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嵐が吹き荒れているときに、どうしたらいいのか。重吉は、小舟になればいいと言った。「強い風に身を任せて揺れていればいいのさ。そうすれば、決して沈まない。」たゆたえども沈まず。
フィンセントもテオも、もっともっとそんなふうに生きられたらよかったのに。
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皆さんが高評価の作品、やっと手元に来て読めたけどやっぱり原田さんの本領が発揮されていて気持ち良く読了。フィンセント ファン ゴッホとテオドルス ファン ゴッホの兄弟に日本の画商 林忠正 加納重吉を絡ませた展開に引き込まれ、絵を心で見る重吉と頭で見る林を上手く舞台回し役にしながらゴッホ兄弟の葛藤と愛情と苦悩が語られる。なるほど そうだったのか と納得しそうになるくらいの画家ゴッホの人と成りでした♪
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ゴッホは認められたいと思えば思うほど、世間から冷たくあしらわれた。表紙の星月夜の筆の運びは、傷つき萎えた心のほころびをつくろっているようだ。ゴッホの力や価値を信じ続けた弟のテオ、ゴッホを温かく受け入れ応援したタンギー爺さんの優しさが、心に染み入る物語。また、高岡市出身の林忠正がパリで華々しく活躍した姿も爽快で読み応えがあった。
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景色や絵画の描写がとても美しかった。
実際にその場に自分もいたり、目の前でその絵画をみている様な。
内容は読んでいてとてももどかしく思う反面登場人物達がとてもいきいきしていて、光と陰の両方を含んだ小説だなと感じました。
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たゆたえども沈まないパリで活躍する日本人とゴッホ兄弟の話。
世の中に永遠の幸せはなく、何もかもがうまく行くこともないけれど、たゆたえても沈むことなくまた前進していけたらと思う。
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2018本屋大賞候補作
天才画家、フィンセント・ファン・ゴッホの生涯を
弟テオの視点から描いた作品。
そして、フィンセントに大きく影響を与えた
浮世絵をはじめとする日本美術(ジャポニズム)
その橋渡し役となった、林忠正とその部下 重吉。
それまでの古い美術から印象派の台頭。
さらにその先を行こうとするフィンセント。
わずか37歳で、自らその生涯を閉じたフィンセント。
彼が認められるには、もう少し時間がかかりそうだ。
表紙は「星月夜」
「とうとう、フィンセントは描いたんだ。彼が、いちばん描きたかったものを」
一つ前に読んだ「銀河鉄道の父」
その宮沢賢治とゴッホは、ともに若くして(37歳)なくなった。
ゴッホを支えたテオ。
賢治をを支えた父。
くしくも共通点の多い作品であった。
また、読み終えた後に色々と思い起こしていると
この作品の良さが改めて感じられてきた。
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まだ圧倒されている。
言葉を失ってしまって。
未来を知ることができたなら、彼らは幸せになれただろうか。
生まれ変わって、この世界を生きているのなら、不可能でも、あなたたちの信じてきたことは間違ってなかったよと、どうにかして伝わってほしい。
運命なんてものがあるのなら、どうか彼らに伝えてほしい。
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ずっと読みたいと思ってたけど、
ずっと読まずにいた本でした。
あっ、読まなきゃと思ったのは
芦田愛菜ちゃんがTVで言ってたから。
私は美術系が苦手なのですが、
読んでみたらゴッホの作品を見たくなりました。
もちろん、史実を元にしたフィクションなんですが、
フィクションぽさがなくてまるで史実みたいで、
途中、混乱(笑)。それぐらい自然すぎる小説でした。
多分、ゴッホについて多少なりとも知っていれば
もっと面白くハマって読めるのかなと思いました。
あまりにもゴッホについて知らなさ過ぎて…
ハマって読むまではなかったのですが、
ゴッホという人物に、
林忠正という人物に
興味を持たせてくれた貴重な小説になりました。
著者の美術に関連する小説をもっと読んでみようと思います!
