。
紙の本
価値観の転換を迫られました
2017/12/11 15:50
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投稿者:しおかぜ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつ来ても、いつ帰ってもいいという、労務管理を究極的にフリースタイルにしてしまった会社の話です。
これを「この会社だからできたことでは?」「あまりに極端では?」と言って切り捨ててしまうことは簡単ですが、人材がなかなか集まらないいまだからこそ、従業員それぞれの事情にも配慮する必要があるのは、どこの会社でも同じだと思います。その意味で、染みついた固定観念とか、従来の価値観の転換を迫られた本です。
ただし、原発政策等に関する政治的な言及は、本書の本筋とは直接的には関係しないので、まったく余計であり、蛇足とはこのことです。なので、マイナス1点。
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これからが楽しみ
2021/03/23 17:16
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投稿者:かわも - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、パプアニューギニア海産という会社のお話しです。この会社は、「フリースケジュール」という社内規則が敷かれています。出退勤時間は自由、好きな日に働けばいい。嫌な作業はしなくてもOKという一見非常識な働き方を実践しています。
元々は宮城県に本社があったのですが、東日本大震災によって大阪に移転することになります。著者は、宮城で仕事を続けたかったが、『もし震災だけであれば、こんなことにならなかったのではないか。もっと人と人が助け合い、日本も社会も別の方向に向かって、成長できたのではないかと思うのです。しかし、それを捻じ曲げ、争いすら生み出したのが福島第一原発事故であり、国の対応だったのではないかと感じています』と本音を語ります。
フリースケジュールを導入しているのも、「ルールによって人を縛る」働き方に震災以降疑問を持つようになったことがきっかけとされています。著者の主張には賛否あると思いますが、自身の働き方を考えるきっかけが与えられる本です。
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大阪にある水産品加工会社「パプアニューギニア海産」の工場長、武藤北斗氏の著書。個人の働きがいと会社の業績の関係については、自分も悩んだ事があったので大変興味深く読んだ。
この会社では、出勤日や出勤時間をパート社員自身が決めるフリースケジュール制度や、嫌な仕事はやってはいけない規則、そして無断欠勤を認める規則など、常識では考えられない就業規則を導入しているのだが、結果的に生産効率がアップしているらしい。
武藤氏は東北での震災を経て大阪へ移住するのだが、再出発を始めた矢先に前工場長に退職されてしまったのがきっかけとなり、従業員の働きやすさを一番に考えるようになった。単純にルールを無くしたわけではなく、武藤氏とパートの皆さんとの信頼関係の上に成り立っているのが非常に印象的だった。
おそらくこの会社が取り組んでいるのは、働き方改革の最先端の形なのだと思う。決して会社の規模が小さいから出来たという訳では無く、経営者としてのブレない信念が可能にしたのだ。働く人が幸せで会社の業績も上がれば、こんなに良いことは無いんじゃないかな。
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「縛り」「疑い」「争う」ことに抗うパプアニューギニア海産のあり方に、私はすごく共感した。経営者の立場ではない私がどんなことをできるのか、この本をヒントに模索していきたい。
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パプアニューギニアから持ってきたエビを加工する工場で、パート社員に「フリースケジュール」という好きな日・時間に来て働ける制度を導入した社長さんが、その導入の経緯や思い・工夫を纏めた本。
働き方改革的な流れで色々な変革が叫ばれていますが、結局そんな改革の先に求めるのは、本著のタイトルにもある「縛られない働き方」なのかもしれません。
テレワークは場所に縛られない働き方ですが、この工場の場合は勤務時間に縛られない働き方。工場の稼働時間は8時半~17時と決まっていますが、パート社員は好きな時間に来て働くことができ、欠勤時は勝手に休めてむしろ連絡しちゃいけない。ICTに頼らずとも、工夫で新しい働き方を実現してしまうのはとても眩しく感じます。
もちろん、パート社員だからできる(ノウハウの蓄積や承継は不要?)、扱っている商品が冷凍だからできるという指摘はありますし、著者も後者に対しては本著内で反論していますが(個人的にはあまり体を為していないように感じました…)とは言え、著者が取り組んでいることは賞賛されるべきファースト・ペンギンの取り組みなので、いち消費者としても応援していきたいと感じました。
加えて、フリースケジュールや、嫌いな作業はやらないというルールに取り組んでみたことで、離職率の低下や作業効率の向上が達成できたというのは凄い。
