紙の本
地味だけど大事で
2020/03/22 04:29
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投稿者:梅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ四作品の中で一番「魔法を題材にしている感」は薄かった気がします。一巻はレオンとゼクスの導脈連結、二巻はリーンベルの妖精、四巻は禁術の描写が見事なのですが。
……というのは、主人公であるデュナンの使う魔術は普通の操魔とは違う感覚で、ちょっと表現が地味なんですよね。デュナンは扱える魔術の規模が小さくて、ゼクスのように派手に暴れる力もない。(その小さな魔術で危機をどう切り抜けるかは、なかなかに面白いです。)
しかしこれが四巻でメインとなる禁術に関連深く非常に大事なものなので、最終巻手前の三巻で題材になったのも納得です。
友達実は生きてましたオチかと思ったらそんなことはなかった。世界観にはお約束が多い代わりにストーリーはたまにお約束なんか知ったことかって感じになるの割と好きです(笑)
紙の本
尊い個性
2019/12/14 19:21
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
命を狙われる4人の幼い魔導士を、隣国に逃すために守りながら旅をする2人の騎士の物語。今作で気づかされたことは、人は一人ひとりが、それぞれ異なっているのだということ。ファンタジーですが、現実の世界にも通じるものがあります。魔道士や騎士の葛藤がよく表されていて、登場人物みんな好きになりました。レオンやゼクス、アニエス、アスターやダーニャといった第1巻からここまで登場した人物の登場と各国の背景も確立されてきて、いよいよ次巻の最終巻が楽しみです^_^
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デュナンたちの変化が嬉しい。ただ追っ手から逃れるだけの日々が目的を持ち始め、希望さえ感じられるようになる。手助けしてくれる人たちの一言一言が力になる。
自分と違うものを受け入れられるようになるのだろうか、いつの日か……
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落ちこぼれの魔導士デュナン、廃嫡された貴族ノエ、戦争のトラウマを持つガンド、物語が進むに連れてそれぞれが成長していく姿に目を離せなかった。
理想論だけど、ノエとガンドが魔導士であるデュナンを信じ、助けようとしたように固定概念にとらわれず1人1人を見つめられたら戦争は起きないと思う。
まだ物語は続くみたいなので最後に彼らが決断したことがどのように影響を与えるのか見てみたい。
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3巻も良かったです。タイトルが内容にピタリと合ってる優れもの。これは魔導だけではなく人の生き方全てに繋がるんじゃないでしょうか。今回の主人公の女の子をはじめ、それを助ける事になる貴族の庶子やトラウマを持つ元騎士の気持ちが、物語の初めの頃から次第に変化して行く過程を良く書ききっていると思います。
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魔導シリーズ第三弾。
だんだんと登場人物が増えて来て整理しないと混乱しそう。基本的には少年少女の成長ストーリーは変わらず主役が変わり前作、前々作の主役が補助していくのは第2作と変わらない。
今回はそれに加え、廃嫡された青年と元騎士の中年のコンプレックス解消のストーリーも入り、物語の目線が頻繁に変わる。色々な目線があり面白いが忙しい。
時代背景はどんどん進んでいくため、魔導士の国がこれからどうなるのかはまだまだ解らず、オチは読めない。
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シリーズ通して登場人物たちの成長を描く物語だけど、2作め以降は社会の中の差別の有り様を描いた物語だなと思う。
1作めは差別を受ける当事者、2作めは被差別社の身内でありながら直視を避けていた人物、3作めにして差別意識をしっかり抱え差別する側として生きてきた人物の視点と成長が描かれる。それから1作めで権利を得ようと力を用いて戦った世界のその後の様子も。
社会を取り巻く差別の構造は、現実社会と重なる部分が多い。
1作めの師弟が変わらず仲睦まじいのはもちろんのこと、元エヴァン小隊の面々の絆が描かれるのも嬉しい。というかゼクスがこのタイミングまでなんの報せも出していないことに驚いた。
内乱で目覚ましい成長を見せたダーニャはもはやアスターのパートナーを通り越してお母さんで、頼もしさったらない。アスターに対する「今頃気づいたの?」のシーンと、デュナンに語った「なんだかんだ言いながら生きていくしかない」の台詞は作中特に印象深く好きなところ。
アスターとゼクス、かつての親友同士はお互い悩みや相手の力になれない不甲斐なさを感じていたりしつつ、今はそれぞれ別の道を歩んでいて、身近に支えてくれる存在もあって、直接的に道は交わらないながらも互いに己には出来ないことを託し合ってまたそれぞれの道を歩んでいく。そうして別々の位置から世界の潮流を生み出していく。という展開。この先この世界がどう変わっていくのか見守りたい。
ところで話の主題だった幼い魔導師見習いたちを守り安全なところまで送り届ける流れに関しては、ひととしてそうせざるを得ない、そうするべきだろうとは理解しつつ正直目の前の子供たちだけ救ったところでなにも変わらないよなあと思いながら読んでいた。なのでノエとガンドの決意には驚いた。この世界にはそういった役割の人間が必要だよなとは感じつつ、この二人が自らその道を選ぶとは。
また、2巻でもちらりとその前兆があったけれど、今作ではリーンベルやサイが魔導の力を持ちつつ魔導師の訓練は受けず別の生き方を選んだこととか、デュナンの力の使い方とか、これまで魔導はあくまで戦う技術であったという世界の固定観念を崩してきているのが面白い。ゆっくりとだけど着実にこの世界は変わりつつある。ひとの成長だけでなく社会の成長も描く物語になっている。最終巻でどんな道に進んでいくのかこの先も見守りたい。
ところでアニエスは相変わらず格好良いし女王カンネは一層チャーミングだし前作でじわじわきたシュゼとイングヴェイの信頼関係はスパイスのように効いてくるしで今作のメインではない登場人物たちも大変魅力的に描かれているのもとても良かった。好き。
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図書館で。
ぱらぱら~っと。差別とか戦争とか、そういう背景の割になんだか登場人物たちの言動が軽いというか。別にそんな重苦しい話がファンタジーで読みたいわけではないので良いと言えばよいのでしょうが。