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ゴッホがここまで日本美術、特に浮世絵に影響を受けたとは思わなかった。
林忠正は実在の人物なんですね。ちょっと詳しく知りたくなってきた。「木の根」、画像検索で初めて鑑賞させていただきました。はい。
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ゴッホの弟テオの兄を思う気持ちと,美術商人林忠正の戦略とが軸になって,ゴッホが漂っているような印象.林忠正の番頭のような立ち位置の重吉の善良さが作品を語っている.本当のところはどうだったのだろうと想像してしまった.
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今作は、ゴッホに焦点を当てたものである。彼を支える弟のテオにもスポットを当てている。ゴッホの絵画から見えてくる彼の生涯やどのような思いで作品を描いているのかが見えてくる。絵画に捧げる生涯は弟の存在があってこそであり、「自分の思いを絵で表現すること、作品の背景と色彩の幾重にも深みを増していく表現、そこからはゴッホの孤独といつまで経っても自分の思いは月日が経っても色褪せることなく多くの人びとへ訴える思いがひしひしと伝わる。今回の絵画から伝えたい思い、文化の継承は林忠正の存在があり、彼らに敬服したい思い。
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圧倒的な孤独、そして、献身、愛情、不安、畏れ。
どちらもあと少し生きていてくれればと思わずにはいられなかった。
林忠正、加納重吉のことをもっと知りたいと思った。
これ以上、うまく言葉にできない。
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仕事関係で購入。
ジャポニスムとして日本美術に人気が出ているパリが舞台。その舞台で日本美術を広めようとする画商の林忠正、加納重吉。その二人に深くかかわる売れない画家フィンセント・ファン・ゴッホとその弟、画商のテオドルス・ファン・ゴッホが登場人物。視点は重吉とテオドルスで交互に入れ替わる。わりとさらっと読めた図書。物語を読み進めるうちに内面が読めないフィンセントと林忠正が気になってくる。フィンセントと日本の関わりについてもっと知りたくなる一冊。
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どこまでが史実でどこがフィクションなのかと思わせる完成度。読後に調べたら物語の中心人物の一人が架空の人物でした(^^;) 明らかに記憶にある名画の名前もあったのですが、「糸杉」とか知らなかったモチーフもあり、逐次検索しながら楽しく読めました。
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そもそもたった一枚のカンバスに乗せられた絵の具が形作る閉じ込められた色彩に、時にどうしてこうも人の心を動かす力があるのかと、不思議でたまらなくなる時がある。
そういう絵というのはきっと、その描かれた瞬間の画家そのものを強烈に感じとれるからなのかもしれないと、特にこの本を読んで思った。
そしてまた今回感じたのは、その絵の力を見出し、信じ、支えた者と、世の中に押し上げた者。
そのトライアングルがあって、初めて私達は今この目で彼らに触れる事が出来るんだと、最後止まらない涙で文章を追いながら、勝手に感慨深くなる。
優れた文章は心の網膜に映像を生み出す。
強い芸術はその背景にある想いを浮かび上がらせる。
たゆたえども沈まず
西洋美術と日本美術の新しい夜明けを見つめたフィンセント兄弟と日本人画商の、セーヌに浮かぶ小さな小舟は沈まない。
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誰も知らない、ゴッホの真実。 天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと、商才溢れる日本人画商・林忠正。 二人の出会いが、〈世界を変える一枚〉を生んだ。 1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出すーー。
「幻冬舎作品紹介」より
偉大な芸術家、の前に一人の人の兄、一人の苦悩する人という描き方に、この本を読んでよかったなと思う.
精神を患ってなお、描き続けざるをえないほどの魂の叫びは見るものを魅了するものだのだなと思う.翻って、我が身はどうだろうか.それほどまでに魂を傾ける何かを自分の中に見つけられているだろうかと自問する.
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原田マハさん、今まで読まず嫌い的なところあったけど、見事に裏切られた。すごくおもしろかった。スピード感もちょうどよくて、本でも映画でもたまにある、最後にいきなりスパートかけてきて展開がコロコロ変わるかんじもなくて、ずっと同じテンションで読めた。ラストに向けても、この本は読み急かず、じっくり噛み締めて読みたいと思わされた。久しぶりに味わったこの気持ち。わたしの好みにぴったりとハマってきた...他の本も読みます。
ゴッホとテオに、あなたたちの作品は後世で世界中のたくさんの人に観られて、そしてもちろん認められますよってこと、伝えたい。伝わってるかな。見てるといいな。
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2018年4冊目。
19世紀後半、西洋で浮世絵をはじめとした日本美術が注目された「ジャポニズム」の時代。
この勝機にパリで奮闘した二人の日本人画商と、浮世絵から大きな影響を受けた画家フィンセント・ファン・ゴッホとその弟テオ。
彼らが繰り広げる美術への情熱と苦悩の物語。
話の展開のリズムがとてもよく、つっかかるところがまったくなくどんどんページをめくってしまった。
同世代の画家ゴーギャンをモデルにしたサマセット・モームの『月と六ペンス』が大好きで、読んでいる中で何度も思い返した。
どちらの画家も、周囲の人間を犠牲にしながらも止められない情熱に突き動かされている。
ただ、ゴーギャンの方が悪気なしのお構いなしに描かれていて、ゴッホは常に罪悪の念に苛まれ、後ろめたさを引きずりながら描き続けてきた、という印象を受けた。
彼がどんな心境で絵画と向き合ってきたのか、もっと知りたい。
彼の書簡集である『ゴッホの手紙』も読もうと思う。
ちょうど今日(2018年1月8日)まで開かれていた『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』、あの展示のテーマ・流れとこの本はドンピシャなので、展示良かったと思う人にはおすすめ。
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まだ無名の若き画家ヴァン・ゴッホ、というか生きている間はほぼ売れなかったけど、と彼を支え続けた弟テオの物語。
というと「さよならソルシエ」がすっごく面白かったので、すっごくそのイメージでした。
あれはあれで大胆というか斬新な脚色もあったけど、一気にテオドルスに惚れてしまう、まさにソルシエ(魔法使い)でしたな。
だからすっごく「さよならソルシエ」が読みたくなった。
ゴッホに関しては、結構絵を見てて、MoMAの「星月夜」とかアムスのゴッホミュージアムもいったし、パリはもちろんアルルにも行ったことがある。まぁでもアルルでゴッホが絵に描いた橋とか見にいこうと思ったら遠い上に治安に不安があって行かなかったんだよね。まぁそれも思い出!
