英国ファンタジーの名作
2006/02/02 02:05
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投稿者:Shinji - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジョージ・マクドナルドは、C.S.ルイスやJ.R.R.トールキンにも深い影響を与えた英国のファンタジー作家です
幼いアイリーン姫は、賢さと優しさと素直さと勇敢を合わせ持った、まことにファンタジーの主人公にふさわしい少女です。このお姫様は館の塔の上で不思議な「おばあさま」に出会います。物語は、お姫様とおばあさまを中心として、そこに人間たちに復讐しようとするゴブリンたち、そして勇敢な鉱夫の少年カーディーがからみあいながら、ゴブリンと人間たちの最後の戦いへと突き進みます。
牧師でもあったマクドナルドは、把々の幻想的なシーンを通して、人間の理解を超えたお把の存在について、信じることについて多くの事を教えてくれます。
ラファエル前派の画家アーサー・ヒーズによる挿し絵も一見の価値があります。
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
竹宮さんの表紙にひかれて読みました。中の絵は違いますが、迫力があってよかったです。
ファンタジー。
お姫さまが愛らしくて好きです。
現代ファンタジーの源流にふれる
2003/08/31 16:22
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投稿者:Leon - この投稿者のレビュー一覧を見る
山の奥深くにある館に、アイリーンという8歳になる可愛らしいお姫様が住んでいました。
この地方には豊富な鉱脈があって多くの鉱夫が働いており、少年カーディも父親と一緒に一人前の仕事をこなします。
しかし、鉱山で働くのは鉱夫だけではなく、夜になると鉱山の中に住むゴブリン小人たちが活動を始めるのです。
このゴブリン達、鉱夫を初めとする人間達が広い地上世界を謳歌していることを逆恨みし、大きな企みを進行させていました。
なんと、アイリーン姫を誘拐して無理矢理ゴブリン王の息子の嫁兼人質にしてしまおうと言うのです。
このことを知ったカーディは、ゴブリン達の企みを阻止しようと、一人彼らの巣窟に潜り込むのですが…
ルイス・キャロルと共にイギリス児童文学の黄金期を築いたマクドナルドの代表作。
今となっては100年以上も前に造られたこの物語に目新しい部分は見当たらないものの、マクドナルドの著作はC.S.ルイスやトールキンの愛読書でもあったと言うのだから、現代ファンタジーの源流と言えるだろう。
特筆すべきはアイリーン以外には不可知な館の屋根裏に独り住まう曾々お婆様の存在。
幾度となくアイリーンとカーディを助ける曾々お婆様には、不可知性以外にも不思議な点が幾つかある。
年齢と若々しい外見の矛盾、娘からその存在を知らされたときの父王の反応、更には周辺住民が噂する王家の血筋の不思議さなど。
それらは物語の中では明確にされないが、読み手が想像力を遊ばせるための余裕を意図的に持たせているように思える。
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表紙は竹宮恵子さんですが、中の挿し絵はアーサー・ヒューズが描いています。この挿し絵も大好き。お姫さまと、鉱夫の息子カーディーがゴブリンの侵攻を(機転をきかせたりして)防ぐお話。テンポがよいです。
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何気なく手にとり、筋書きの面白さに夢中になりました。第一作目のお姫さま〜の本は面白いと断言出きるのですが、続き物である「ガーディーとお姫さまの物語」は微妙だった記憶あり。後書きに作者の気持ちの変化などが綴られていたことが強く印象に残っているので、その為かもしれません。
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何を隠そう、表紙絵が竹宮恵子さんが描いたものだったのが気になって手に取った本。
この文庫版の装丁になる前から表紙絵は彼女の絵だった。
話は純度の高いハイファンタジー。
ただし、指輪物語のような緻密に構成されたものではなく、低年齢層にも楽しめる。
小学生くらいの時にファンタジーの入り口として読むのに向いている気がする。
