まじめな本だけど
2024/01/19 09:32
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもまじめに議論されていて、いろんなヒントになることもたくさん書かれている。言い方や語り方には、悪口っぽいことや過激なところがあって、これは、トークイベントの書き起こしだからなんだろうか。表紙や各章の扉のイラストの絵がよかった。
損得ではなく正しさ、見返りを求めない圧倒的な贈与こそが幸せな人間関係の基本である。
2021/12/13 05:35
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投稿者:かまち - この投稿者のレビュー一覧を見る
確かに自分自身も人間関係を損得を起点に考えていたこと、無意識だった卑怯さを自覚させられました。自分の言動に責任を持ちたくないあまり浅い傷つかない関係に止まっている、一方でそのこと自体に味気なさと物足りなさを感じていた。でも確かに、少数の心から信頼を寄せる人たちとの間には、どこかで身銭を切った瞬間があったようにも思われる。もしも損得を起点にするのをやめれば、程度の差こそあれ、全体的に良好な関係を築けるのではないかと思わされました。(圧倒的な贈与とは、「こころ」で、先生が遺書にて書いた「血潮をぶつける」想いのイメージが思い浮かびます。
次のテーマとして、運命に抗わず受け入れる中動態が説明されます。これに関しては人間が変わっていくことのあはれさも、受け入れていく姿勢ととりました。
一方で、定住社会が旨とするという、諦めに抗い続ける人間性を尊重してきた身としては、どこで折り合いがつくのか、あるいはつかないのか、読み込めずに終わりました。
読んだ後、肩の力が抜けて、より真摯たろうとする心を取り戻せたような気がします。1年の留学のはじまるころに読んだのですが、今のところ、これが片隅にあるのとないのでは築けた人間が大きく違ったように思います。男女関係に限らず、新生活に不安のある人にもおすすめしたいです。
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宮台真司の本を買う人は、ぼくも含めて、お金を払って説教を聴きたいタイプの人だろう。マゾヒスティックな修行僧というか。宮台さんの言うことは確かかもしれない、だから我々はもっと己を高めていかなければいけないのかもしれない、と言う風に。世の中の「感情の劣化」がいかに嘆かわしく、それをどうにかするためには我々が自分をどのように改造していけばいいのか、かなりの理屈密度で論が展開されている。
ためになるところは沢山あったけど、モテるためには「自分探し」じゃなくて「自分なくし」「世界探し」をするべし、という所が基本的だけど特にためになった。自分の心に余裕がなくなるほど「自分探し」に走ってしまいがちである。
宮台さんは、ある年齢まで自分が母親に復讐している事を自覚できなかったらしい。ぼくも、ある時に心療内科で母親に関するトラウマを認知して以来、母親の影は相対化していたつもりだったけど、その後、自分が一方的に母親視していた女性にひどい振られ方をして、どうやらまた新規に「母親」への復讐心が立ち上げられていたようだ。こういうことは何かきっかけが無いと自覚しにくい。ぼくの場合、その「母親」が弱点にしていた部分を他の女性にも見出そうとして、なにか空しい足掻きをしていたようなところがある。そのあたりにぼくのキモチワルさもきっとあっただろう。
宮台さんも二村さんも、本書のなかで「自分も昔こうだった」というような精神的恥部を結構積極的に披瀝している。固く強張った心を解きほぐすには、自分の精神的恥部を客観視して相対化する、というプロセスが問題解決の頻出パターンのようだ。無意識を意識に吸い上げる。基本的にはフロイトのいってることだ。
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宮台さんの映画の本が非常に面白かったため、しかも今度は興味が強い「性愛」についての話ということで購入。AV監督二村ヒトシとの対談形式で本書は進むが、主には宮台さんの語りが占める。自分の中でうまく言語化できていない世の中に対してや人間に対しての思いみたいなものを言語化してくれているように感じる。ハレとケというのか、誰もが持つバンパイヤ的なものとか、いい変態と悪い変態、神経症、精神病、倒錯者。もう一度読み返すにはカロリーが高いが、いつかまた読むように思う。アメーバになる。時間が立つのを忘れる。