著者のポジティブな文体も相まって、固定観念に囚われていて、働く人の幸せや生産性の向上がまだまだできていない分野があるんじゃないか、と楽観的な気持ちにさせてくれる本でした。
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あるNPO法人でおすすめされて読んだ本。
何かにつけて人を縛ることが当たり前になっている今の世の中に違和感を感じていたので、著者の意見にとても賛同しました。
個々に合わせるということは今の世の中に足りないことであり、また必要なことであると感じています。
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生きることと働くことについて、仕事という面だけでなく食べるものを選ぶということや原子力エネルギーに関する視点からも様々な問いかけをしてくれている本。
「人は管理しないとサボる」「嫌なことでも仕事であればやるべきだ」といった思い込みが、どこかでまだ自分の中にも隠れているような気がした。そして社会も、そういう思い込みのもとに色んなルールがまかり通っていて、そのひずみが表れてきている、それが今の働き方改革の現状とそれに対する違和感なんじゃないかなぁと思った。
本来、人は自ら成長したいと思うものだし、好きなことなら一生懸命やるし、誰かの役に立つことを喜びだと感じるはず。そういったプラスの面にしっかりフォーカスすれば、みんなが楽しく、そして楽に仕事ができる環境ってきっと作れるんじゃないかなと思う。
『人生で立ち向かうべきものはたくさんあるはずなのに、職場でエビに立ち向かう必要があるでしょうか』という問いかけには笑ってしまったけど、仕事は生きるための手段だけど、誰もが常に仕事にフルコミットできるわけではないし、人は一人ひとり違う、そんな中でみんなが生き生きと働ける職場をつくれる会社が、これからも世の中に必要とされるんだろうな。
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こんなの理想論だろと誰もが思うであろう思いと共に本をひらいた。
しかし、読了する頃にはとても理にかなった働き方だと考えを改めた。もちろん、働く側にとって自由な時間に出社できるということのメリットは語らずとも理解できる。しかし、経営者側にもメリットになるとは驚きだ。そして、本当の意味でwin-winな関係を築き上げることができれば、そこは理想の職場になる。明るく楽しいことが職場の理想ではないということにはとても納得した。
職場の人々は自分で選ぶことはならない。価値観も考え方も違って当たり前だ。それなのに、どうして一概に仲良くなるのが善のような考え方にななってしまうのだろう。合わない人がいて当然。それを無理に仲良くしようとするから、状況がますますややこしくなるのだ。
フリースケジュールなどはすぐには実践しにくいが、無理な宴会や飲み会などは無くしてしまって良いのではないだろうか。それに対して近頃の若者はと言っているようではいけないのかもしれない。
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好きな時に出勤し、好きな時に退勤するそのような職場を実践した会社。
パートだけに限っているが、面白い取り組み。
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経営、リーダーと現場の信頼関係。思い込みや縛りからの脱却も興味深かったのですが、何より自身の使命ですよね。社会への使命、働く人に向けて、地域に向けて、顧客に向けての使命。それを燃やしながら、進化を続ける。手腕や方法としては、それぞれが研究していくべきでしょうけど。このユニークな会社の理念や使命は、普遍的な当たり前の追求をしていると感じたのでした。
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飾らない表現で書かれた文体が読みやすく、主張も理解しやすかったです。組織を作る上で多くの参考になる考え方を教えていただきました。
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フリースケジュールと言って、好きな時に会社で働いて好きな時に帰ること。休む時にはなにも報告しなくていい。好きな作業しかやっちゃいけない。
そんな自由な会社があるんだと、びっくりしました。この本をたくさんの人が読んで、新たに違う会社がやってみたいと思ってくれて、日本で縛るような働き方を無くすような改革になれると嬉しいですね。
固定概念を壊すような感じの本でした。
働くことに嫌になってる人におすすめしたいですね。未来の希望が少し持てます。
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出勤日も出勤時間も自由、休む時は連絡してはいけない。東日本大震災で被災し、大阪で再建した小さなエビ加工工場の新しい働き方。
エビ加工という単純作業の現場だから成立するのか、もっと人数が増えたらどうなるのか、自分の職場だったら適用可能かなどいろいろ考えながら読んだ。
自由にする代わりに細かいルールをいろいろ設定していて、このへんのバランスが絶妙なので、なかなかこの働き方はマニュアル化できないと感じたが、一番重要なのは経営者側が従業員が居心地がよく最大限パフォーマンスを発揮できるのはどのような環境なのかを考えることだろう。