主人公はカーディという少年とお姫さまなのだが、お姫様が幼いのにも関わらず気品があり、きちんと自分の立場を理解していて行動する所に共感を覚えた記憶がある。
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勇者のお母さんが、彼が解けなかったほつれた紐かなんかを解くシーンが印象に残りすぎるくらい残っている。
この絵、竹宮恵子らしいですね。
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あの「金の鍵」に感銘を受けつつも、どうしてもこの本に手が伸びなかった理由。 それは、この「カーディとお姫さまの物語」の表紙の絵にありました。 どこかで見たことがある画風。 決して嫌いではないものの、明らかに「漫画」のソレに何となく抵抗を覚えちゃったんですよね~。 今回 KiKi が読んだ「お姫さまとゴブリンの物語」は少年文庫特装版の方なんだけど、今、巷で売られているものは「カーディ~」と同じコレ(↑)だし・・・・・。
でも、この挿絵。 あの竹宮恵子さんの挿絵だったんですねぇ・・・・。 KiKi が中学生ぐらいの頃一世を風靡し、KiKi も夢中になったあの漫画家さんにこんなところで再会できるとは思ってもいませんでした。 で、人間っていうのはゲンキンなもので、誰の作品なのかわからなかった頃には「敬遠」のネタだったこの絵が、あの懐かしい時代の思い出深い漫画家さんのものだとわかった瞬間に親しみを覚えてしまうのですから・・・・・・ ^^;
(中略)
「お姫さまとゴブリンの物語」の軸をなしているのは、「正しい心のありようとはどんなもの?」という問いかけのような気がします。 大きな大きなおばあさまの存在がそれを象徴しているように KiKi には感じられました。 若く美しい外見を持ちながらも老成しきった雰囲気を纏い、「信じて貰えなければ存在を確認することも難しくなってしまう不確かさ」を秘めた存在。 相手を信じることや理解し思いやることは、言うは易し行うは難しの筆頭みたいな人としてのありよう、心の持ちようだと思うんですよね。 疑われることは悲しいし、辛いし、苦しい・・・・・。 でも、人は自分が信じようとしていないときにはそこに想いを馳せることはありません。
(全文はブログにて)
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おばあさんとのところが一番好きでした! ファンタジックですごくきれい。お姫様のかわいらしくてかしこくて、勇気のあるところがすごくよかったです。カーディもいい子でした。ちょいちょいペース落ちてしまうようなところもありましたが、すごく好きなお話です。やっぱりおばあさん!あそこはもうやばい(笑)!
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やばい^^^^
これは宮崎さんおすすめじゃなかったかな?
おすすめしてもらったので借りてみたんですが、
表紙が!笑
ものすごい少女漫画チックで、読み終わってから笑ってしまった(あとでまた書きます)んですが
表紙が異色でした。こんな表紙の他にないよ~
地上の人間と敵対してるゴブリンとすったもんだいろいろある
お姫様と鉱夫の男の子の信じられないことも信じようよ!理解と寛容が大事だよね
な冒険ストーリーでした。
女の子(アイリーン)がお姫様で8歳なんだけど、
お姫様らしいいやなところ(高飛車とか高慢とか)がなくて、素直でかわいらしくて
とてもよい子でした。
男の子(カーディ)も勇敢でやさしくてお母さん思いで
明るくて礼儀正しくてとーーーってもよい子でした。
かわいいかわいい!!
おばあさんのことや、ふしぎなことがいろいろあって
伏線あんまり回収してなさそうで、
何やらまだまだ続きがあるそうなので、ぜひ読みたい~><
よい子たちが冒険をして、正しい行いを正当に評価されるのは、読んでて気持ちがいいなあ
世の中そうじゃないっていったって、本の中でまで辛い目にあったり不幸なことがたくさん起こるのは、
たまに読むのはいいけど気が滅入っちゃう
悪いひとも、そりゃいないとお話にならないけど
たまに泣きたくなるほどひどい人とか出てくると途方にくれます
その点この本は、理解する気持ちとかちょっと足りないところがあるけど悪いひとは出てこないし、
ゴブリンたちも死んじゃうのが気の毒なくらい、
そんなに悪くも思えないし・・
カーディの家族や、やさしいおばあさんや、理解のあるお父さんや、よいひとがたくさん出てくるなあ・・!