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宮台真司の最近の凋落は目に余るものがあって、この本は彼の耄碌を象徴するものだ。安倍憎しで(彼の中では、安倍支持と性愛の頽落は繋がっているらしい)、世の諸悪を現政権の「病理」に繋げていて、もうカオスである。牽強付会の集大成のような本。だいたいの言論人は安倍憎しになると、論理が破綻し出す。
彼の頑迷さは「クソ社会」だの「クズ」だの、自分が否定するものについては、かような思考停止の罵倒語を用いて攻撃するところにも現れている(以前から言っていたが、当時は異化効果があった)。また、Aという事象とBという事象が同時期に起こった、ゆえにこの両者は連関している的なロジックが多用されすぎ。全てが全てという訳ではないが、納得性・説得性の低いロジックばかりの「クソ」のような本だった。言論人として「世直し」をしたいのなら、彼が忌み嫌う側の人間に届く言説を紡ぐべきだろう。こんなものに付き合わされている二村ヒトシが可愛そうになった。
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一冊の本に、こんなに傍線を引いたのは何年ぶりだろう、ほとんど緑線なのも。
主張は要するに「野良男と賢し女構造の」野良男、つまりバイオレーターになるしか、人生を、仲間を、社会豊かにする方法はないぞ。という、何千年も続く神話の繰り返しだったが、耳通りの良い言葉で、なんというかリフレッシュされる。
ぼくは、丙午のへそ世代だけど、工学部大学時代マン研の先輩の何割かは性経験があり、僕らは片思いの経験があり、後輩はそれすらゼロだったのを思い出す。そこに断層があった。恋愛至上主義世代の最後の尻尾だ。
よく考えると、恋愛至上主義の解体はバブルの終焉よりも速かったように思う。
今より昔の方が、昔の女のほうが開放されていた。こんな事実も忘れてしまっていたことにショックを受ける。多分2006年のハルヒのころには気づいてたんだが。
少し前なら「全ての若者が読むべき」と言ってたと思うが。もう望みがない。
この本は「恋愛工学」偏差値が80を超える人のもので、残りの99%の人には困難すぎるとしか思えない。むしろ炎上的な感情反射の棒で叩かれるだけだろうと思う。社会の閉塞にしか寄与しないだろう。すでに持ってる人にだけ届くだけだ。格差拡大。
sexというものが「病院でスポイトで種付けされるのが標準で、チンポをマンコに入れるのは異常!」
という社会まで、あと10年もかからないという印象しかモテなかった。生命の始まりも終わりも病院でないのは銀行が許さない社会。
「LGBTのみがリーガルな社会になりつつある」とは、よく言ってくれたの感
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最低。
つまらない、読みにくい。
読む気が失せる内容。
宮台さん、口悪すぎ。
いい歳した、地位を持った大人なんだから、
言葉をもう少し選んでほしい。
彼の口の悪さにはイラッとさせられる。
それしか頭に入ってこない。
買って損した最低の本。
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損得勘定の意識が強くなっていた自分に改めて社会生活をする上でもっと重要な事を気づかせてくれた本。
性愛時にフェチ系という自分の趣向のみを追求する人とダイブ系という相手と一緒にトランス状態(変性意識)になる人がいるが、前者は相手は代替可能なので長続きはせず、後者は相手は代替不可能でいつ迄も幸せな性愛生活を送る事ができる。
日本の若者の性的退化が言われて久しいが、その原因としては体育会的なホモソーシャリティ文化が失われた事が原因と著者は分析する。周りから強制・サポートする人が居なくなったから、若者の性に対する意識は退化してしまったのだ。
社会が良くなれば性愛的に幸せになれるかと言うと全くそのような事はなく、なぜなら人間の感情は不条理であるからだ。性愛は自覚的に損得から隔離する必要があり、社会の法外の営みとする事で日常社会での幸せな生活を維持する事ができると著者は考え、バンパイヤ的な生き方を進めている。
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衝撃を受けた。こんな風にセックスや性愛のこと考えたことなかった。難しい言葉が並んでいるが、宮台真司が同じことを何度も繰り返し発言しているので、主張したいことは分かった。ここに書かれているような性愛を自分は感じたことがまだないので、憧れたかも。損得よりも正しさ。本当にそうかも。
