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‹内容紹介より›
昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か。血沸き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。
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暴力団の展開するまさに「仁義なき戦い」と、それを左右しようとする警察官・大上。堅気には理解しにくい「筋」を通すべく、そして互いに自身の利益を最大限にするべく奮闘する男たちの物語です。
新人日岡の視点から描かれますが、折々に挿入される「業務日誌」が気になります。ほとんどの部分が塗りつぶされ、内容が読めなくなっているからです。
序盤から中盤にかけては、「龍が如く」や「アウトレイジ」のような暴力団の抗争が描かれていますが、二次団体を含めて多くの組・構成員がそれぞれの立場から関係してくることもあって少し読みにくい(状況が理解しにくい)場面もありました。
後半にかけて、大上の死と日岡の正体(監察の内偵だった)がわかるなど、展開がスピーディーになります。
「事件がさっぱり解決」とはいかず、禍根を残しつつもとりあえずの決着を見てそれぞれが先へと進む、というのもリアルに感じます。
2018年に映画化&続編『凶犬の眼』も刊行されそう、とのこと。
どの部分が描かれているのかはわかりませんが、本作では「年表」として記された日岡の「それから」が明らかになるといいなあ、と思います。
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何という小説なんだ!もちろんいい意味です。今までにない警察小説というかヤクザ小説?最初は、聞き慣れない広島弁と登場人物の相関関係に戸惑ってしまったけど、一気に読んでしまいました。『狐狼の血』の意味がわかり、涙がポロリでした。これからも柚木裕子さんから目が離せません。
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年越ししながら読了。
キャラ、内容、ラスト、どれもよかった。この小説を女性作家が書いたとは思えないくらいの迫力。
続編も気になる。
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毎年年末年始恒例の「おすすめ文庫王国」からのチョイス、今年の1冊目は10位にランクインしながら『本当は別格ですよ』とあったこの本で。
いや~、昭和だねぇ。勿論、舞台が昭和63年、暴対法成立前の広島ということもあるのだけど、それ以上に描かれているやくざの姿、警察の世界、風俗、人間関係、しがらみなどなど、あの頃の風情が色濃く滲み出ていて、かつての東映の世界へひとっ飛び。
数々の事件が起こり、その事件を追いながら、そこに端を発する抗争の火種をどう抑え込むかという本筋に加え、大上や晶子の過去に纏わる謎も絡んで重層的に物語は進む。
生々しい描写で面白く読めるが、それだけで終わらず最後の捻りがなかなか。そこまでの仕掛けが効いていて、物語の印象がガラリと変わった。
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いわゆる「一気読み」確定である。
広島を舞台にしたガチガチのヤクザ&警察の物語。
ヤクザと親しくする現場警官が、行方不明事件を解明し、抗争を未然に防ごうと奔走する。
次々と起こる小競り合いや行方不明事件の真相に近づくにつれ読むのをやめられなくなる。
そして最後の急展開。日記のいたるところが消されていることも最後の最後に理由がわかるという。
最初から最後まで、こころを鷲掴みにされました。
まいりました。
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書店でおすすめされていたので購入。ヤクザの世界がうまく描かれている。面白くてぐいぐい引き込まれて読んだ。映画化したら面白そう。
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最高です。カッコイイ。そしておもしろい。
昭和のニオイがたまりません。最後ブルッと震えちゃった、こんな小説はじめて読んだかも・・
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”おすすめ文庫王国”から。本作者の作品は初めてで、個人的に持っていた印象としては、『柚木麻子と紛らわしいな』っていう、どうでもいいもの。でもすみません。そんな適当にあしらっていい作家さんではありませんでした。ハードボイルド系があまり好きじゃないこともあり、最初のうちは『何となく苦手かも』みたいに思ってたんです。でも上司たるおじさんのキャラがはっきりしてくるあたりから、『おっ!?』って前のめりになってきて、ヤクザ同士の絡み合いとか関係性が見えてくると、もうどっぷり本作の世界観の中にいる自分に気付く。殆ど主人公だとまで思えてくる上記おじさんの運命には呆気に取られるけど、それも込みで圧巻のクライマックス。続編もあるってことで、そちらも楽しみで仕方ない。偏見満点で申し訳ないけど、女性作家が本作をものしたっていうのも驚き。いやいや、素晴らしかったです。
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面白かった…!すごく‼︎
久々に人にお勧めしたいと思った小説!
最初からエピローグに至るまで夢中で読んだし、最後の興奮ね!
私も震えたわ。
読んで良かったー。
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柚月裕子さんの本読むのは初めてなんだけど、この本女性が書いたってのにもびっくりだわ。
極道モノの映画とかVシネマとか好きな人はたぶん絶対好き。
私はほぼ見たことないけど(^v^;)
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こちらも映画化されるんだけど、キャスト見てたら晶子さんがいないんだけどー!
晶子さんが出てこないなんて、ちょっと納得いかない。
…ってことは、「志乃」も無いってことでしょ?
あれは、『相棒』で言うところの花の里なんですけどー!
と、ちょっと不満ですが映画も気になるな。
*
柚月さんの本はいま本屋大賞ノミネートで話題になってる『盤上の向日葵』が読みたかったんだけど、文庫化待ち中なのでこちらを先に読んだ。
あちらも早く読みたいな。
他の本も気になる!
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あとがきを読んで
「そうそうトレーニング・デイ」と呟いてしまった。
ヤクザと渡り合う悪徳警官と新人刑事の話
大上の様な強引な人物には出会ったことがあるので、やや引き気味に読んでました。
読ませる展開のスピード感がなければ、ちょっときつかったかも
ヤクザ者達も、ちょっと癖のある人種といった感じで「任侠道を貫く漢」の様な人物はさほど出て来ず…親分の回想くらいか、他の人のレビュー読みすぎてハードル上がったのかも…
にしても最後まで引っ張られるくらい面白かった。
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内容(「BOOK」データベースより)
昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。
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まさかの展開からのまさかのラストでした。ラスト真相がわかってから今までのストーリーを振り返ると(あれが実は伏線だったのか...)と気づかされるところが多々あって鳥肌が立ちました。日岡にはガミさんのようになって欲しいけど、ガミさんのようにはなって欲しくない...かな。
ハードボイルド系はあまり好んでは読まないんだけど、ふと手に取ってみた本がまさかのおもしろさで、結末もすっきりでした。
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このミス2016年版3位。自分の大好きなジャンルの一つの警察小説。きっちりと書く文体が佐々木譲、横山秀夫っぽい。雫井脩介の「検察側の罪人」にも雰囲気似てるけどもっとリアル。これらの自分的評価の高い作品に肩を並べる傑作。緻密でリアルすぎで前半は少し展開の遅さが気になり、まあ佳作ってとこかなって感じだけど後半はグングン盛り上がった。主人公のマルボー刑事が特定のヤクザ組織に肩入れしてるのが既存の警察小説にない設定で、これどうなんの?ってとこから、あっと驚く展開が次々と。その設定なら必然っちゃ必然なんだけどビックリします。全体の構成も良く練られてるし人間の書き込みも深く感情移入できる。最後はすごく心揺さぶられて涙が溢れました。2018年5月12日 映画公開のようです。
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この作者の作品は初めてよんだが警察とヤクザの癒着や抗争を踏まえながら主人公二人の関係性や、表裏一体の刑事大上の人間性が深く魅力的に描かれている。
スピード感もあり一気に読める。
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警察小説でありピカレスクロマンでもある。
日本版ジャック・バウアーといえばいいかな。
テクノロジーが今ほど余白を奪ってない時代の話、ネットやスマホが普及する少し前の世界。
面白かった。