で、表紙(挿絵は残念ながらちがうひとでした)なんですが
なんとなんと!
竹宮恵子さんでした!!^O^
気付かなかったけど言われてみればそうだ~!
竹宮さんも好きなのかな?この話!
8歳と13歳じゃ、恋だの愛だのよくわかりませんが、
もっとこのふたりを見てたいなーー
「カーディとお姫さまの物語」
「かるいお姫さま」
「金の鍵」
ってのが続編らしい!よむぞよむぞー!!
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その友人にはルイス・キャロルがいて、トールキンやC.S.ルイスが愛読し、多大な影響を受けたという、いわばイギリスファンタジーの源流ともいわれるジョージ・マクドナルド。
その古典的作品とは知っていましたが、岩波少年文庫の表紙絵が、なぜか現代的コミック風だったのにはちょっと戸惑いがあったのも否めず(笑)どこかで見たような気もしてたら、竹宮恵子さんの絵だったんですね(挿絵は違います、ちゃんと古風な雰囲気)…読み終えてみれば、怖れを知らない勇敢で可愛いお姫さまと品のいいカーディの要素は伝わるので、まあいいか。
たしかに面白い。独特の語り口と、美しい情景描写、不思議で惹きつけられるおばあさまという、善を導く幻想的存在…おとぎ話のような切り口から、邪悪なゴブリンたちと戦う冒険物語へと、見事に話に引き込まれます。
また、人によって見ているものや見えるものが違うという、一見、不可思議な要素や世界も、実はないとはいえないということ(哲学)が、おばあさまやカーディのお母さんなどを通して、穏やかに語られているのも印象的でした。
続編があり、読みたい気もするけど、そちらはやや暗いとか?(先入観はいけませんねー)
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信じることが、テーマかな。
おばあさんが、キーパーソン。
ナルニアや、アリスより古典だけど
現代の子どもたちも好きそう。
ジブリが、好きそうなテーマだし!
男の子も活躍するのに
タイトルのお姫さまというのが惜しい。
メルヘンじゃなくて、
意志を持った女の子の冒険だもんね!
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子どもの頃、大好きだったシリーズ。
お姫様は小さいのに気品があり、なおかつ行動力と決断力がある。
国の大事に独自の判断で冒険に出ていきます。
彼女を助ける少年カーディも勇気ある優しい少年です。
ゴブリンたちのユーモラスかつ恐ろしさを秘めた描写も見事。
女の子なら夢中になることうけあいのファンタジーです。
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イギリスファンタジーの古典で、1872年に本になったとあとがきにあります。けれども、充分に楽しむ事ができるでしょうし、他のお話などにも影響を与えているのではないかと思います。表紙は竹宮恵子で、たぶん「地球(テラ)へ」を書いた漫画家だと思いますが、中にも沢山のアーサー・ヒューズの挿絵があり、こちらの方が物語のキャラクターを表現しているものと思います。朗読など読んでもらうなら中学年くらいからでも、聞けるのではないでしょうか。続編「カーディとお姫さまの物語」がある。
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『かるいお姫さま』に続いてジョージ・マクドナルド作品。1872年の出版なので約150年前の作品です。
ファンタジーの古典らしからぬ表紙は竹宮恵子によるもの。妹は「『お姫さまとゴブリンの物語』なのに表紙にゴブリンいない」と言ってましたが、表紙の2人はアイリーン姫と鉱夫の少年カーディ。この2人が8歳と12歳なのに、賢くて勇気があってとやや出来過ぎの少年少女。対するゴブリンは「ぞっとするほどいやらしい」とか「こっけい」「みっともない」と表現されてます。地上から追い出され洞窟に住んでいるゴブリンたちは、地上の人間を憎んでおり、ゴブリンと人間たちの戦いがストーリーの中心です。