この話はパリで奮闘する日本人美術商の目を通して描かれていて、ジャポニズムだとか浮世絵だとか最近すごい北斎ブームだしちょうどこないだまでゴッホ展やってたし今北斎とジャポニズム展やってるしで、とても興味深く読みました。
彼らが日本人であることに誇りを持ってるってのがかっこいい。
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国立西洋美術館で北斎とジャポニスム展を
東京都美術館でゴッホ展〜巡りゆく日本の夢〜
を見てきてから読んだ
作品を見てからだからか一行一行読み進めるごとに
ゾクゾクした あの絵はこんな背景があって描かれたのかぁ!!とずっと興奮していた
タイトルと絡んだ言葉があちこちに散りばめであるのが
全体のまとまりのよさにつながっていると思う
特別な絆で結ばれた兄弟のかなしくて切ない物語
また 林忠正の元で成長する加納重吉の修行物語
祖国を離れ パリでひたむきに生きる芸術家・画商の物語
この作家の作品は初めて読んだがとても良かったので
他の作品も読んで見たいと思った
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丁度1年前の今頃…長年、観たいと思い続けてきた念願のゴッホの展覧会に行きました。正確には1年前の今頃は展覧会の為に、ゴッホやゴーギャンについて下調べ中でした。
あれから1年…日々の暮らしの問題に追われ、あるいは逃げながらゴッホをゆっくり反すうすることがなかなか出来ない日々。それをこの本がギュッとゴッホと私を繋げてくれました。
あくまでこれは小説です。登場する日本人2人は架空の存在。しかしゴッホのジャポニズムを描くのに、何て素晴らしい設定!原田さんは経歴を見ると美術関係の仕事をされていたとのことで、その知識や見解の厚みは相当なものなのでしょう。
テオを軸に話が進むのも、フィンセント自身を中心とするよりも、すっと入っていきやすかった。テオのいる華やかで虚飾に満ちた美術業界。ブルジョワ層の世界…。色々な設定やエピソードが本当に丹念に磨き込まれて本の中に収まってる。冒頭のフィンセントという名はオランダ人には良くある名前ですよ…とさらりと書く巧妙さ。この人は…誰?と思わせ、最後迄読むと対になった絵を見てるようでした。大事にしたい存在の本です。
追伸(訂正)
日本人2人は架空…と書いてしまいましたが、林忠正という美術商の方は実在したのですね。おそらくはゴッホ兄弟との交流がフィクション…てことなのかな。印象派とジャポニズム…今年の美術の私のテーマにしてみます(^ ^)。
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表紙の「星月夜」が読後、さらに美しく引き立って見える。作品に散りばめられたゴッホの作品を眺めながら読まずにはいられない。
ゴッホ兄弟と林忠正がパリでこんな風に関わっていたらどんなに素晴らしいだろう、と思いを馳せながら読み進めた。「林コレクション」が一体どのようなものだったか、見てみたかった。林忠正についてもっと知りたいと感じる。
巻末の豊富な参考文献も、原田マハ作品の楽しみの一つ。
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この作品は史実をもとにしたフィクションです。
架空の人物にモデルは存在しません。
フランスパリで、印象派と呼ばれる新しい芸術グループが生まれたその背景に日本の美術『ジャポニズム』の
大々的なうねりがあったのは、誰しもが認めるところです。
その背景には、日本人『林忠正』という画商がいたことをどれだけの人がご存知でしょうか?
http://www.ukiyo-e.jp/tadamasa/1
印象派の画家達との交流があったのは事実であろうが
この本のような会話があったかどうかはわからない。
が、美術館の学芸員も務めた原田マハだったからこそ、
この本ができたのであろう。
あのゴッホとテオの兄弟の絆の深さ脆さ。
商才も審美眼も持ち合わせ、
その上、シビアな戦略家でもあった林。
実の膨大な資料をもとに、丹念に構築された
内容は、グイグイと心を引き込まれ一晩で読了。
オススメの一冊。