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<メモ>
女性の中にも結婚して幸せになれるであろう相手と、恋をしてしまう相手(発情できる相手)は違う、という人がいる。多くの男性は侮辱・支配できないような、尊敬できるような女性に対して、女性は自分を尊敬してくれる男性には発情しない(逆もたまにあり)。まったく立場が同等・公平になって友愛的な男女関係になってしまうと、そこには興奮が入り込まなくなる。しかし、それも社会によって信じ込まされている物語では?79
現代の若者の大半は、自分の心の穴を埋めるために相手の存在を使ってそれを恋愛と呼んでいるに過ぎない。相手の感情を自分の心に映して同じ感情に感染する能力が落ちた。109
東洋的な武道や格闘技、ヨガなど体を動かす習慣があり自分のカラダの癖を知っている人の方がいいセックスができる可能性が高い。女性は体が柔らかい方がオーガズムに達しやすい。ストレッチや骨盤矯正などで体のゆがみを開放する。腹筋や腹式呼吸 152
損得よりも正しさと愛を重視する相手を選ぶ
ラカンが提示した「倒錯者」として社会に適応した「ふり」をして生きる道274
結婚しないで妊娠するとヤバいぞ、セックスするな、しかし適齢期になったらさっさと結婚して子を産め、それ以降は貞淑であれというメッセージが、社会や親から女性に対して押し付けられていますよね294
射精の快感よりシンクロの快感の方がずっと大きい。散歩や料理やスーパーでの買い物でもシンクロ率が高まる300
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さすがは社会学者の著書でした。表紙の愛らしいイラストからは想像できないくらいにちょっとヘビー。笑
難しい言葉が沢山並んでいて、とてもすべてを理解するには及びませんでしたが、非常におもしろく読ませていただきました。
小生、普段はこういった本を手に取ることが少ないため、性産業に従事されている方々が、こんなにも真剣に人間の性に向き合い思索していることに率直に感動を覚えました。
自分の無知と無教養を晒す覚悟で申しますと、「セックスは、欲を抑えきれない動物がそれぞれの性欲を処理すべくとる刹那的な手段」だと思っていました。とんでもなかった。もっと奥が深かった。(謝罪)
最後の方の章で書かれていた言葉が特に印象的でした。
「セックスの醍醐味とは、眩暈である。つまり、忘我。
ハイデガーの言葉で言えばエク・スタシス(脱自)。(以下略)(人は)リアルというクソから逃避すべく性交する。」
なるほど。わたしはセックスをしたことがなかったのか…。
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二村さんの「あなたがモテないのは、自分について多面的に考えていないから」に納得。宮台さんの、好みからかけ離れた相手を好きになることが恋に落ちるってことというのも心に残った。
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テーマからもう少し軽い感じかなと思いきや、想像以上に社会学の講義になっている。
男は経済的な豊かさがないと結婚の決断が出来ず、女性は経済的に豊かになると結婚を望まなくなると、色々な意味で結婚は金なんだと、改めて感じる。
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対談をまとめたからなのか、読みにくいところもあるが、結構腑に落ちたりする文もあって、なんとか読み終えた。相手の幸せを望むことが大事。
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感情が劣化した当方に、この本はグサリと刺さった。
心の穴を埋めるように恋人、パートナーを扱ってはいないか?自分の気持ちはオートマタ的な損得に基づいて発露されていないだろうか?
一度通読しただけでは咀嚼し切ることはできない、性愛と社会の諸問題。
自分自身がそんな「クソ社会」の一員であることを自認した上で読むと、より興味深い示唆を与えてくれる。
本著は年齢や性別を跨いで、性愛で悩む多くの現代人のガイドブックになりうる。
そしてこの一冊が個人、社会にとって要らなくなる。
そうなれば著者のお二人、私にとって御の字だろう。