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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリス・火村シリーズの最新作は文庫本で700ページを超える長篇です。
『鍵の掛かった男』は、大阪の中之島にある小さなホテルが舞台。
一人の老人の死をめぐって(自殺か?他殺か?)、その老人の人生が少しずつ解き明かされます。
長いけれど、無駄に長くない、長さ分の読み応えがあります。
ホテルや大阪に関するウンチク話も楽しめます。
そして、後味が悪くないところがいいね。
中之島を歩いてみようかという気にさせられました。
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投稿者:かずは - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそも「自殺か?他殺か?」という始点なのが面白い。ひとりの人間の生涯を丹念に追えばこんなにも肉厚で濃厚な物語になるのかと、しみじみ感動。アリスが活躍。そして、たったひとつのきっかけで真相をつきとめる火村が恐ろしい。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
長いだけの価値は、充分あると思いました。まず、ある男性の死亡という事実はあるのだけれど、それが、他殺か自殺か、果たして、他殺ならば、犯人と動機は?という本格ミステリーの王道のストーリーです。ラストは……かな?
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
全てに無駄がなくて、本当に面白かったです。最期も納得の結末になっていて今までの面白さを、消してないです。
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とても読み応えのある作品。
大阪・中之島にあるホテルで男性が亡くなった。
事件性はないものと思われていたが、作家・有栖川の元に大先輩の作家から捜査の依頼が舞い込む。
火村準教授と共に捜査に乗り出すのかと思いきや・・・
ここからは個人的に驚いたこと。
作中、知っている方の名が登場したのには驚かされた。本筋とは関係ないのだが。
この本を読んでwikiを確認したところ、すでに数年前に他界されていた。
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火村先生が出てきてから真相までは続きが気になってページを捲る手が止まらなかった。人ひとりの人生の背景を辿ることの難しさ、そしてその行き先に待つもの。
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本格物ではあるが、少し変わった、まるで三谷幸喜の舞台劇のような設定。
ホテルで自殺したと思われる男性。その死の真相(殺人?)を探るのが名探偵火村のパートナー有栖川、というシリーズとは少し変わった展開。
殺人があって謎を探るのではなく、死者がいて、その真相を探る。しかもその男性の過去が全くわからず、ホテル関係者や常連の宿泊客の証言を元に薄皮を剥くようにすこしずつ真相に近づいていく…。
が、それで530ページは長い。
同じような会話が何度も何度も出てくるし、数ページずつ飛ばして読んでも話が繋がるのでは?
終盤になって登場した火村がたどりつく真相は、ヒネリがあるし余韻もあってよいがとにかく長かった。
正直、中編レベルの内容かな。
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火村先生の活躍は後半のお楽しみという感じで、今回はアリスがかなり頑張ってましたね!今まで読んだことないタイプの作りで面白かったです。他の作家アリスシリーズも読みたくなってきました。
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(長編)火村&有栖シリーズ23
目次
第一章 ある島民の死
1
2
3
4
5
第二章 その孤愁
1
2
3
4
5
6
第三章 その残影
1
2
3
4
5
6
7
第四章 その原罪
1
2
3
4
5
6
7
8
第五章 その秘密
1
2
3
4
5
6
7
8
9
第六章 その正体
1
2
3
4
5
6
7
8
第七章 真相
1
2
3
4
5
6
7
8
9
終章
1
2
3
4
5
6
7
あとがき
文庫版あとがき
解説 中条省平
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優しいお話だった。
これぞ長編というしっかりした長編は久しぶりだったが、読みやすい文章で、長さが気にならない。有栖川有栖の文はやっぱり好きだなぁと再認識。
プチホテル銀星ホテルで5年以上も暮らしていた老人が縊死で見つかる。そもそも彼の死は自殺か他殺か。疑問を感じた宿泊客の一人が、アリス&火村先生に調査を依頼してくるのが発端。
前半3分の2まで、火村先生は大学の入試シーズンで手一杯、アリスが一人で大活躍する。
私は断然火村先生ファンだと思っていたが、今回認識を改めた。アリスの優しさ溢れる真摯なところはとてもステキだ!ホテルの人たちも、アリスだからこそ心を開いてくれた(もしくは油断した)のだと思う。
そしていい加減後半になって、登場したと思ったら20分で他殺と看破する火村先生。やっぱりかっこいい‼
この二人がコンビを組んでるからこそ、大好きなシリーズなのだなぁ。
密室マニアな有栖川作品なのに、物理的な密室は出てこず、被害者の人となりが今回の密室。それをこじ開けるにしても、表現の仕方が優しいと感じた。あと、中之島という区域に対するオマージュにもなっていて、いろいろな蘊蓄も面白かった。
文庫版の表紙がムードがあってとてもステキだった。ハードカバーの時よりいいかも?
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おもしろかった!
分厚いからなかなか読み始められなかったんだけど、読んでみたらあっという間だった。
こんな分厚くなったのは火村がなかなか出てこないからなんだけど、アリスがじっくり探偵しつつ中之島のうんちく語ってくれるので楽しい。
私はあの辺行ったことあるから情景浮かぶけど知らないとどうかなって感じではあるけど。
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火村シリーズだけど異色。
百億円あったらなにをするかの問いに、犯人が答えた<日本中の家に地震対さくをする>という回答にグッとくるものがあった。
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ホテルの一室で亡くなった老人。
はたして殺人か、自殺か…。
大阪という地元で火村でなく有栖川が中心になって調査を進めていく前半部が旅行記を読んでいるようで面白い。
もちろん火村が登場してからの疾走感もすごい。
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このミス2016年版8位。ホテル生活の老人の自殺の謎を解いて行く本格ミステリー。自殺か他殺か犯人は誰って謎を探偵役の人とともに読者も解きを楽しんでいく形態。まあそれなりに面白いんだけどそんなことを吹き飛ばすぐらい長すぎる。自殺した老人の過去を解き明かすためにいろいろ地道に調査していくのだけど、その手探り感が地味すぎてしんどかった。
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『地震や津波で数人の犠牲者が出ても大きな災害なのに、四年前の三月や二十年前の一月に発生した震災の被害は桁外れに大きく、死者の名前よりも数が暴力的に突きつけられたことで、生命の儚さすら感じさせた。
私たちは、死者を弔い、悼み、忘れないことの大切さをあらためて思い知り、生者として永らえ続けている。死者は帰らないが、彼らのために生者にできることはある。
祈るだけではなく、死をもたらした対象を分析して、同じ災禍に遭った時にどれだけ被害を小さくするかを考えるもの務めだろう。なすべきことは多いのだ。』
有栖川有栖の作品としては珍しいジャンル。松本清張の『砂の器』みたいなテイストにしたかったんだろうな。
二つの震災に対する思いと、追いかける事件に対する強い思いが感じられる。
この辺は笠井潔の『哲学者の密室』のテイストで良い。さりげなく、読者への挑戦状もどきもあり、ちゃんとミステリに仕上げていて面白かった!