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五十坂家の百年、四代にわたる大河ミステリーはどこか赤朽葉家の伝説を彷彿とさせる。
レトロで、淫靡で、いびつな人間たちはみな魅力的で興味をそらさない。
時系列に沿ってではなく、時間軸を縦割りに語っていく手法により、それぞれの世代の謎の糸が撚り合わさって、最後に解決を見るそのダイナミズムがたまらない。
また好きな大河小説が増えました。
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双子の老女が手に手をとり崖から飛んだ。葬儀に集った子らは、武家屋敷の床下から遺骨4体と一族の秘密を掘り起こす。乙女の因果が巡る背徳のミステリー。
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私にとって三冊目の斉木香津。読んだ中では一番いまいちだった。
横溝作品のようなものものしい舞台設定だが、正直おどろおどろしさに欠け、軽めな印章。
色んな人物が出てくるが、瑠璃子のキャラクターが強すぎて、それ以降の人物の印象が薄くなっているのもその一因かと。
それにしても、瑠璃子はその名前や性格から超絶美少女な設定にされてもおかしくないのに、容姿が優れていないとされているあたりは著者の悪意を感じてよかった。
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因業な金貸しに始まる、歪んだ一族の血塗られた歴史……的なことを言いたくなるのだが、よく考えてみれば一族で邪悪と呼べるのは(初代を別にすれば)一人だけなのだな。見方を変えれば案外ハートウォーミング系かも知れない。ただ読後感は曖昧。イヤミスと考えれば悪くないになるだろうけどね。なにかすっきりしない。
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文章は淡々としていて、登場人物たちの感情も、描かれてはいるけれど抑えめ。
どんなことがあったのかは序章で何となく知らされるので、それがいつどんな風に起こるのかと気にしつつ読んだ。
第一章は、約百年前のできごとと現在のパートが交互に繰り返される。第二章は、数十年前のできごとと、現在のパート。これらがどうつながっていくのかなというところにも興味が湧いたし、なにげない日常を記すような語り口なのにけっこうすごい展開があるので、目が離せなかった。
アゴタ・クリストフさんの「悪童日記」を読んでいた時に近い感覚があった。
静かに驚き続けながら最後まで読み終えた。好きなテイスト。面白かった。