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紙の本
東アジアの文化・思想に多大な影響を受けながら、つかみどころがないような印象をもつ「儒教」の本質を解き明かす一冊です!
2020/03/19 10:48
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代から東アジアの文化と思想に大きな影響を与えてきた儒教という宗教について、その成り立ちとその真髄を分かり易く解説してくれる興味深い一冊です。儒教は、古代中国において孔子によって創設された宗教だということは、誰もが知っていますが、孔子という人物は、生涯において無位無官で、質素な生活を続けた人として特異な人というイメージがあり、また彼の説いた儒教は、時に政治体制擁護のイデオロギーとして利用されたかと思うと、その反対に、苛酷に弾圧されたこともあり、その運命は右往左往してきたと言えます。しかしながら、儒教は確実に東アジア世界の精神的紐帯として機能してきたことは事実であり、同書ではこの儒教がもつ宗教の本質を徹底的に解明していきます。
紙の本
儒教のイメージが変わる本
2020/07/01 16:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:二度寝の白昼夢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んでから、始皇帝が行った焚書坑儒の受け止め方が変わった。
これまでの儒教のイメージが逆転するほど興味深い本。
聖人君子のイメージとは掛け離れた、俗世の成功に執着する孔子の姿には滑稽さと共に哀愁すら感じる。どこの君主にも登用されず流浪の生涯を送った末に孔子は失意のうちに没する。
生涯をいわば「一介の浪人」として送った孔子と彼の「学団」が何故、現代も「儒教」という宗教として残っているのか。復讐と鎮魂というキーワードがそれを紐解く鍵となる。
アジア圏の精神文化に深く根を下ろす「儒教」のまさに根っこの部分、深く暗い部分に光を当てた刺激的な書物だ。
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