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「らしい」作品だと思う。
作者の死生観について
これまでの作品にも垣間見えていたものだが
かたちをはっきりとさせてきた・・・
そんな印象を受ける。
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ラストですっと収束する。短編集に見えて、少しずつリンクしてるのも良い。それぞれの生と死に思いを馳せながら、素直に読める作品。
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やっぱり辻村さんは読みやすいしサクサク読めたけどこの作品は好みじゃなかったかなー。
映画化もされ、評価もよかったから期待しすぎたのか、淡々としすぎだし「死者に会える」というテーマにしては軽すぎて残念。
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「生者」と「死者」の橋渡しをする使者(ツナグ)と関わる人達を描く連作短編集。
各話とも死者との邂逅を願う依頼者達の視点で物語は進むが、最終話で使者である主人公の視点のエピソードでそれまでの疑問点や伏線が回収される造りになっている。
全編を通してみると、ややあっさりした感じでベタな「お涙頂戴感動路線」に走らなかった点は好印象。
手前勝手な感情や妬み・嫉妬・エゴといった人が持つ薄暗い部分にも一歩踏み出したところはツボ。
生きる者・遺された者にとっての「死者」とはどんな存在なのかしらん?といったテーマの根幹部分については、やや放り投げた感じもするがコレはコレで「アリ」のような気もする。
一話目にこんなストーリーを持ってくるのか!?とちょっと驚き不意打ちを喰らった『アイドルの心得』
思春期の情緒の不安定さや、盲目的なまでの思い込み、ある種の純粋さ(良い意味でも悪い意味でも)を描き、居心地と座り心地の悪い話に仕立てた『親友の心得』
が印象に残る。
今の自分には少しばかり痛い作品でありました。
個人的満足度 ★★★ 3
オススメ度 ★★★★ 4
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親友?との再会の話がよかった。死者と会う事が必ずしも良いとは必らない。この手の話だと、再会した死者と涙して別れてハッピーエンドな話ばかりかと思ってた。読みやすくて、おもしろかった。続編も書けるのでは?
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亡くなった人に一度だけ会える。
これは、会いたい人たちと、使者と死者の物語。
憧れのアイドル。母。親友。失踪した恋人。彼女あるいは彼らが会いたい理由は恋しさだけとも限らない。
やっと会えたのに一度きりのチャンス、ただひとつの伝えたいことを言えず後悔をする人もいる。
思う言葉は、一度きりのチャンスだと自ずと出てくるわけではないんだな、と感じた。 状況に委ねてはいけない、本気の言葉はどんな時であっても自分の意思を強く持たないと絶対に出てこない。
さすが辻村深月さんだ、と思ったのは使者をその役割の姿のみならず、彼の日常生活、心理を描いたこと。
死者に会いたいと依頼した人の満足の物語にとどまらず、傍観の立場でもある彼の心の風景が入ったことで、読み終えた場面が深い色になる。
ひとつひとつがばらばらの物語のようで、繋がる。
生者と死者をツナグ。物語をツナグ。
改めて、辻村深月さんって、すごい。
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辻村作品の一連の流れでいったら違和感があるが、それでもやっぱり、ストーリーテーラーで、涙こらえながら読み切った。
嵐と御園のくだりが「THE 辻村深月」で、やっぱりうまいなぁ。
介入できないもどかしさ、介入してしまった気まずさ。いずれにせよ、見なくていい世の中の面倒くささをのぞき見してしまう後味の悪さ。若い歩美には過酷なのかもしれないが、若い歩美を思う祖母や叔父の存在が温かく、それを素直に受け止められる歩美の育ちのよさが好ましい。
★乾ルカ「メグル」
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工務店のおばあちゃんの話でちょっと泣いたな。
もし私だったら誰に会いたいかなーって考えて、
やっぱり死んだ人に会いたいとは思わないかなって思った。
幸か不幸か、この小説みたいに、悔いの残る、というか、
もう一度話したいと思う別れ方をしていないからだな。
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この人の作品は初めて。どの登場人物もイメージが伝わりやすく、スッと入り込めた。最近ミステリーばかりを一気読みしていたので、久々に時間をかけてゆっくり読んだら、暖かみのある文章に癒されてホッとした。死者と生者を引き合わせる使者が本当にいたら。。信じられない。異空間の世界観こそ小説の醍醐味だと思う。他の作品も読みたくなった。
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生者と死者のそれぞれの想いがあるからこその、「ツナグ」なのだと感じた。ツナグ自身も仲介者として依頼者の想いを背負ってもいる。一つ一つの物語が最終的に繋がっていくことで、想像することしかできない死者の想いに、生者として残された者は希望を見いだしたり、新たな想いを抱えて生きていくのだなぁと考えさせられた。
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辻村さんの作品は「冷たい校舎~」を読んで、
とにかく長いという印象でそれ以降読んでいませんでした。
今回は単行本が出た時から「死んだ人に一度だけ会える」という設定に惹かれていて、文庫版を購入して読みました。
正直とてもよかった。
今までの印象はくどくどしている感じというものだったけど、
本作は連作短編の形で一つ一つで登場人物が限られてくるので、
あっさりと小気味よく進んでいけました。
そして最後に全体像を俯瞰できたうえでツナグの核心に近づく展開で感動し、楽しめました。
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死がひとつのテーマになっているけど、ほっこりする感じ。アイドルの心得、待ち人の心得が自分的にはよかった。
会えない誰かに一度だけ会えるとしたら。会わないという選択肢も含めて考えてみたい。
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2012-92
生と死をツナグ、使者。
それぞれの短編を最後の使者の心得がまとめている。
淡々と使者をしてきたようにみえた歩美の葛藤や彼が出した答え。
死者は生者のためにいる。
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なんだろう。伊坂も書きそうなというか、辻村深月にしては軽いテイスト。分かりやすいし、間違いなく面白いから、辻村一冊目として薦めるには良いかもしれん。
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ほっこりする話や、人間の弱さを露呈する話が
1つにまとまっていくのは流石。
使者としての成長も見守れるのも魅力だった。
個人的には親友の心得が一番。
ケンカしたまま亡くなってしまった親友との対面は、まさに胸をえぐられるようだった。
キレイな文章なのに、どこか小骨がひっかかる感じが残るのは辻村さんらしい。
一晩でいいから、一目でいいから会って伝えたいことがある
私はそんな後悔を抱かないように生きていきたい