桃太郎の鬼は異人のメタファーではないかという説がありますが、このゴブリンにもそれと似たような人種差別的なものを感じてしまって私はあまり素直に読めませんでした。
(何らかの悪を象徴するものが必要だったんだろうとは思いますし、150年前という時代も考慮すべきではありますが。)
お姫さまの大きいおばあさまがお姫さまよりずっと年をとっているはずなのに若く美しい外見であるとか、ほかの人には見えないらしいとか、彼女の台詞がいろいろ哲学的だったりとかして、決して簡単に読める物語ではなかったりもします。
お姫さまの母親である女王さまは亡くなっているらしいけれど、おばあさまの正体についても詳しくは語られず。
お姫さまはお姫さまらしい行動をするからこそ本当のお姫さまなのだとか、正しい行いをするカーディは鉱夫であると同時に王子さまでもあるとか、ここらへんもなかなか。
作者のジョージ・マクドナルドは、ルイス・キャロルの友人であり、『ナルニア国ものがたり』のC.S.ルイスや『指輪物語』のトールキンにも影響を与えたと解説に書かれています。ゴブリンはもともとヨーロッパの伝承のようですが、この物語がなかったら『指輪物語』にドアーフは登場していなかったのかもしれません。
以下、引用。
さて、ここでいよいよ、お姫さまがほんとのお姫さまだということが、みなさんにもはっきりとおわかりになるはずです。なぜなら、お姫さまは、よばれても動こうとせずにドアのとってにしがみついて、目をまるくしてただ見ているだけではなかったからです。私の知っている女の子たちのうちには、そんなことをする子が何人かいますが、その子たちだって、そうでなければ、つまらない小さな女の子でいるかわりに、ちゃんとお姫さまになれるはずなんですけどね。
実際、何もかもがそっくり昨日のままで、こんなことなら、今日なんかあってもなくてもたいしたちがいはなさそうです。
本当に、どこを見ても雨のおかげできれいになったものばかりで、そうでないのは、山を流れ下っているいくつもの小川くらいのものでした。
冬が近づくにつれて、お姫さまは、何もかもがどんどんさびしい感じになってくるのに、気がつかないわけにはいきませんでした。
ほかに何ひとつない部屋ではちらかる心配はありませんから、わざわざ片づけたりしなくてもいいのです。
���っとも、カーディにしてもお母さんにしても、おたがいがどんなに一生懸命自分のために働いてくれているかに、気がついていたわけではありません。そんなことがわかったりしたら、何もかもがだいなしになってしまいます。
動物というものは、たとえ魚であっても、はるか遠い未来に人間へと進化する芽のようなものを、どこかに隠し持っているもので、それがわからない人は、動物を理解したとはいえません。
恐怖は決まって、私たちが恐がっている相手のほうの味方をするのです。
年を取るってことは、そういうこととはなんの関係もないのよ。ちゃんと年を取れば、強くなって、きれいになって、陽気になって、勇敢になって、目がよくきくようになるし、手足も丈夫になって、傷んだりはしないものなの。
あの嬢ちゃんはいい子にちがいないと母さんは思っているけど、それはお姫さまだっていう以上のことだよ。
たしかに、一たす一はしばしば三になるもんだよ。
カーディは鉱夫であると同時に、王子さまでもあると言っても、そう見当はずれではないわけです。こうした例は、世界の歴史をふりかえってみれば、ほかにもたくさん見つかります。
カーディはぱっとはね起き、服を着はじめた、と自分では思ったのですが、気がついてみると、おどろいたことにまだふとんの中にいました。
「山の上のこんなおうちにずっと住んでられたら、とってもすてきにちがいないわ!」
「それは心の中にどんなおうちを持ってるかによりますよ」と、お母さんが言いました。