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久しぶりに読みながら涙が止まらなかった本です。友人との待ち合わせ前にスタバで読み終わり…ぐしゃぐしゃな顔になりました、、。
やっぱり、人を支えるのは人であり、人を救えるのは人なんだなと思いました。
人間って本当に1人では生きていくことができないと思います。
愛する人(家族・友人・恋人)と慈しみ合うことの素晴らしさを改めて感じさせられました。
ゴッホが"画家ゴッホ"になるところや、
パリからアルルへのところなど、運命が動き出すところは読んでいてとてもワクワクしました。
最後はどうなるかわかっていたので、だんだん読むのが苦しくなっていきましたが、
それでもそれは突然のことで、衝撃的で、とてもとても悲しい出来事でした。
ガラスの様に繊細なフィンセントとテオ兄弟の、お互いを想い合う姿には胸を締め付けられるほど、痛いくらい心を打たれました。
2人は本当に半身だったんだなと思います。
テオが重吉と2人になって泣き崩れたとき、
フィンセントからテオへの最後の手紙の文章。(美しすぎる言葉です。)
あの辺りから涙で字が読めなくなりました。
テオと重吉との友情や、林さんと重吉2人の当時のパリで闘う日本人の描写もとてもとても良かったです。
また、林忠正という人物の偉大さも知ることができました。
同じ日本人として、誇りに思います。
彼についてはいつも重吉目線(たまにテオ)で語られており、そこがまた彼の底知れぬ魅力や内に秘めた力強さをさらに感じさせました。
(最初、海賊と呼ばれた男の国岡鐡造さんをジェントルマンにした勝手なイメージを持ちました。)
そんな彼が、セーヌ川で重吉に語った今まで見せなかった苦労や悔しさや葛藤は、彼だからこそ生き抜いてこれたものだと思います。
"セーヌ川に流せばいい。"
そうやって何度も壁にぶつかっては最初からまた挑戦し続けたのだと思います。
タイトルにもなっている、
『たゆたえども沈ます』
知らない言葉だったので、最初からずーんと響きましたが、最後にまたこの言葉が出たときはじんわりとした気持ちになりました。
他にも美しい言葉がたくさんあります。
出会えて良かったと思える本です。
深い愛情・愛しさ、活力を貰え、登場人物たちを思うと自分のこれからの人生の行動指針にもなります。
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画商林忠正とゴッホに繋がりがあったかどうか実際のところは定かではないが、ゴッホが日本画に影響を受けるに至った経緯、当時の人間関係、ゴッホ本人だけでなくゴッホを支えた弟テオ、更にテオを取り巻く人々……。
時代背景と共にそこまで想像を膨らませればそれだけ絵画の見方にも深みが増す。
素敵な作品でした。
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ゴッホと浮世絵、日本人との結びつきや、兄弟愛のようなものが印象的に描かれていていました。
ただ、兄弟のそれぞれの思いのところは過剰かなと思いました。
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ゴッホと弟。そして、そこに関わる日本人。 相変わらず映画を見ているような描写で描くマハさんに感激した。 ゴッホは、絵を描くために命を燃やし続けたと言っても言い過ぎではないなと思った。 ゴッホの絵の見方が変わる作品。
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著者のアート小説は、登場人物たちの作品が表紙を飾り、どれも素敵な装丁で、つい手に取り上げてしまう。そして購入(笑)
この作品も、表に<星月夜>、裏表紙に北斎の<大はしあたけの夕立>が。それぞれ、小説の中で重要な位置を占めてもいる。
ゴッホ兄弟は勿論、林忠正も実在の人物であるが、彼らが出会った史実は確かではない。
しかし著者は、彼らに架空の人物加納重吉という人物を絡ませ、史実とフィクションの見事な融合を果たした「アート小説の最高峰」に仕立ててしまった。
世紀末のパリを舞台に、ゴッホ兄弟と日本人二人との交流が綴られ、名作<星月夜>の誕生となる。
孤高の画家ゴッホと、彼を信じ献身的に支える弟のテオ。そんな弟のために、ゴッホがしてやれることは自分がこの世からいなくなることと、思い込んでしまうゴッホ。何という哀しい結論だろうか。
最終頁を読み終えたあと、巻頭の「1962年」の部分を読み返すと、また一段とこの作品の魅力が増した。
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読んだ後、カバーに使われたゴッホの絵をじっくり見てしみじみした後さらに、
カバーを外すと、現れた山高帽とシルクハットのコンビにすごく感激しました。
ブックデザインめっちゃいいです。
ゴッホが憧れたのは本当の日本ではなく、浮世絵を見て夢想した桃源郷だったんですね。彼が亡くなってしまったところ、悲しくてなりません。テオの息子を可愛がって、一緒に生きて欲しかった。
テオと奥様も素敵でした。
ヨーロッパでのジャポニスムの熱狂的な流行も読んでて面白かったし、とても引き込まれたストーリーでした。
ゴッホ大好きになりました。
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言葉はいらない そう感じた1冊。
人間はどこまでも人間なんだと痛感させられた。どうしてここまで悲しまなくちゃならないんだ とも思った。家族でさえ手を取り合えないならどうして隣の人と手をつなげるだろう とも思った。
けっきょく人生はリレーなのかな。